「もうすぐ大洪水がやってくる!」
大地を飲み込む悪天候の到来で、多くの生き物は絶滅の大ピンチ。そこで生き残りをかけて、ノアという人間が作った箱舟に動物たちも乗船します。
でもせっかく箱舟に乗れるのに、もし乗り遅れっちゃったら?
世界の終わりが訪れようとする緊迫した状況の中、乗り損なってしまった動物の子供たち。
彼らの大冒険を描いたCGアニメーション映画【ワールドエンド!フィニーとノアの箱舟】の世界へとご案内いたします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
【ワールドエンド!フィニーとノアの箱舟】箱舟に乗る動物たちの物語
ビッグウェーブが俺を呼んでるぜ。
…大洪水が来たら、そんな呑気なこと言ってられないだろ。
この地球上で海が占める割合は約71%。
水があり空気があり、多くの生命が育まれる蒼く美しい星が地球ですが、もしこの海面積が一時的にでも100%になったら…?
遥か遠い昔々、神が人間の怠慢や堕落を戒めるために大洪水を起こして陸地を無くし、一面水浸しで人間を一掃した、という伝説があります。
あ!ノアの箱舟?
そう。聖書を読まない人々にも広く知られてる神話だ。
- ノアの箱舟(方舟)は、旧約聖書の創世記第6章〜第9章に描かれた神話
- ノアとかいうどこぞの人物が超大型の船を作り、大洪水の難を逃れた
- このとき箱舟には沢山の動物たちも乗せられた
ネタ元がどこで、結局どうなったのかまでよく知らなくても、薄々こんな話だったけ、っていうのは結構有名かと。
今作【ワールドエンド!フィニーとノアの箱舟】は、そんなノアの箱舟伝説を動物目線で描いたCGアニメーションのファンタジー映画 です。
なんとなくじゃなく、ノアの箱船伝説がどんな話なのかというのは、REONさんの雑学トリビアをどうぞ。
映画【ワールドエンド フィニーとノアの箱舟】基本情報
ワールドエンド フィニーとノアの箱舟 | 2015年 ドイツ・ルクセンブルグ・ベルギー・アイルランド合作映画 |
ジャンル | 3Dアニメ・アドベンチャー |
監督 | トビー・ゲンケル、ジョン・マコーマック |
脚本 | マーク・B・ホドキンソン、リチャード・コンロイ、トビー・ゲンケル |
上映時間 | 86分 |
声の出演 | ダーモット・マゲニス、カラム・マロニー他 |
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【ワールドエンド フィニーとノアの箱舟】登場するのは動物のみ
まずこの映画、ノアの箱舟伝説がベースになっていますが、神や人間はこれっぽっちも登場しません。
チラッと「ノアという偉大な人間が我々を大洪水から守るべく、船に乗せてくれるんだそうだ」という程度の話題にはのぼりますが、主役はあくまで動物たち。
物語は、まもなく大洪水がやってくること、そして大洪水に備えて箱舟がご用意されてるからとりあえず動物みんな集合せよ、という御触れが出たところから始まります。
なんか見たことない生き物も混じってるんだけど。
あぁ、それはネストリアンって動物だ。
なんの動物をモチーフにしたのかも全くわからない、完全に架空の動物ネストリアンが今作の主人公。
ちょこっとヌイグルミのような毛が生えてますが、キャラクターグッズにしたいほど愛くるしくはありません(笑)
- ビビットなボディーカラーに、明るい水色のライン入り
- 水色ラインは夜間になると煌々と光り輝き、辺りを照らす
- 森に住む動物なのか、砂漠で生きる動物なのか、はたまた海の生物なのかも不明
- どこで生息するのが最適か、永遠の棲家を探して父子で旅してる
- 特技はその辺にあるもので家作り&怖い思いをすると強烈に臭いっ屁をかます
…とその生態はナゾだらけ。そんなネストリアンの父子のもとにも箱舟召集の御触れが届きます。
集まった動物たちは肉食動物・草食動物で分かれて並び、勢揃いした動物たちを出迎えたのは百獣の王・ライオン殿。
箱舟の船長も任されており、ライオン殿が皆の衆のまとめ役です。
狭い船内に閉じ込められ、逃げ場を失った草食動物は、ライオン殿に食い散らかされて辺りは血の海に…
…とはならないから。スプラッタームービーにするな。
肉食・草食入り混じって乗船しますが、そこはしっかり「狩り禁止」の制約付き。
各動物たちは、ライオン殿やアシスタントのフラミンゴなんかがいる窓口で、名簿と照らし合わせて安心・安全な乗船手続きを行います。
が、しかし。
ナゾの動物・ネストリアンの名前はそこにはなく、箱舟に乗る権利がありませんでした。
集合した動物の全ての種類が乗れるわけではなかったんです。
見たことない変な架空の動物だから?
…という訳でもない。同じように架空の動物グリンプは乗船名簿に載ってたし。
- ちょっとジャッカルに似た黒毛の肉食野生動物
- 群を作らず狩りをする習性がある
- 母娘で乗船しに来た
父ネストリアンは、絶対箱舟に乗れるから大丈夫、と息子に豪語。
しかし実際は乗る権利がありません。
そこでちょっと悪巧みして、身体の大きさが似ていて乗船名簿にも載っているグリンプに変装し、グリンプ母娘と家族であると偽ったんです。
…誰がどう見てもバレバレな変装してるよね。
みんな目が節穴なのか、手続きパスしてたな。
グリンプママはコイツら家族じゃない!と文句を言いますが、「夫婦ゲンカは船室内でごゆっくり」と乗船させられてしまいます。
こうして本当は乗る権利のないネストリアン父子も、まんまと箱舟に乗りこみました。
【ワールドエンド!フィニーとノアの箱舟】乗り逸れた子どもたちの大冒険
なんとかネストリアン父子もどさくさに紛れて無事乗船。当然グリンプ母娘は激おこです。
夫婦ゲンカならぬ他人ゲンカが船室内で勃発し、親のケンカをよそに姫グリンプは甲板に出かけてしまいます。
甲板に何しに?
大洪水をその目で見たいんだとさ。
どうやら姫グリンプは好奇心も旺盛、冒険心が強い模様。
一方で、ずっと旅してばかりで友達がなかなか出来なかったちびネストリアンは、姫グリンプについて行くことに。
ただ、甲板は危険だからと立ち入り禁止区域になっています。
ゴリラの守衛に見つかって、逃げてる間にいつのまにか箱舟の外、足場に使われていた木枠の上へと逃げ込んでしまいました。
てっきり船上だと思っていた子どもたち。箱舟が出港を始めて初めて船外だと気付きます。
二人の叫びも虚しく、箱舟は航行。
せっかく大洪水から逃れるために箱舟に乗ったはずが、乗り損なってしまいました。
大洪水を目前に、冒険のはじまりはじまり
箱舟の航行で足場だった木枠も崩れ、2人は結局島へと逆戻り。
雨足は次第に強まり、大洪水は静かに確実に忍び寄っています。
ど、ど、どうするのー。このままじゃ土左衛門だよね!?
土左衛門(笑)。いまどき死語だろ、それ。
まぁ確かに陸地が水没しちゃうから箱舟で避難、ということだったので、乗り損ねたら大海原に漂ってドザって命が尽きるのを待つのみです。
2人はとりあえず高台へ…と山を目指すんですが、決して仲良く力をあわせてということにはなりませんでした。
- そもそもネストリアンとかいう変なのが箱舟に紛れてきたから、ややこしくなった
- 甲板でも鈍臭いからゴリ守衛に追われる羽目になった
- それにグリンプは群れない。一人で行動するわ
姫グリンプは、そりゃもう尖りまくってツンケンしながら、そそくさと行動を開始します。
…とはいえ目指す先は同じ山、行く道は同じです。
ちびネストリアンにしてみれば、どうせ同じ場所を目指してるし、ってことで仲間意識を持って後を追いました。
箱舟に乗れなかった生き物は他にも
日も暮れ始め、雨足はさらに強まります。
ちびネストリアンは、特技を活かして木の上に家を作ることに。姫グリンプをお誘いするも、相変わらずのツンツンぶりで気の強さMAXです。
さすが群れないたくましい習性だね。
…本当は怖くてたまらないんだがな。
姫グリンプは強がってはいるものの、まだまだ子ども。
ツンツンしながらも結局はちびネストリアンの小屋にお邪魔して、豪雨をしのぐことになりました。
そうして一晩を過ごし、翌朝目が覚めたら辺りはとんでもないことに。
早くも土左衛門の危機かと思ったら、飛べる動物の中で乗船拒否を食らったコウモリ夫婦がご登場。
2人を目指して滑空してくるので助けてくれるのかと思いきや、目の色をかえてこんな雄叫びをあげて接近してきました。
周囲は水浸しになり始め、エサもそうそう見つかりません。
2人はまんまと取っ捕まりますが、ちびネストリアンの臭い屁攻撃でなんとか落下。まだ浸水していない陸地に落ちて、ここでも箱舟に乗れなかった生き物と出逢います。
またエサ発見!って喰われそうになったんじゃ…。
いや。もう大洪水に飲まれるのを覚悟した巨漢の生き物だった。
何度も襲ってきたコウモリ夫婦の追撃も、この巨漢のおかげで助かった2人。
ちびネストリアンは、山に登れば助かるかもしれないから一緒に行こうと巨漢を誘います。
ですがこの巨漢、足の生えていない生き物でした。移動するにもちょっとずつバウンドしながらの匍匐前進状態。
またもや強気で先走る姫グリンプですが、行く手で落石に合うなど災難に遭うことに。もうダメかと思った矢先に巨漢の助太刀で危機を乗り越えます。
本当は怖くて心細いけれど強がっていた姫グリンプ。
ちびネストリアンの「仲間だから一緒に」の言葉を今度こそ素直に受け止めて、みんなで大洪水を逃れるべく大冒険して行く…というのが序盤のあらすじになります。
そう言えば、出港しちゃった箱舟に乗ってる父ネストリアンとグリンプママは?
そりゃもう、血眼になって探して箱舟を引き返させようと頑張ってるよ。
世界の終わりがやってくる!?【ワールドエンド!フィニーとノアの箱舟】
大地を飲み込む大洪水に備えて、巨大な箱舟に乗り込む動物たち。ただし乗り込めるのは、選ばれし者のみ。
はみ出しもののネストリアンの子供と、巻き添えを食らったグリンプの子供が箱舟に乗り損なって、さぁ大変!
果たして子供たちはこのピンチを乗り越えられるのか。大事な我が子を救うため親たちも大奮闘するハラハラどきどきの大冒険予告動画はこちら↓
【ワールドエンド!フィニーとノアの箱舟】大冒険を繰り広げる登場人物たち
見たことない架空の動物・ネストリアンとグリンプの子供が主人公ですが、大冒険を通して成長していく子供たちや、愛する我が子のためになりふり構わず行動に出る親たちなど。
いろんな苦難を乗り越えて頑張る姿は、つい応援したくなっちゃいます。
感情豊かな動物たちを演じた声優さんのお名前とともに登場人物をご紹介いたしましょう。
フィニーはネストリアンという架空の動物の子ども。奇抜なオレンジ色の身体に水色のラインという見た目が特徴的です。
お父さんであるネストリアンのデイブと二人暮しですが、なかなか一つの場所に定住しないことが一番の不満。
今回は「大洪水がやってくる」ということで引越しもやむなし、箱舟に乗るのを楽しみにしていました。
しかし乗船の際に知り合ったリアとともに、結局は箱舟に乗り遅れてしまいます。
友達を思いやり、仲間を大切に想う優しい心を持ったフィニーは、ちょっぴり臆病な部分もある主人公です。
リアはグリンプという架空の動物の子ども。お母さんであるヘイゼルと二人暮らしで、かなり厳しい躾の中で育てられました。
本当は友達が欲しいけど、群れること、馴れ合うことはグリンプにとっては恥。
…と自分に言い聞かせ、一生懸命お母さんの期待に応えようと頑張る努力家でもあります。
ちょっとした好奇心から箱舟に乗り遅れ、フィニーと大冒険を繰り広げるもう1人の主人公でもあるヒロインです。
デイブはフィニーのお父さん。どぎつい濃い紫の身体に水色のラインが入ったネストリアンです。
お気楽極楽なポジティブ思考の持ち主で、ネストリアンの本当の棲家を探す旅の途中。
そんな大人の事情はよくわからないフィニーからは、引越しの度に拗ねられてます。
今回残念ながら箱舟に乗れる乗船名簿にネストリアンの名前は無かったけれど、我が子との約束を果たすため、グリンプに変装して紛れ込むことに。
どんな時でも前向きで底抜けに明るいデイブは、とても子ども想いのステキなパパです。
ヘイゼルはリアのお母さん。女手ひとつでリアを育てているようで、グリンプの孤高で気高い生き様を厳しくリアに教え込んでいます。
箱舟に乗船する他の動物たちは「つがい(夫婦)」なのに、ヘイゼルは母娘のみ。ちょうど身体の大きさも似ていたので、デイブに夫婦のフリをされて激おこプンプンしてました。
が、リアが乗り遅れたことを知り、デイブと一時休戦して子どもたちを救うために奔走します。
ライオンは、その名の通り百獣の王のライオンです。大洪水に備えて箱舟を作った人間・ノアのご指名で、動物たちの統括と箱舟の舵取りを任されました。
子どもたちを助けに行きたいデイブとヘイゼルの要望を冷たくあしらい、百獣の王らしく凛々しい立ち振る舞いをしていますが、決して悪人ではありません。
ちょっぴりコミカルな役どころでもあり、そのギャップにクスリと笑みがこぼれます。
デブッチは、箱舟に乗船を許可されなかった巨漢の生物。ポヨンポヨンな巨体には苔や草が生い茂り、一見すると岩っぽい見た目をしています。
箱舟に乗り損ねて陸地に舞い戻ったフィニーとリアに出会い、一緒に大洪水から逃れるべく冒険に出かけます。
足がないので跳ねて移動するしかないデブッチは、どう見ても足手まといなんですが、それでもフィニーはデブッチを見捨てず仲間として行動。
子どもたちを見守る穏やかでおおらかなおじいちゃん、といった印象のキャラクターです。
ヒッツキは、デブッチの頭のてっぺんに寄生している生物。寄生していないと生きていけないらしく、ヒッツキもまた箱舟乗船名簿から外されました。
んまー、よく喋るやかましい性格で、しかもさっき言ったことと今言ったことが180度変わる八方美人。
でもこのやかましさが、時には「もうダメだ」という諦めムードに油を注ぎ、逆境に立ち向かう勇気を奮い立たせてくれたりもします。
…とメインキャラはこの辺り。
他にも箱舟の守衛のゴリラや執事のようなチンパンジー、フィニーとリアを喰おうと狙うコウモリっぽい鳥類夫婦なんかも登場します。
私は吹き替え版で鑑賞したんですが、ハラハラどきどきの展開の連続 で、お子さん向けの作品でありながらも喰い入るように観てしまいました。
まとめ
世界の終わり、大洪水を生き延びるために作られたみんなが乗れる巨大な箱舟。しかし箱舟に乗れるのは選ばれし者のみでした。
- ノアの箱舟伝説を、動物たちの目線で描いた長編アニメーション映画
- 船に乗り損なった架空の動物の子供たちが繰り広げる冒険譚
- 子供たちの勇気や仲間との信頼、親たちの底知れぬ愛情は、感情移入してしまうこと間違いなし
アメリカ・イギリス・ドイツ・スペイン。
2015年に欧州を中心に公開されて大反響だったものの、今作は日本ではそこまで話題にはなりませんでした。
お子さん向けのCGアニメ作品ですが、最新CGを駆使した繊細なアニメーションは、とてもクオリティの高い映像になっています。
【ワールドエンド!フィニーとノアの箱舟】は、ひとりひとりのキャラクター性が際立っていて、先が気になる展開は大人が見ても手に汗握る大冒険を描いた作品でした。
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