根強い人気のアニメ映画【AKIRA】
1982年から週間ヤングマガジン(講談社)で連載された、大友克洋氏のマンガが原作です。
数々の名シーン、数々の名言。
そして解釈に悩む作り込まれたストーリー。
今観ても、少しも色褪せない名作アニメ映画【AKIRA】考察レビューをお届けします。
この記事で分かること
- 映画【AKIRA】の名シーンを手描き4コマで再現
- 映画【AKIRA】あらすじ概要・キャスト・予告動画
- 映画【AKIRA】アキラとは何なのか考察レビュー
- 芸能山城組によるラッセラー♪ のYouTube動画
映画【AKIRA】名シーン多し・大友アニメ
映画【AKIRA】あらすじ
1988年。
第三次世界大戦が勃発し、東京は新型爆弾によって壊滅。
それから31年の月日が流れ、2019年。
旧東京湾内に人工都市「ネオ東京」が建設されました。
しかし軍と反政府集団との抗争が絶えず、東京はまだまだ復興途上中。
そんな時代に生きる金田・島鉄雄・山形・甲斐たちは、職業訓練校に通う少年どもです。
- 彼らは、盗んだバイクで走り出す〜♪ がモットーの暴走族
- オラオラ暴走・人さまの車破壊・対立チームとケンカの毎日
- 「ヤンチャ」ばかりしていたら、不良の1人・島鉄雄がある日事故を起こした
それは鉄雄のイケてない暴走運転のせいではなく、謎の子供のせい。
見た目はシワシワの老人、でも実は10歳くらいの少年タカシ。
このシワシワ子供タカシが発揮した不思議パワーのせいで、鉄雄はバイクごと吹っ飛ばされてしまいます。
金田をはじめとする仲間たちは鉄雄の身を案ずるも、なぜか鉄雄は軍の施設に収容されることに。
そこにはタカシのような謎のシワシワ子供が他にも2人。
いずれも不思議パワーの持ち主でした。
鉄雄はタカシとの接触事故で不思議パワーに目覚めてしまい、秘密裏に隔離されてしまったのです。
金田は政府軍に連れ去られた鉄雄を探すうち、反政府集団のケイやリュウと出会い、日本政府の秘密を知ることに。
鉄雄が連れ去られたワケ。
シワシワ子供の存在。
常人ではありえない強大なパワー。
日本政府が軍まで動員してひた隠しにする、この力は一体何なのか。
そのカギを握るのは『アキラ』と呼ばれる少年でした。
未知なるパワーに目覚め、調子ブッこきはじめた鉄雄の暴走を食い止めようと奔走する金田たち。
少年たちが最後にたどり着き、目にした『アキラ』とは。
世界中が驚愕し、日本のアニメ=ジャパニメーションと呼ばれるきっかけになったSF長編アニメ大作です。
映画【AKIRA】キャスト&予告動画
金田正太郎 / 声 : 岩田光央
金田は暴走族グループを率いるリーダー格の少年。
軽いノリの自信家だけど、友を見捨てない漢気ある性格。
島 鉄雄 / 声 : 佐々木望
鉄雄は、子供の頃から金田とつるんでいた少年。
金田に対するコンプレックスが、制御しきれない力の暴走を招くことに。
ケイ / 声 : 小山茉美
ケイは、反政府集団の一員。
ゲリラ暴動の最中に金田と知り合い、軍が隠している「何か=アキラ」の真相に迫る。
敷島大佐 / 声 : 石田太郎
敷島大佐は、日本政府が国民にも世界にも内密にしている研究を守る役目の軍人。
夢やロマンは追わず、今やるべきことを優先する現実主義者。
キヨコ / 声 : 伊藤福恵
キヨコは、軍の研究施設にいるシワシワ少女。
No.25という研究個体名もあり、予知夢の能力を持つ。
タカシ / 声 : 中村龍彦
タカシは、軍の研究施設にいるシワシワ少年。
No.26という研究個体名もあり、研究員の手引きで1度脱走したとき鉄雄と遭遇。
マサル / 声 : 神藤一弘
マサルは、軍の研究施設にいるシワシワ少年。
No.27という研究個体名もあり、車椅子に乗るポッチャリ体型が特徴。
アキラ / 声 : ーーー
アキラは、人智では制御不可能な未知のパワーを持った少年。
今作最大のナゾのお子さまで、アキラの力・アキラの存在・アキラを取り巻く人間模様が焦点。
映画【AKIRA】予告動画
映画【AKIRA】基本情報
AKIRA | 1988年 日本映画 |
ジャンル | 長編アニメーション・SF |
原作・監督・脚本 | 大友克洋 |
上映時間 | 124分 |
声の出演 | 岩田光央・佐々木望・小山茉美・石田太郎ほか |
動画配信サービス | Amazonプライムビデオ(レンタル作品) |
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映画【AKIRA】金田と鉄雄とアキラとは
赤い服、もしくは赤いマントのデコ助野郎。
この2人の少年のどっちかが『AKIRA』という名前の主人公と思いがちなこのアニメ。
でも実は、どっちも『AKIRA』ではありません。
- 主人公は、金田正太郎と島鉄雄
- コンプレックスの塊だった鉄雄が超能力に目覚め、力に依存し暴走
- それをリーダー気質で人望もあって、バイクも特別仕様の金田が救う
…と、外核はかなり分かりやすい設定です。
行き当たりばったりな行動・善悪関係なしの正義感・幼稚なコンプレックス。
主人公が少年たちだからこその不器用さ・ひたむきさが眩しく見え、不良っぷりすらカッコ良く見えてきます。
主人公がもし、もうちょい大人だったら。
損得や欲やしがらみが見え隠れしていたら、出せなかった味わいがあるんですよね。
だから金田と鉄雄のやり合いだけでも、充分クールで魅力的。
…なんですが。
タイトルにもなっている『AKIRA』が関わることで、深みのある物語に。
不良友情物語に超能力SF要素がプラスされ、ありがちなお話で終わらないところが映画【AKIRA】の魅力 です。
AKIRAは人間とは別格の存在
実は金田と鉄雄の物語に、そうとう食い込んでるアキラくん。
舞台となるネオ東京からして、すでにその存在が関与しています。
- そもそも第三次大戦の元を作ったのがアキラくん
- 未知のパワーを持って生まれ、制御出来ずに東京が壊滅する大爆発を起こした
- これはエライこっちゃ!と「アキラ」の存在を日本国が隠蔽
- 核実験に失敗しちゃったことにしたら、他国から攻撃されて戦争に発展
この力があれば、世界を牛耳れる。
そう画策した腹黒い大人たちは、科学者の探究心を利用してこのパワーを研究することに。
一方で、こんなパワーがあると分かれば奪い合いとなり、世界どころか地球も宇宙すら壊滅する恐れが。
そう危惧した大人たちが、軍を動員して徹底的に情報漏洩を阻止。
大人たちには欲と損得があるものの、大人ならではの考え方でアキラくんに関わっていきます。
- 無かったことにも出来ず、かといって見過ごすことも出来ず
- どう抑え込むかが最重要だが、アキラくんの力は凡人では手に負えない
- 似たような力を持つシワシワ子供が、アキラくんの力をコントロールする手立てかも
- ということで、研究所に隔離して実験体に
こんな裏事情がある世界で、盗んだバイクをブイブイいわせていたのが金田や鉄雄だった…というわけです。
不完全な原始エネルギー体
でも結局アキラくんって何なのよ。
凡人では手に負えず、宇宙をも壊滅させるほどの力を持ったお子さま。
人間とは別格、特別な存在を人は『神』として崇めますね。
劇中でもミヤコ様なる怪しい教祖が、アキラくんを「大覚アキラ」として崇めています。
大覚とは、悟りを開いた人のことを指す表現です。
人間だけど、凡人じゃない。
人間だけど、誰もが持っている力と違う力がある。
あぁ、だから「大覚アキラ」、神扱いされるキャラなのか。
というと、またそれを深く掘り下げた描写が盛り込まれてきます。
それがアキラくんの存在を知ったケイが抱いた「アキラとはなにか」という疑問。
金田に説明するかのように、ブツブツ言ってるケイのシーンに「アキラが何なのか」を考察するヒントが。
- まずケイは、アキラが凡人ではないのは何故かを考え始めた
- アキラは『神』ではなく、「人類の進化の未来形」という仮説を立てた
- 物事はなんでも必ず0から始まって、1…2…と段階を踏んで前に進む
- でももし一歩ずつではなく、途中をすっ飛ばして前に進んだら?
ケイは、そんな一歩ずつ物事が進む過程を、人類の進化に置き換えて考えます。
そうして段階をすっ飛ばして進化した新人類が「アキラ」 だという考えに至ります。
さらにアキラが持つ力のナゾにも迫っていくことに。
- 「アキラ」が持つ力はどこからくるのか
- 人間には、他の動物と違ってモノを作ったり壊したりする能力がある
- ただ、何かを作ろう・あれを壊そうという理由は?その思想はどこからくる?
- 考えるということ自体、何かしらのエネルギーを使ってるはず
- でもその思想のエネルギー源はどこから湧いているのか
始まりを生み出すためのエネルギー。
それはきっと、万物を創造するビッグバンのようなエネルギー。
そもそも地球は、何もない宇宙で生まれた星です。
そして人間は、何もない地球に生まれた生命体が繰り返し進化した種族です。
「何もない」から誕生するための原始的な力を、進化しながら人間も受け継いでいるかもしれません。
アキラくんの力は、万物創造の力と同じような原始的なエネルギーを受け継いだ証なのかも。
でもなぜアキラくんは、そんなエネルギーを持って生まれたのでしょう。
- 人類は全ての能力が解放された完全体ではない
- 潜在意識の中でくすぶっている記憶もあるはず
- そもそも人類の遺伝子は、いまだ未知の領域がある
- その中に、万物創造の始まりの力を操る遺伝子があるのかも
- アキラくんは、その遺伝子がいち早く開花しちゃった存在なのでは
ただ、そんな凄い原始エネルギー源をコントロールするには、今の人類形態では力不足。
人体という器では耐えきれず、力が暴走して街を壊滅させたり、老体という外見の副作用が起こった と推測できます。
つまり『アキラ』は何なのか。
あれこれ考えたら、こうなりました↓
- アキラくんの持つ力の源は、無から有を生み出した宇宙のエネルギー源と同じ
- 「アキラ」とは、新たな宇宙を生み出す究極の原始エネルギー体のこと
- あまりに危険なため、体組織単位で解剖ホルマリン漬けに
うん、難しい(笑)
ややこし過ぎて、自分でも解釈に困ってしまいました。
結末が意味するものは?
考えれば考えるほど、沼にハマる映画【AKIRA】
アキラくんと金田&鉄雄の物語が合体しちゃってるので、ますますストーリーが難解なんですよね。
特に結末は、何をいいたいのか意味不明←大友監督、ごめんなさい(笑)
- 誰にでもアキラくんと同じ進化を遂げる遺伝子がある
- 鉄雄が力に目覚めたのは、その表れ
- さらに鉄雄はアキラよりは大人なので、そこそこパワー強め
- とはいえ、エネルギーを操れるほど有能ではない
- 暴走した鉄雄の力をどうにかするため、アキラ・キヨコ・タカシ・マサルのパワーを集結
- 5人の原始エネルギーの合体技でビックバンを起こし、力を封じ込める別の宇宙を創造
- 最後の白い球は、彼らのエネルギー源が生み出した新世界
「鉄雄」は子供の頃の思い出を、走馬灯のように金田に押し付けて消えていきます。
これは自分が創造主になった新世界に、コンプレックスの元・金田は必要ないから。
そして、鉄雄たちのビックバンに巻き込まれた金田を救うキーマンが、ケイ。
何があっても鉄雄を救う金田の男意気を、さらに印象付けるための登場人物かと。
とどのつまり、映画【AKIRA】は何が言いたい作品なんでしょう……。
アキラという存在は、決して特別というわけではなく、やがて人類は同じ高みまで進化するかもしれない。
今はまだその進化の途中なだけだ。
こんな深過ぎるメッセージが込められた、SF大作なのかなと思います。
映画【AKIRA】よりは分かりやすい、大友克洋氏のその他SFアニメも紹介しています。
あわせてどうぞ↓
映画【AKIRA】まとめとラッセラー♪
映画は、いろいろ独自解釈を交えて観るのも醍醐味のひとつ。
…なんですが。
映画【AKIRA】は、1度観たくらいじゃイマイチ理解に苦しむ独特の世界観が広がっています。
金田のバイクじゃないですが、それこそ内容がピーキー過ぎて(笑)
「これがAKIRAの映画の答え」という正解はなく、解釈がムズいんですよね。
ただ、何度か繰り返し観ると、解釈の糸口が見えてくる気がします。
今回は、たぶんここにヒントが…と思ったケイのセリフからじっくり解釈してみました。
…とはいえ脳内を駆け巡るのは、結局この2つに集約されるんですけどね↓
- さんをつけろよ、デコ助野郎!
- ラッセラー♪ ラッセラー♪ ラッセ、ラッセ、ラッセラー♪
これだけは、何年経とうが忘れられません。
もちろんストーリーの世界観もインパクトありすぎ。
これほど中毒性のある作品は、昨今ではあまり見かけないように思います。
まぁ間違いなく混乱して、観るたびに頭ん中「ラッセラー♪ 」になりますが(笑)
こんな考察意見もあるのか、もう1度観直してみようかな。
そんな風に思っていただければ、恐悦至極にございます。
最後に、1度聞いたら脳内でリピート再生される独特のBGMのオマケをどうぞ。
バリの呪術的合唱舞踊・ケチャが元になっている芸能山城組の音楽「金田のテーマ」
映画【AKIRA】を観るならこちら
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