ひとつの映画ジャンルとしてすっかり定着しているJホラー。
ジワジワくる湿っぽい恐怖が持ち味ですが、中には不気味でグロくてOoops!する作品も。
観たら後悔する(←かもしれない)、Jホラー15選をお届けします。
この記事で分かること
- じんわりくる怖さから、こりゃ残酷な怖さまで15本をピックアップ
- あらすじ概要
- 予告動画・DVDブルーレイ情報
- 配信中の動画サービス
1303号室 (2007)
映画【1303号室】は、《呪怨》シリーズのノベライズ本も執筆している小説家・大石圭氏の同名小説が原作。
監督は、《富江》シリーズで恐怖を撒き散らかしたホラー映画界の旗手・及川中氏。
制作会社がアメリカなので、正確には邦画ではなく洋画扱いになっているJホラーです。
- 海を見下ろすリゾートホテルばりのマンションが舞台
- このマンションの1303号に住んだ者には共通点が
- 住人の女性はもれなくベランダから投身自殺
- なぜそんなことが…という怪異の裏にある怨念が明かされる物語
少し《リング》の山村母娘を思わせる、呪い系のお話になっています。
決して逃れられない死の真相に迫る女性が主人公。
《アパートメント1303号室》というアメリカのリメイク版もありますが、そっちは評価がボロクソです。
Jホラーはこうでなくちゃ…という定石通りのジメっとした怖さがまとわりつく作品。
映画【1303号室】
監督 : 及川中
主演 : 中越典子、古田新太、大谷直子ほか
上映時間 : 94分
※現在動画配信サービスの取り扱いがありません
不安の種 (2013)
映画【不安の種】は、かなり変わった世界を描いた漫画が原作。
ひたすら不気味な雰囲気と、気持ち悪さを味わうお話です。
- 道路に目ん玉がウニョる地方都市が舞台
- 怨念が…とかではなく、とにかく都市全体が狂ってる
- この街に越してきた一家が惨殺されたり
- 医学上死んでるのに意識があったり
- 霊的なモノが見えて実害を受けたり
- なぜこの街ではそんなことが…という明確なオチはない
現実の中に見え隠れする非現実的な日常とは、ほんの些細な「不安」から始まる恐怖である。
そんなイメージの怪異が次々と起こります。
時系列はバラバラ、CGはかなり雑。
演出の粗さが別の意味でも気持ち悪く、内容のもどかしさと相まって余計モヤってゾワる作品。
映画【不安の種】
監督 : 長江俊和
主演 : 石橋杏奈、須賀健太、浅香航大、津田寛治ほか
上映時間 : 87分
オーディション (2000)
映画【オーディション】は、三池崇史監督の名を世界に知らしめることになった出世作。
村上龍氏の小説が原作です。
痛めつけることで想いを表す、歪んだ愛情のやりとりが描かれています。
- 妻と死別し、息子と暮らすビデオ制作会社の社長が主人公
- 息子の願望・知人の助言もあって再婚することに
- 映画のオーディションと偽り再婚相手を厳選
- 応募者の1人と仲を深め、彼女の魅力にゾッコン❤️
- ところが女性はとんでもないメンヘラだったお話
まだ幼い子を持つ男やもめが再婚し、幸せを掴むラブストーリー。
…のようでいて、物語の節々に陰鬱なオーラが漂ってます。
観ていて感じる不吉な予感は見事に的中。
キリキリキリ…痛いでしょう?
女性の愛情表現のグロさ、死も謎も含んだ悪夢の痛さが強烈に押し寄せる作品。
インプリント〜ぼっけぇ、きょうてぇ〜 (2006)
映画【インプリント〜ぼっけぇ、きょうてぇ〜】は、アメリカのケーブルTV用ホラー映画集「マスターズ・オブ・ホラー」のひとつ。
トビー・クーバー、ダリオ・アルジェント、ジョン・カーペンターなど。
世界のホラー映画監督が集結した作品集で、日本からは三池崇史監督が召喚されました。
全編英語・時代劇っぽいビジュアルの中、ありえない酷さの拷問・奇刑が描かれています。
- アメリカ人の文筆家が、ある女郎を探し中
- 浮島の遊郭を訪れ、彼女が自殺したことを知る
- さらに遊郭で彼女の死の経緯も聞かされることに
- 愛など一編もない遊郭で過ごした女郎の壮絶な生と死の物語
原作は、岩井志麻子さんの短編小説。
『ぼっけぇ、きょうてぇ』とは、「とんでもなく怖い」という岡山弁の方言です。
結局アメリカのケーブルTVでも放送出来ず、お蔵入りしたほど痛すぎ怖すぎな作品。
グロテスク (2009)
映画【グロテスク】は、《口裂け女》《貞子VS伽耶子》など、多くのJホラーに携わっている白石晃士監督作品。
邦画スプラッターの極み、直視できない残虐シーンがてんこ盛りです。
- とあるカップルが初デート中に拉致・監禁
- 薄暗い部屋で手術台に縛りつけられ、戦慄開始
- 見知らぬ巨漢男が拷問器具やら何やらを用意
- …もうあとは想像を超える解体で肉塊に
まさにタイトル通り、怖すぎ痛すぎなグロまみれ。
Jホラーの怖さではなく、白石監督の本気のえげつなさがタップリ詰め込まれています。
…もうね、ほんとひどい有り様です(汗)
予告動画すらも閲覧厳重注意⚠️
びっくりするほどグッチョグチョの怖さに失神しそうになる作品。
映画【グロテスク】
監督 : 白石晃士
主演 : 長澤つぐみ、川連廣明、大迫茂生ほか
上映時間 : 73分
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません
ノロイ (2005)
映画【ノロイ】は、残された映像から真相を解明していくファウンドフッテージという類の作品。
《リング》《呪怨》の一瀬隆重プロデューサーと、白石晃士監督がタッグを組んだ呪い系のお話になっています。
- ドキュメンタリー映像作家の男性が主人公
- 家が全焼し、焼け跡からは奥さんの焼死体が
- 主である作家は消息不明。おそらくもうこの世にはいない
- 彼は最後に、あるひとつの怪奇現象を追う映像作品を完成
- 残された映像作品を見ることで、真相が明らかに
不気味で薄気味悪く、話の流れも関連性が薄くて始めのうちは意味不明です。
徐々にアレとコレはこう繋がっていたのか!?…と気付いた頃には時すでに遅し。
怖さがあとからあとからジワジワ押し寄せてきます。
なぜ映像作家は消えたのか。
なぜ死んだのか。
おぞましい出来事の真相を、あなたは最後まで見届けることができますか?
…そんな触れ込みで鑑賞欲をそそり、かなりリアルに感じるモキュメンタリーの恐怖に震える傑作。
映画【ノロイ】
監督 : 白石晃士
主演 : 松本まりか、アンガールズほか
上映時間 : 115分
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません
エクステ (2007)
あなたは何フェチ?
私は声フェチです(←どうでもいい)
映画【エクステ】は、髪フェチ中年男の異常なこだわりが怨念を生み出してしまったキショいお話です。
- 美容師見習いの女性が主人公
- ある日、彼女が勤める美容室に「これでエクステを…」と髪持参の男性客が
- 同じ頃、大量の髪と少女の遺体が発見される事件が発生
- 実は男は髪を集めるためだけに殺人を犯す髪フェチ野郎
- 怨念たっぷりの人毛エクステをつけた女性が、次々惨殺される羽目に
園子温監督が描く独特の世界と、豪華な出演俳優陣が見どころ。
綺麗な髪を狙われ反撃する主人公を栗山千明さんが、髪フェチ野郎を大杉漣氏がネッチョリと演じています。
ヅラじゃないのよ、エクステなのよ。
Jホラーで重要な恐怖演出のひとつ、長い黒髪が醸しだす怖さを凝縮した作品。
冷たい熱帯魚 (2011)
映画【冷たい熱帯魚】は、園子温監督が描くヒトコワ最恐の金字塔。
実際にあった埼玉愛犬家連続殺人事件がベースになっています。
- 家庭不和の熱帯魚屋の男性が主人公
- ふとしたことから、人当たりも面倒見もいい同業者のオッサンと親密に
- ところがオッサンの本性は、平気で周囲の人間を殺す連続殺人鬼
- 主人公はオッサンとの関係を断ち切れず、にっちもさっちもいかなくなるお話
そんな程度のことで心酔しちゃうの!?
と、なんだかんだで洗脳されてしまう人心の脆さと、ヒトコワの真髄が描かれています。
エロとグロが入り乱れ、意志薄弱だとこんな目に遭う恐怖に背筋が凍る作品。
映画【冷たい熱帯魚】
監督 : 園子温
出演 : 吹越満、でんでん、黒沢あすか他
上映時間 : 146分
CURE キュア (1997)
映画【CURE キュア】は、黒沢清氏の監督・脚本作。
1997年公開という映像の古さが絶妙にマッチした、サイコサスペンス系のお話です。
- 頭部を鈍器で殴られ、胸部をX状に切り裂かれる連続猟奇事件が発生
- ただし同様の手口ながらも、犯人はそれぞれ個別の単独犯
- 事件を追う刑事が、ある共通点を発見
- ひとりの謎めいた男の関与が浮上し、接触した刑事の思想にも変化が
催眠術で人の心を操り、殺人を教唆する男の口から語られる事件の裏側。
言葉のひとつひとつに、しみじみ悪寒が走ります。
誰もが多少なり持っている苦しみと悲しみ。
そこに人為的につけ込む悪意が、時として誰かの心を解放する危うさがあることを提示している作品。
映画【CURE キュア】
監督 : 黒沢清
主演 : 役所広司、萩原聖人ほか
上映時間 : 111分
アイズ (2015)
映画【アイズ】は、乃木坂46・伊藤万理華さん主演のアイドル系ジャパニーズホラー。
なんだぁ…とガッカリするのはまだ早い!
ストーリーはお墨付き、空前のJホラーブームを生み出した《リング》原作者・鈴木光司氏の短編小説を映像化した作品です。
- ごくごく平凡な女子高生が主人公
- 自宅マンションの表札に手書きの「F」のしるしを発見
- それ以来、彼女の周りで奇怪な出来事が
- 友人が事故死・父親が失踪・母親は投身自殺
- さらにしるしの種類が増え、彼女自身も少女の幻覚を見るように
「F」のしるしから始まった一連の恐怖の正体は一体…?
映像で怖がらせるだけではない、驚愕のラストを迎える正統派Jホラー作品。
感染 (2004)
映画【感染】は、陰鬱な病院内で医師らがデロデロしていくパンデミックホラー。
…えっと、デロデロって何(笑)
未知のウィルスに感染し、阿鼻叫喚しまくるお話です。
一説では、居ないはずの女性が映り込んでる心霊シーンがあるとかないとか。
そんな与太話はさて置いて、豪華俳優陣のパニクる演技が見どころです。
出演は、佐藤浩市・高嶋政伸・星野真里・真木よう子・木村多江・羽田美智子・南果歩・佐野史郎ほか。
- 病院は経営難でマンパワー不足、医療事故も起こして廃病院寸前
- ただでさえ忙しいのに、謎症状の急患を受け入れることに
- 患者は未知のウィルスに感染しており、次々と院内感染が拡大
- 緑のデロデロにまみれ、ウィルス以外の惨事も
膿だらけのガーゼを喰う入院患者・注射器ぶっ刺しまくる医療従事者。
さらにはウィルス感染者の血液を素手で触っちまう、ずさんな医療体制。
病院としてあるまじき行為と、人としての知性と理性の欠如が招いた惨事に恐れ慄く作品。
映画【感染】
監督 : 落合正幸
主演 : 佐藤浩市、高嶋政伸、星野真里、南果歩、佐野史郎ほか
上映時間 : 98分
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません
輪廻 (2005)
映画【輪廻】は、《呪怨》で物憂げな恐怖を描いた清水崇監督作品。
効果音・悲鳴・暗さで誤魔化さず、古い映像の質感を活かした構成センスの良さが見どころです。
- 35年前、群馬県の観光ホテルで11人が犠牲になる無差別大量殺人事件が発生
- この事件を、とある監督が映画化することに
- 主演には新人女優を起用
- ところが監督も女優も、不可解な出来事に遭遇
- 過去にホテルで起こった事件の真相が明らかに
怖さもさることながら、ストーリーがかなり秀逸です。
これはホラーファンも納得、一見の価値ある良質な和製ホラー作品。
映画【輪廻】
監督 : 清水崇
主演 : 優香、香里奈、椎名桔平ほか
上映時間 : 96分
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません
黒い家 (1999)
映画【黒い家】は、貴志祐介氏の小説が原作。
森田芳光監督がメガホンを撮り、日本映画界でも最恐といえる大竹しのぶさんの怪演にビビる名作です。
- 保険会社の男性が、とあるお宅に営業訪問
- …したら、その家の息子の自殺現場に遭遇
- 母親は、息子にかけた生命保険手続きを早急に要求
- …するも、保険会社は少々渋り気味
- この家では以前にも保険金詐欺まがいの行いが
- 実は息子の自殺も親が仕組んだ保険金殺人
- 夫婦揃って狂ってるほど金に執着しているお話
お金は人生を豊かにする反面、心を腐らせ異常な狂気を生み出すことも。
映画のキャッチコピーは、『この人間には心がない』
保険金殺人を犯しても、あっけらかんとしている夫婦の異常性に胸クソ悪くなる作品。
震える舌 (1980)
映画【震える舌】は、霊的でも人的でもなく、生理的に芯から怖さを感じるヒューマンドラマ。
正確にはホラージャンルではありません。
が、子を持つ親目線で見ると、ホラー以上にホラーに感じるお話です。
- 父母と仲良く暮らす幼い少女が、ある日突然とんでもない病気に
- 病の始まりはほんの小さな切り傷から
- やがて破傷風を患い、さらにテタナスという難病を発症
- 少女は痛みに悶え、舌を噛み切り地獄絵図そのもの
- そんな娘の姿に両親もやつれ果て、苦しむことに
舌を噛まぬよう、ちゃんと呼吸できるよう。
歯を砕かれ、たびたび痙攣する少女の姿は痛々しすぎてトラウマ必至です。
まだまだアナログな医療体制の中、医師も両親も少女も必死に生にしがみつき、迎える結末には涙するかも。
単純にひとことでは言い表せない、幼な子の生死に直面する恐怖に胸が締め付けられる作品。
映画【震える舌】
監督 : 野村芳太郎
出演 : 渡瀬恒彦、十朱幸代、若命真裕子(子役)ほか
上映時間 : 114分
徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑 (1976)
映画【徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑】は、いやに軽快なオープニング曲で始まる時代劇。
タイトル通り、痛い拷問に泣けてくるグロいお話です。
- 寛永5年の長崎奉行所が舞台
- 邪宗徒という名目で、野良百姓家族が処刑されることに
- 岩石落とし・鉄板焼き・股裂の刑と、イカれたお奉行の拷問刑はバリエーション豊か
- さらに男女のもつれで奉行所役人も処刑
- 切れないノコギリで首をギーコギーコ……
ちょっと刑罰を聞いただけでもおぞましく、観たらなおさら気分が悪くなるお仕置きばかりです。
エロい、グロい、超悪趣味の真骨頂。
こんな拷問劇を、とことん見世物としてこだわって制作した東映の本気に寒気がするお宝作品。
…ということで、観たら後悔する(←かもしれない)、怖くて痛いJホラー15選をお届けしました。
どの作品もジワジワぞわぞわ寒気がする作品ばかりです。
思う存分「ひーーー( ;∀;)」してください(笑)
怖さを堪能する作品チョイスのお役に立てれば、恐悦至極にございます。
Jホラーといえば怪談話もオハコですね。
サクっと観れるショート怪談映画もピックアップしてお届け中↓
都市伝説のひとつ、ひきこさんをモチーフにしたグログロ作品もまとめてあります↓
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