ゴリラのようでゴリラじゃない。
超巨大な類人猿・キングコングは、世界で最も有名な怪獣キャラのひとつです。
ハリウッドが贈るモンスターバース第2弾【キングコング 髑髏島の巨神】の世界へとご案内いたします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
【キングコング 髑髏島の巨神】モンスターバース第2弾
モンスターバースってなに。
ゴジラやキングコングが登場する、ハリウッド版怪獣映画シリーズのことだ。
ゴジラといえば、1954年に東宝が生み出した架空の巨大怪獣。
キングコングはというと、映画監督メリアン・C・クーパー氏が考案し、1933年の初作が空前の大ヒットとなったアメリカの巨大怪獣。
この2つの巨大怪獣が、もし同一世界観の中に息づいていたら？
…という、ユニバース作品群として制作された怪獣映画シリーズが「モンスターバース」です。
- ワーナー・ブラザーズとレジェンダリー・エンターテインメントが、日本の東宝と提携
- ワーナー配給のモンスターバース作品として、4本の怪獣映画を制作
- 第1弾《GODZILLA ゴジラ》2014年
- 第2弾《キングコング 髑髏島の巨神》2017年
- 第3弾《ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ》2019年
- 第4弾《Godzilla VS Kong》2021年←制作中
実は制作当初、それぞれの怪獣映画は単独企画で進められていました。
そもそもの始まりは、ハリウッドが1度ゴジラのリメイクで大コケしたから。
その無念を晴らすかのように、リブート(再生)作品として改めてハリウッドが《GODZILLA ゴジラ》の制作に乗り出したのがきっかけです。
これがまた…きちんと日本のゴジラ感を醸しつつ、ハリウッドらしいド派手な仕上がりで大成功。
大まかなあらすじ・キャストについてはこちらをどうぞ↓
このヒットを受けて、2014年から第2弾《キングコング 髑髏島の巨神》の制作が始動。
その後すぐの2015年に第4弾《Godzilla VS Kong》の制作も決定され、ここで初めて「同一世界観のユニバース作品群」として動き出します。
そうして正式に「モンスターバース」4作品として公表されたのが、2017年1月のこと。
今回お届けするのは、そんな正式発表直後の2017年3月に公開されたモンスターバース第2弾。
キングコング映画としては通算8作目、新たな巨神像が拝めるお話になっています。
未開の島に乗り込んだ人類が、複数の巨大古代生物に遭遇する怪獣パニック映画 が【キングコング 髑髏島の巨神】です。
映画【キングコング 髑髏島の巨神】基本情報
| キングコング 髑髏島の巨神 | 2017年 アメリカ映画 |
| ジャンル | 怪獣パニック・アドベンチャー |
| 監督 | ジョーダン・ヴォード＝ロバーツ |
| 脚本 | ダン・ギルロイ、マックス・ボレンクタイン、デレク・コノリー |
| 上映時間 | 118分 |
| 出演 | トム・ヒドルストン、サミュエル・L・ジャクソン、ブリー・ラーソン他 |
| 動画配信サービス | Amazonプライムビデオ(レンタル作品) |
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【キングコング 髑髏島の巨神】嵐の先にある未開の孤島
1944年・太平洋戦争中の南太平洋戦域。
とある島の上空で、激しいデッドヒートを繰り広げる二機の戦闘機が墜落するところから物語は始まります。
- アメリカ陸軍兵マーロウと日本海軍兵イカリが島に不時着
- 2人は島の奥地まで入り込み、小競り合い
- マーロウはイカリの刀で止めを刺されそうに
- …と、まさにその時。巨大なサル似の化け物が突如出現
さっそくキングコングのお出ましだ♪
…あぁ、でもその存在は長らく周知されなかったんだよ。
マーロウとイカリが墜落したのは、地図にも載っていなかった未知の島。
2人の兵士が降り立ったことも、巨大生物が棲息していることも知られないまま、29年の月日が過ぎていきます。
- 1973年、アメリカはベトナム戦争からの撤退を宣言
- 同じ頃、NASAの地球観測衛星ランドサットが未知の島を発見
- 特殊研究機関モナークの研究員ランダが、その島に着目
- 上院議員を説得し、地質調査の許可と護衛部隊の派遣を要請
なんで護衛が必要なの。
新発見の島だ。どんな危険があるかわからんだろ。
上空からの衛生写真では、まるでドクロのような形に見えることから「髑髏島」と名付けられたこの島。
あと3日もすれば、ロシアの人工衛星もこの島の上空を通過します。
- 地球上のあらゆる新発見は、我が国アメリカであるべき
- ロシアが島の存在に気づく前に我々で調査を
- …ということで、ベトナムから帰還予定だったパッカード大佐の部隊が同行することに
- さらに島の案内役として元イギリス特殊空挺部隊員コンラッドを雇用
- この動きを知った戦場カメラマン・ウィーバーも同行することに
けっこうな大所帯だね。
…あと、地質学者や生物学者も同行するそうだ。
こうして急遽「髑髏島調査隊」が結成され、ランダ御一行様は準備を整え船で出発することに。
ところが島の周囲は激しい暴風雨に覆われ、船での上陸は不可能な状態でした。
- 調査隊は島に上陸するため、パッカード部隊のヘリ数機に分乗
- 機体を大きく揺らしながら、なんとか暴風域を突破
- …すると、そこには手付かずの自然が広がる美しい島が
ラピュタは本当にあったんだ！
…あ、うん。そんな感じでみんな感動してたな。
嵐の先・髑髏島に辿りついた一行は、さっそく地質調査の名目でヘリからサイズミック爆弾を次々と投下。
岩盤の深さ・空洞化の有無を調べ始めます。
しかしこの爆発騒ぎが、思いもよらない事態へと繋がってしまったのです。
古代生物どうしの大乱闘
島はまるで南太平洋に浮かぶ楽園のような美しさ。
ここに来た最初の目的、サイズミック爆弾による調査も万事順調。
観光気分で任務をこなし、少々浮かれポンチになっていた調査隊ご一行は、突然どこからともない攻撃を喰らいます。
- いきなり大木が吹っ飛んできて、ヘリ1機に命中
- 誰だ何だ何事だ!?…It’s monkey?
- …と思ったら、とんでもなくデカい類人猿が
- 片っ端からヘリが攻撃され、あえなく全機全滅
あわわわっ。島の爆発にお怒り？
…まぁ住処に爆弾落とされたら、誰だってお怒りだろう。
調査隊員たちを攻撃してきたのは、全長およそ32メートルの超巨大な怪獣・コング。
パッカード大佐率いる部隊・スカイデビルズが反撃に出るも、全く太刀打ち出来ません。
そんなこんなでヘリの爆発炎上で命を落とした者、虫ケラのように踏み潰された者が続出。
ただ、墜落したおかげで命拾いした者も半数以上おりました。
- この事態を受けて、調査隊員たちは散り散りに
- パッカード大佐・隊員・ランダら数名が合流
- もう1人生き残った部隊員の救出に向かうことに
- 一方、コンラッド・ウィーバー・学者連中もグループで行動を開始
- …と、コンラッドらは島の奥地で遺跡を発見
遺跡があるってことは…
髑髏島は無人島じゃないってことだな。
遺跡を発見したコンラッドチームは、そこで原住民に囲まれちょっとピンチ。
同じ頃、別行動をとっていたパッカード大佐チームも、隊員救出に向かう途中で超巨大な蜘蛛に遭遇。
こちらは戦闘のプロだけあって、急死に一生を得ます。
- 実は髑髏島にはコング以外にも巨大生物が棲息中
- さらに結構な数のイーウィス族なる島民も生息
- ついでに1人のアメリカ人までもが出没
えっと…YOUは誰。
…陸軍兵マーロウだ。
29年前。
世界で初めてコングに遭遇したであろう2人の兵士。
彼らが墜落したのは、この髑髏島だったのです。
- 太平洋戦争以来、2人はこの島に取り残された
- ただ、日本兵イカリはすでに他界
- 生き残ったマーロウは、島民と共にコングに守られ生きてきた
コングに守られて…？え？
コングはこの島の守護神だったんだよ。
コンラッドらは、マーロウの招き入れで島民の集落へ。
さらに聖域とされる神殿めいた洞窟で、コングが神と崇められていること・この島独自の生物進化形態があることを知ります。
そう。この島は人類の文化や文明の介入が一切なかったことで、太古から存在する生物が独自に進化。
中には厄介な超巨大生物もおり、コングが島の生態系を守っていたのです。
- ところが島に調査隊が乗り込み、爆弾をバンバン投下
- おかげでコングの天敵・地下に住むスカルクローラーがお目覚めに
- 寝た子を起こし、秩序を乱した調査隊もコングにとって排除すべき厄介者
これはピーーンチ！
こんなとこ、さっさとオサラバするに限る。
…ということで、島の実情を知ったコンラッドたちは、調査引き上げ時の合流地点に向かうことに。
ところが３日後に…というその場所へは、徒歩で向かっても間に合わないとマーロウから聞かされます。
逃げることも戦うことも、もはや無理。
もうお手上げか…。
と思いきや、ひとつの希望を見出します。
それは、マーロウがかつてイカリと共に脱出用に作っていた、小型船グレイ・フォックス号を整備すればなんとかなる、という希望。
そんな折、女性カメラマンのウィーバーが、集落の外で撃墜されたヘリコプターの下敷きになり、苦しんでいるスケル・バッファローを発見します。
超巨大だけれど温厚なスケル・バッファローを助けようとしたところ、そこにコングが。
ところがコングは彼女の代わりにスケル・バッファローを助け、彼女に敵意がないと判断し、その場を静かに立ち去って行ったのです。
こうしてコンラッドたちは、コングにも他の巨大生物にも襲われることなく着々と脱出の準備を進めます。
そして翌日には動くようになった小型船グレイ・フォックス号に乗り込み、途中でパッカード大佐チームとも合流。
あとは無事に脱出するのみ…というところで、なんとパッカード大佐が脱出を断固拒否しやがります。
コングは多くの部下を惨殺した憎き敵。
パッカード大佐は脱出よりもなによりも、コングを殲滅することしか頭になかったのです。
おかげでわざわざ巨大生物が棲息する場所に足を踏み入れることとなり、この島で最も厄介なスカルクローラーに遭遇。
さらなる犠牲者が出てしまい、そこへコングまでもが参上してしまいます。
これは詰んだな……。
という大ピンチの中、なぜかコングが調査隊員を守るかのようにスカルクローラーと大乱闘を始め… というのが大まかなあらすじになります。
【キングコング 髑髏島の巨神】島を乱す登場人物たち
地球は決して人類だけのものではありません。
ただ、そうと分かっていても我が物顔で自然を踏み荒らしてしまう愚かさが。
何度も危機に晒され、イタい目に遭う登場人物たちをご紹介いたしましょう。
ジェームズ・コンラッドは、南ベトナム・サイゴンを拠点に活動するフリーランスの傭兵。
優れた戦闘能力・高いサバイバル知識が買われ、金で雇われて髑髏島の調査隊に加入した人物です。
島では状況を的確に判断し、分断された調査隊員をしっかり先導する頼もしい存在。
演じたトム・ヒドルストン氏といえば映画《マイティ・ソー》が有名ですが、こんな作品では素敵な英国紳士姿も↓
吹き替え版では、なんとGACKT様が声を担当しています。
メイソン・ウィーバーは、調査隊にちゃっかり同行した女性カメラマン。
コングが調査隊を守るような行動に出たのは、ひとえに彼女のおかげです。
そんなキーマンを演じたブリー・ラーソンさんは、映画《ルーム》のママ役でアカデミー賞主演女優賞を受賞した女優さん。
さらに映画《アベンジャーズ》のキャプテン・マーベル役でも有名かと。
吹き替え版では、佐々木希さんが声を担当しています。
ウィリアム・”ビル”・ランダは、特殊研究機関モナーク所属の地質学者。
1944年に起きた戦艦U.S.S.ロートン沈没事故の唯一の生き残りで、この時すでに何か未知の生物が存在すると確信していました。
長きにわたり研究を続け、髑髏島にその答えがあると調査に乗り出すことに。
演じたジョン・グッドマン氏は、数多くの映画やドラマに出演する名俳優。
映画《モンスター・インク》ではサリーの声で出演し、声優としても定評のあるベテランさんです。
吹き替え版では、こちらも日本の名声優・石住昭彦氏が声を担当しています。
プレストン・パッカード大佐は、米国陸軍第三強襲ヘリコプター部隊スカイデビルズの指揮官。
ベトナム戦争ではいくつもの窮地を乗り越え、部下からの信頼も厚い優秀かつ冷静沈着な強者です。
…が、目の前で次々と部下を失い、狂気にも似た憎悪をコングに抱いています。
「このクソゴリラがっ…」と言い放つ姿や執念は、そら恐ろしくクレイジー。
そんな鬼畜軍曹を演じたのは、映画《アベンジャーズ》シリーズのニック・フューリーでお馴染みのサミュエル・L・ジャクソン氏。
吹き替え版では、ベテラン声優の手塚秀彰氏が声を担当しています。
レグ・スリフコ兵曹長は、パッカード大佐率いる部隊スカイデビルズの一員。
コンラッドやウィーバーを乗せたヘリを操縦していたため、墜落後は彼らと行動を共にする兵士です。
実家が整備工のため機械に強く、小型船グレイ・フォックス号の修理に大きく貢献。
パッカード大佐の対コング戦闘に加わるものの、いち早く叛意をひるがえす姿は爽快です。
演じたトーマス・マン氏は、ちょっと斬新なグリム童話の後日談を描いた映画《ヘンゼル&グレーテル》にも出演中↓
吹き替え版では、声優の山崎健太郎氏が声を担当しています。
ハンク・マーロウ中尉は、第二次世界大戦時の米陸軍航空部隊パイロット。
日本海軍機との相打ちで髑髏島に不時着し、そのまま29年間も島に取り残された人物です。
共に取り残されたイカリとは義兄弟の契りを交わし、飛行機の残骸などで脱出用小型船を作ることに。
その矢先にイカリがスカルクローラーの犠牲になり、脱出を諦めた過去があります。
演じたジョン・C・ライリー氏は、多くの映画や舞台で活躍する名脇役。
今作ではイカリの形見となった日本刀を扱うシーンがあり、殺陣の特訓もしたそうで。
吹き替え版では、俳優でもあり声優でもある石田圭佑氏が声を担当しています。
イカリ・グンペイ(碇 軍平)は、第二次世界大戦時の日本海軍・零戦搭乗員。
マーロウとともに髑髏島に不時着するも、のちにスカルクローラーに喰われてしまったらしい人物です。
出番は冒頭のみ。っていうか役名のイカリ・グンペイはどっから来た日本名？
というと、イカリはあの《エヴァンゲリオン》主人公・碇シンジから、グンペイは任天堂ゲームボーイなどの開発や「ドンキーコング」に携わったクリエイター横井軍平さんから拝借したという話です。
そんな監督の思い入れがあるこの役を、サムライギタリストとしても有名なMIYABI氏が好演。
凛々しくイケメンなので、冒頭では是非ご注目を。
…と、この他に、現地に乗り込むスカイデビルズ隊員や地質学者・生物学者、先住民などが登場。
コングを始めとする髑髏島の7種の生物とのサバイバルマッチに、手に汗握る作品となっております。
【キングコング 髑髏島の巨神】まとめ
暴風域に守られるかのように存在した未開の島・髑髏島。
そこは見たこともない巨大な生物たちが棲息し、独自の進化を遂げた恐ろしい場所でした。
- 特殊秘密組織モナークが未開の島を発見
- 米陸軍・傭兵・カメラマン・学者による調査隊を結成
- 島に乗り込むも、そこは超巨大生物の棲息域
- もはや虫ケラ同然の人間たちが散々な目に遭うお話
キングコングといえば、都会に出没して高層ビルに登る美女好きの巨大ゴリラ。
…というのが、過去の作品から思い浮かぶイメージです。
そんなイメージを打ち壊し、自然の中で生きるキングコングの姿を生々しく描きたい。
そう思ったジョーダン・ヴォード＝ロバーツ監督は、舞台となる髑髏島の撮影地にもこだわり、こんな条件にマッチする場所を物色↓
- これまで映画撮影に使われていない場所
- 壮大で複雑な地形の島なら、なおOK
…で、見つかったのが、ベトナム北部にあるハロン湾。
ここは1994年にユネスコの世界遺産にも登録された、実在する美しい観光地です。
未知の生物がいても不思議ではない、まさに手付かずの自然が保存された絶景の楽園。
今作は、作り物ではない本物の景観の中で撮影が行われました。
そうして出来上がった作品に映し出されているのは、人間の身勝手さ・自然の摂理・弱肉強食の生態系。
単に超巨大生物のファンタジックなパニックアクションではないあたりが、今作の最大の見どころかと思います。
映画【キングコング 髑髏島の巨神】は、思い上がった人類にガツンと物申しているかのような、ハラハラドキドキの作品 でした。
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