死して屍になってもまだ動く、臭そうでグロい元人間。
厄介な存在のゾンビを描いた映画には、シリーズじゃないのにお決まりのタイトルが付く作品がワンサカあります。
…ということで、もはやゾンビ映画の定番「オブ・ザ・デッド」というタイトルが付く、おすすめ映画15選をお届けします。
この記事で分かること
- 『〇〇・オブ・ザ・デッド』タイトルの映画を15本ピックアップ
- ザックリあらすじや見どころを紹介
- 予告動画・ブルーレイDVD情報
※一部作品の予告動画が衝撃的すぎて、年齢制限表示が出ています。
お手数ですが、YouTubeに飛んでいただけると幸いです。
ドーン・オブ・ザ・デッド(2004)
そもそもオブザデッド系は、ゾンビ映画の生みの親ジョージ・A・ロメロ監督作《ゾンビ》が発端です。
原題が『DAWN of the DEAD』だったから。
何人もの監督がロメロ監督をリスペクトし、いつしか猫も杓子もオブザデッド付けりゃゾンビ映画だろ、という事態に。
そんなブームの始まりとなった映画《ゾンビ》は、原題タイトルのままリメイクもされ、2004年に公開されたのが【ドーン・オブ・ザ・デッド】
- ごく普通に幸せな結婚生活を送る看護師アナが主人公
- ある晩を境に生活が一変。人が人を喰う世の中に
- 街を出られずショッピングモールに籠城
- 無数のゾンビの襲撃も喰らい、パニック必至なお話
ショッピングモールが主な舞台であるところは映画《ゾンビ》と同じ。
違いは登場するゾンビが多種多様化し、走るゾンビもいるところでしょうか。
ロメロ監督が描くゾンビは、どれもノロノロ・じわじわ襲うおぞましさがありますが、リメイク版ではアクティブ感が増しました。
ゾンビの発生・籠城・逃亡・ついには終末を迎える結末。
余すことなく存分にゾンビパニックを堪能できる作品。
ランド・オブ・ザ・デッド(2005)
オブザデッドブームの火付け役。
ロメロ監督が20年ぶりにメガホンを撮り、久々に作ったゾンビ映画が【ランド・オブ・ザ・デッド】
- 既にゾンビが溢れ返っている世界が舞台
- 生き残った人々は、ゾンビから身を守るため三方を川で囲まれた土地に居住
- ただし貧困層と富裕層にきっちり分かれ、マウントの取り合い
- ゾンビもゾンビでいつの間にか知恵を付け、人間と交渉するように
ゾンビVS人間…というだけでなく、人間VS人間の国取り合戦な展開が見どころ。
ゾンビのビジュアルも文句なしの一級品です。
ロメロ監督らしい社会批判・細かな演出も健在で、安心して観られる安定したゾンビ作品 。
ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007)
あのロメロ監督がPOVでゾンビ映画!?
…と、一瞬耳を疑うような新境地を開拓した映画が【ダイアリー・オブ・ザ・デッド】
- 映画学科の大学生が主人公
- 卒業制作でホラーを撮影中、ネットから衝撃のニュースが
- 世界中で死者が甦り、あっちもこっちも修羅場
- ドキュメンタリー監督志望だった学生が、この事態の全てを記録映像に収めることに
ゾンビもさることながら、いかなる事態になっても撮り続ける頑なな学生の怖さが見どころ。
手ブレ感弱め・映像が綺麗にまとまりすぎているので、POVの良さである臨場感が欠けた仕上がりになっています。
情報の必要性・重要性・ありのままの世界。
メッセージ性も色濃く出過ぎ、胸クソ悪くなる皮肉や極論が込められた作品。
サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009)
ゾンビ映画界の帝王・ロメロ監督の遺作となったのが【サバイバル・オブ・ザ・デッド】
失敗した感アリアリだったPOV形式の《ダイアリー・オブ・ザ・デッド》の続きとなるお話になっています。
続編ですが、こちらはPOV形式ではありません。
- ゾンビが溢れ返り始めて6日後という後日談
- 《ダイアリー〜》で生き延びた州兵サージが主人公
- ゾンビの脅威に晒されない安全な島がある噂を入手
- 数名で島に上陸するも、そこはゾンビ抹殺主義VSゾンビ共生主義が対立する場所
- 生き残りをかけ、状況と環境を活かしたサバイバルバトルを繰り広げることに
ストーリー的にはありがちですが、ロメロ監督らしいメッセージ性の強さと世界観が見どころ。
噛まれたらゾンビ…だけでなく、噛んでも感染する新設定が追加されています。
さらにゾンビの動きには、人間だった頃の面影も。
終末世界で人類に残された選択・思想の違い・極限状態の人間の愚かさを描いた作品。
ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)
数あるオブザデッド系の中でも1番人気。
シュールな笑いでゾンビ映画を楽しめるのが【ショーン・オブ・ザ・デッド】
イギリスで大ヒットし、世界中に面白さが浸透していったカルト的人気を誇る逸品です。
- 主演はニック・フロスト&サイモン・ペッグの仲良しコンビ
- 突如起こったゾンビパニックの中、主人公ショーンと親友がどうにかサバイブしていくお話
- 隠れたり闘ったり、ゾンビとの攻防がコミカルでギャグも満載
ロクデナシというより、へっぽこぴー。
小物感ダダ漏れなダメすぎるアラサー男、ショーンのヘボさが見どころです。
ゾンビ映画をとことんパロディ化し、伏線回収の妙義も圧巻。
こんな楽しいならゾンビになってもいいかも…とさえ思ってしまう、観て損はしない作品。
ゾンビ革命〜フアン・オブ・ザ・デッド(2011)
下ネタ満載、コメディも満載。
お下劣耐性がある人向き、キューバ初のゾンビ映画が【ゾンビ革命〜フアン・オブ・ザ・デッド】
- 40過ぎても定職につかず、フラフラしている中年男フアンが主人公
- 彼が住むキューバの首都ハバナで、死者が甦る怪事件が発生
- 政府は、アメリカが支援する反体制主義の仕業と公表
- …するも、実はゾンビ。瞬く間に増殖しハバナは大パニックに
- 政府が手をこまねく中、フアンはゾンビ退治会社を立ち上げ、ボロ儲けを企むお話
きちんとアメリカンなゾンビ映画をなぞりつつ、ラテン系の緩さと独創的な演出で仕上がっているところが見どころです。
キューバ革命をモジったタイトル。
社会風刺も盛り込んだストーリー。
「愛してる人、殺します」のキャッチコピー。
あちこちウィットに富んでいてセンスも溢れているんですが、いかんせんお下劣です(笑)
下品さは否めませんが、スリルもアクションもホロっとくる友情もある作品。
映画【ゾンビ革命〜フアン・オブ・ザ・デッド】
インスタ・オブ・ザ・デッド(2018)
パケ借りして、間違いなくガッカリするのが【インスタ・オブ・ザ・デッド】
ポスター誰が考えた!
意訳するにもほどがある!
…と愚痴りたくなる、オブザデッド界の問題児です。
- 薬物依存の患者を収容する農場が舞台
- リハビリ施設とは名ばかりで、患者は勝手に薬物・アルコールを持ち込みやりたい放題
- そこへなぜかゾンビが集結
- マッハで襲いかかるゾンビの脅威に晒されることに
ジャンキーたちが、恐れる暇もなく動きの速いゾンビの犠牲になっていくあたりが見どころ。
ちなみにウェーい♪なゾンビも、イェーい♪なパリピも実際には登場いたしません。
もうそこら辺は完全に宣伝詐欺です。
鑑賞欲のあおり方だけは超一流・中身はZ級。それでもタイトルとパケに負けて観てしまう作品。
ゴール・オブ・ザ・デッド 前半戦/死霊のキックオフ大乱闘編(2014)
人気のスポーツ・サッカーを、なんとかオブザデッド系に持っていったのが【ゴール・オブ・ザ・デッド】
サッカーに因んで前半戦・後半戦と、わざわざ2部構成に分けた珍しいゾンビ映画です。
- そろそろ引退なお年頃のベテラン選手ロリが主人公
- ロリが所属するパリのサッカーチームが、ロリの地元のチームと親善試合することに
- 人気選手の凱旋で湧き上がる…ことはなくブーイングの嵐
- そんな中、地元チームに残ったロリの元親友ジャノに異変が
- ジャノの親父さんが怪しい薬品を投与し、なんとゾンビ化
- スタジアムの熱気は阿鼻叫喚に変貌することに
前半戦はほぼサッカー関連、ゾンビ感染がなぜ起こるのかという前振りになっています。
後半戦を観ないとストーリーが完結しませんが、サッカー映画?とさえ思う作り込みはなかなか秀逸です。
ゴール・オブ・ザ・デッド 後半戦/地獄の感染ドリブル編(2014)
前半戦は70分。
後半戦は68分。
これ、分ける必要なくね?
…と、イチャモンつけたくなる無駄なシーンをたくさん盛り込みながら、いよいよ始まる後半戦。
- ロリの元親友・地元選手ジャノがゾンビ化してピッチに登場
- 瞬く間にスタジアムは地獄絵図と化し、ロリや数名の非感染者が生き残るために奮闘
- まるでロスタイムのように、エンドロールでオマケ映像も
待ちに待ったゾンビシーンは、思ったよりグロさ控えめ。
1本筋の通った人間模様が見どころです。
引退間近の人気選手ロリの苦悩から始まり、親子愛・ロマンス・友情・生き残るための闘い・その後。
設定をあれこれ詰め込み過ぎですが、観る者を楽しませたい意欲は充分に感じます。
なにより日本語の予告動画が…卑怯なほど魅力的です(笑)
間違いなくニヤける予告動画だけでも、ぜひ観て欲しい作品。
映画【ゴール・オブ・ザ・デッド】前半戦&後半戦2本立て
前半戦を観るなら↓
後半戦を観るなら↓
セール・オブ・ザ・デッド(2008)
あくまでゾンビではなく、生きている死体・動く死体というこだわり視点で描いたコメディホラー【セール・オブ・ザ・デッド】
アンデッドを売り捌き、あら稼いでいた青年の奇妙な体験談が描かれています。
- 18世紀のアイルランドが舞台
- 墓荒らしの青年と相棒の2人が主人公
- 相棒は殺人罪で処刑され、青年も死刑確定中
- そんな青年の元へ、最期の言葉を聴くために神父が訪問
- コロシはしてない、生きた死体を売ってただけ…という話に興味を抱き、詳しくはよ!と回想が始まる
ゾンビに襲われてキャー!とか、ぅわぁー!!というだけではないお話が見どころ。
これまでにないストーリー性、回想で描かれる青年と相棒の息のあった掛け合いについ笑いがこみ上げます。
悪ノリした演出もあり、作り手も楽しく映画製作に携わったんだろうなと伝わってくるユニークさも。
続編があったら観てみたくなる、怖いというより面白い作品。
ラスト・オブ・ザ・デッド(2016)
邦題のせいで、オブザデッド系に分類されちゃった映画が【ラスト・オブ・ザ・デッド】
残りもの・余り物・最後のものという意味の『Last Ones Out』が原題です。
- 新たなウィルスが蔓延し、人間ではない「奴ら」が出現
- まるで獣・俊敏で攻撃的な「奴ら」が人間を襲撃するように
- 病院内でもウィルス感染患者が覚醒し、たちまち大パニック
- 虫垂炎の手術中患者も連れ、数名で脱出するもイザコザが
- さらに脱出メンバーで新感染者も出てしまい、さらにゴタゴタな展開に
ストーリーの詰めが甘く、人間が「奴ら」へと変貌する理由・過程・結末の描写は、はっきり言ってお粗末です。
それでも映像が思いのほか綺麗で、なにより南アフリカ映画という物珍しさが見どころの作品。
ハーモニー・オブ・ザ・デッド(2015)
主演は《LOFT》のマシュー・フォックス、《バーン・ノティス》のジェフリー・ドノヴァン。
海外ドラマ好きなら、このお二人に馴染みがあるかもしれません。
俳優陣が意外と豪華、演技で魅せる感動ゾンビ映画が【ハーモニー・オブ・ザ・デッド】
- 原題は『EXTINCTION』=絶滅という意味の英語
- ゾンビウィルスの脅威に晒され、人類もゾンビも絶滅した世界が舞台
- あれから9年、実は3人の人類生き残りが
- 彼らは雪に閉ざされた街ハーモニーでひっそり生活
- そんな中、死滅したはずのゾンビが再び出現
- 寒さ耐性を身につけ、進化したゾンビの恐怖が再び
完全に化け物と化し、再出現し始めたゾンビのビジュアルは充分迫力ある作り。
ただ、ストーリーはゲログロいホラーではなく、どちらかというと親子のヒューマンドラマな展開です。
なので、わー!とか、ゾンビがグォー!というシーンがほぼありません。
おかげでゾンビ映画ファンからは不評ですが、代わりにゾンビ映画ニガテな方でも大丈夫かと。
王道とはちょっとかけ離れた部分が魅力的な作品。
シー・オブ・ザ・デッド(2014)
ある意味オブザデッド感を裏切らないゲログロさ。
ブラジル産のゾンビ映画が【シー・オブ・ザデッド】
- 1人が感染し、そこからゾンビが増殖…という単純な感染経路ではないお話
- 実は海そのものにゾンビウィルスが蔓延
- 魚も汚染され、食った村民がもれなくゾンビ化
- しかも頭吹っ飛ばしてもまだ動くしつこさ
- なんの救いもないまま、意外な海洋生物もゾンビ化して登場
映画序盤…というか、映像のほぼ半分は怖くもグロくもありません。
ただし一度パニックに陥ったら、そりゃもう畳み掛けるようなグロい展開に。
溢れんばかりの血まみれスプラッター、登場人物のキャラの濃さが見どころです。
汚さとグチョグチョ感がすざまじく、よくわからないけど爽快感すら覚える作品 。
ウォー・オブ・ザ・デッド(2011)
終末世界のその後。
生き残った人間とゾンビとの闘いを、変わった世界観で描いてあるのが【ウォー・オブ・ザ・デッド】
- ゾンビが生態系のトップに君臨する惑星が舞台
- 人間はゾンビの餌に成り下がり、すっかり家畜扱い
- ただしゾンビに人間を繁殖させるほどの知恵はなく
- このまま家畜で終わりたくない人間たちが、闘いを挑む物語
なぜ頭の悪いゾンビたちが、農場を築いて人間を管理しているのか。
知恵をつけたわけではなく、裏には陰謀が…というサスペンスな展開が見どころです。
ゾンビが世界を支配・生き残った人間は彼らの家畜…というシナリオアイディアが面白い 作品。
映画【ウォー・オブ・ザ・デッド】
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません。
ニート・オブ・ザ・デッド(2015)
オブザデッドは邦画の世界にも。
サクっと観やすく意外な掘り出しモノが【ニート・オブ・ザ・デッド】
- 外はゾンビで溢れかえる日本が舞台
- ニートの息子・要介護のお爺ちゃんを抱える家族が主人公
- 引きこもり&寝たきりだし、ゾンビ感染者がいなくてひと安心
- …かと思いきや、引きこもりのはずの息子と寝たきりのはずのお爺ちゃんがゾンビ感染
- このままでは家庭内ゾンビ感染の危機到来
なんとも言えないシュールな展開、意外としんみり感動系のお話になっています。
見どころは、演技派俳優陣の手を抜かないガチな演技。
父親役・木下ほうか氏と母親役・筒井真理子さんとの掛け合いは、まるで夫婦漫才なみに軽快です。
Jホラーといえばこのお方・白石晃士監督もチラッと出演しています。
40分程度の短尺ながらも、きっちり綺麗にオブザデッド感をまとめきった作品 。
新撰組オブ・ザ・デッド(2014)
邦画のオブザデッドがもう一つ。
個人的にかなり推したい、新撰組&ゾンビ&時代劇【新撰組オブ・ザ・デッド】
- 時は幕末。新撰組が町の治安を守っている日本が舞台
- とある怪しい商会がメリケン(アメリカ)からゾンビを密輸
- …するも、輸送船内感染がはじまり、あらかた始末
- ところがゾンビ感染した船員が逃走
- 船員ゾンビを捕縛するも新撰組隊士の1人が感染し、パンデミックの危機が
土方さん・山南さん・沖田さん…ではないオリジナル新撰組隊士が主人公です。
しかも出てくるゾンビはただ顔を緑に塗っただけという(笑)
なんだぁ〜…という残念感はありますが、誠の隊士・新撰組とゾンビのコラボという着眼点の斬新さが見どころ。
時代劇として観ても充分よく練られたストーリー、俳優陣がみな演技が上手いあたりも満足度が高くなっています。
ゾンビ化する隊士をバナナマンの日村勇紀さん、隊士頭を川岡大次郎さん、監督である渡辺一志さんが坂本龍馬を熱演。
画面の薄暗さがマイナスポイントですが、コメディさも感動もがってん承知!も楽しめる作品。
…ということで、ゾンビ映画の定番タイトル【〇〇・オブ・ザ・デッド】おすすめ15選をお届けしました。
何でもかんでもオブザデッドつけりゃ良いってもんじゃなかろう(笑)
ゾンビ映画と1発で分かるのは良いんですが、残念な仕上がりの作品がまだまだゴロゴロあるんですよね。
とりあえずオブザデッド系観たいけど、どれから手を付けたら良いのやら…
そんなあなたの映画チョイスの参考になれば、恐悦至極にございます。
死して屍になった怨霊系、邦画のおすすめ怪談映画特集もあわせてどうぞ↓
いやいやいや。
屍人よりよっぽど怖いのは人間の狂気でしょ。
サイコパス映画も15本ピックアップしてお届け中↓
コメント