可愛らしいキャラクターと美しい背景描写、独特のケルト音楽。
長編アニメーション映画界に新たな旋風を巻き起こすかもしれない、懐かしさと優しさ溢れる作品を見つけました。
第87回アカデミー賞では長編アニメ映画賞作品にノミネートされ、第28回ヨーロピアン・フィルムアワードでは長編アニメ賞を受賞。
日本では文部科学省特別選定作品にも選ばれるほど評価の高い映画【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】の世界へとご案内いたします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】アイルランドに伝わる海の妖精伝説
♪海の〜声がぁ〜聞きたぁくてぇ〜〜🎵。
…それは浦ちゃん(桐谷健太)の「海の声」だ。
映画【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】は、海にまつわるお話と海にまつわる歌が流れるアイルランド発の長編アニメーション作品 。
確かに海と海にまつわる歌=浦島太郎と某ケータイ会社のCM曲って気もします。
こんな発想まったく関係ないだろと思いきや、ちょっぴり似た世界観だったりするんです。
- 浦島太郎は日本の昔話
- 【ソング・オブ・ザ・シー 海のうた】はアイルランドに伝わる昔話がベース
- 浦ちゃんの「海の声」は沖縄の三線が耳に心地よい独特の郷土音楽
- 【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】の劇中に流れる歌は、独特のケルト音楽が奏でる優しい曲
かなりこじつけですが、そこは大目にみていただけるとありがたいです(笑)
そんなことは置いといて、実はアイルランドは精霊信仰に厚い妖精王国です。
神様と同じくらい妖精を大切に扱っていて、特にご高齢の方々に至っては今でも本当に妖精は存在すると信じてたりします。
妖精のためにお供えものをする習慣もあるんだとか。
アイルランドって神話や伝承が多いんだ。
ファンタジーな小説や映画とか、あとはゲームキャラなんかもアイルランドが元になってたりするんだよね。
有名どころを挙げるとしたら、たとえばこんなファンタジー。
アイルランドに伝わる昔話から生まれています。
- 映画《ハリーポッター》シリーズはアイルランドの魔法学校のお話
- 映画《ナルニア国物語》もアイルランドの伝承が元になった冒険ファンタジー
- FFとかのゲームキャラに登場する、人語を話す二足歩行の猫「ケットシー」はアイルランドの猫妖精
- 鎧姿で馬にまたがる首なし騎士デュラハンは、アイルランドの死を予言する妖精
ちょっと首なし騎士が妖精扱いなのは違和感ありますけどね。
昔からアイルランドにはファンタジーのモチーフになりそうな、人間とは違う存在が数多く語り継がれています。
海の妖精セルキー
今作【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】は、そんな数多く語り継がれるアイルランドの伝承のひとつ、海の妖精セルキーの物語。
セルキーってどんな妖精なの?
アザラシの姿の妖精だ。アイルランドの方言でアザラシを「セルキー」って言うんだそうだ。
海の中ではアザラシの姿で泳ぎ回り、陸に上がると皮を脱いで人間の姿に変身する伝承上の生き物がセルキーです。
人魚伝説っぽいお話なのかというと、全くの別物。
- アザラシの皮は脱着可能で、女性・男性どちらのセルキーもいる
- 女性のセルキーは、人間の男性に脱いだ皮を盗まれたら結婚して言うなりにならねばならぬ
- もし盗まれた皮を発見したら、そそくさと海へ帰ってしまう
- 男性のセルキーはかなりのイケメン、しかもナンパ師
- 漁に出たらなかなか帰ってこない漁師の旦那に不満を持つ人妻をたぶらかす
と、こんなセルキー伝説がモチーフになっていますが、今作には悪意ある人間やセルキーは登場しません。
お互い愛し合って夫婦になった人間とセルキー、二人の間には可愛いい男の子。
…と、まもなく産まれてくる赤ちゃん。
幸せな家族にふりかかる、ファンタジックな出来事を描いた長編アニメ映画 が【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】です。
映画【ソング・オブ・ザ・シー 海のうた】基本情報
ソング・オブ・ザ・シー 海のうた | 2014年 アイルランド映画 |
ジャンル | 長編アニメ |
監督 | トム・ムーア |
脚本 | ウィル・コリンズ |
上映時間 | 93分 |
声の出演 | デビッド・ロウル、ブレンダン・グリーソン、ルーシー・オコンネル他 (吹き替え:本上まなみ、リリー・フランキーほか) |
動画配信サービス | Amazonプライムビデオ |
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【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】兄妹の冒険物語
崖の上にそびえ立つ小さな灯台。
ここには優しく子供思いのたくましいお父さん、物知りで沢山のお話や歌を聞かせてくれるお母さん、これからお兄ちゃんになるのが楽しみな幼い男の子が住んでいました。
ある晩、いつものようにいろんな妖精のお話や古くから伝わる歌を教えてくれていたお母さんに異変が起こります。
もしかして、もうすぐ赤ちゃんが産まれる?
でも、お母さんはお腹をおさえて「許して」って言いながら姿を消してしまうんだ。
お母さんの異変に気付いて不安が募った男の子ですが、お母さんの子守唄ですでにウトウト夢心地。
目が覚めた時にお母さんの姿はなく、可愛い女の子の赤ちゃんを抱いたお父さんが部屋でガックリ肩を落としていました。
お母さんからはずっとこんな言葉で褒められていた男の子。
産まれてくるのが楽しみだった赤ちゃんですが、代わりに大好きなお母さんがいなくなってしまいます。
お父さんはお母さんがいなくなってから腑抜けになり、毎日海ばかり眺めてます。
あんなに幸せだった毎日が一変したのは妹のせい、と思うのも仕方がありません。
だいたいお母さんどこ行っちゃったのさ。こんな幼い子供残して。
お母さん、妖精セルキーだったんだ。で、海に帰っちゃった。
なぜこのタイミングで海に帰る?と思ったんですが、どうやら妹ちゃんを無事に出産するためには海に帰る必要があったようです。
お父さんはお母さんがセルキーだったことを知っていました。だから海ばかり眺めていました。
でもお兄ちゃんはそんなこととはつゆ知らず、妹ちゃんのことがあまり好きにはなれませんでした。
あれから6年経ちました
お母さんが居なくなってから早6年。
お兄ちゃんは、お母さんからもらった海のうたが聞こえる貝殻 を宝物にし、教えてもらった妖精のお話を飼い犬に語りきかせ、妹ちゃんに対しては意地悪な態度ばかりとっていました。
意地悪な態度といっても、性根が腐った子供に成長したわけではありません。
お兄ちゃんなんだから僕の方が偉くてリーダーだ、とか、妹ちゃんに怖いお話を聞かせてビビらせる、といった程度の可愛いもんです。
幼い兄妹にありがちな間柄だねー。
怖いお話されても、妹ちゃんは懲りずに同じことしちゃうんだけどね。
実は妹ちゃん、お母さんの形見でもある貝殻に興味津々。
ちょくちょくお兄ちゃんに内緒で持ち出しては、恐ろしい魔女の物語を聞かされてビビらされてました。
でも怖くてもビービー騒ぐことはありません。
なぜなら妹ちゃん、もうすぐ6歳にもなるのに喋ることができなかったんです。
…それは、自分と引き換えにお母さんがいなくなっちゃったトラウマから?
いや、妹ちゃん、セルキーとして産まれてきたんだ。
どうやらセルキーは、皮というか衣、コート?を着てアザラシに変身しないと、最初は言葉を話すことができないようです。
お父さんは妹ちゃんがセルキーであることは知っていましたが、妹ちゃんが喋れない理由がアザラシのコートにあるだなんて知りません。
知っているのはアザラシのコートを着たら海に帰ってしまうということだけ。
- お父さんはいずれ話せるようになるだろうと呑気
- お兄ちゃんは妹のことがあまり好きじゃないから、わりとどうでもいい
- 都会に住んでるおばあちゃんは、子育て環境に問題があると思ってる
特におばあちゃんは、未だ喋れない妹ちゃんだけでなくお兄ちゃんの成長も心配しています。
子供たちが住んでいるのは、灯台しかない不便な離れ小島。学校どころかご近所さんも友達もおりません。
アザラシのコートを発見
孫の成長を心配するおばあちゃんですが、見た目は魔女っぽい上に悪態ばかりつくご老人。
実は、兄妹揃ってあまり懐いてないのが現状です。
しかしお父さんや飼い犬と暮らす灯台から、懐いてないおばあちゃんの暮らす都会に行かなければならない事態が起こります。
そりゃ、てぇへんだ!!
…いや、まだ何も詳細明かしてないんだけど。
妹ちゃん6歳の誕生日。
おばあちゃんは遠路はるばる都会から沢山のプレゼントや美味しい料理を持参してお祝いに駆けつけます。
赤いワンピースに赤いリボンと、おばあちゃんによってキュートに着せ替えさせられた妹ちゃん。
でも妹ちゃんが気になるのは、お兄ちゃんが持っているお母さんの形見の貝殻でした。
おとなしい上に随分と慎ましい子だね。
…喋れない上にセルキーだから貝に夢中なんだがな。
お誕生日パーティのその晩も、妹ちゃんはこっそりお兄ちゃんの寝床近くの棚から貝殻を持ち出します。
何度怖いお話でビビらされても懲りない頑固者のようです。
そしてその晩に限って、貝殻を吹いてみたらキラキラ光る一筋の道しるべが。
それは灯台の最上階の奥の部屋へとつながっており、妹ちゃんはまんまとキラキラに惹かれてある物を発見。
- 普段から出入り自由そうな最上階の小部屋にお母さんの写真が
- 写真の横には何やら鍵が
- さらには怪しげな鍵付きの宝箱が
宝箱の中には真っ白なコート。それは妹ちゃんにぴったりサイズの上質なアザラシ毛皮の特別なお品です。
嬉しそうに袖を通すと、また妹ちゃんを誘うかのように海に向かってキラキラな光の道しるべが現れました。
コートをまとった妹ちゃんは、アザラシの群れのお出迎えもあって海へと入り、小さな小さな真っ白なアザラシに変身。
このまま海に帰っちゃうの?
いや、なぜかおばあちゃんが海に妹ちゃんを探しに来て、波打ち際で倒れてるところを発見するんだ。
おばあちゃんは海で死んでしまうかもしれないと心配し、お父さんはセルキーになって海に帰ってしまうと気が気じゃありません。
こんな危なっかしい事件が起こったせいで、兄妹共々おばあちゃんが都会で育てることになりました。
お兄ちゃんとしてはとんだとばっちりです。
- お父さんと一緒にいたい
- そもそも都会になんて興味ない
- 愛犬は大型犬だから、連れて行けないと言われてますます行きたくない
お父さんに叱られて、お兄ちゃんは泣く泣くおばあちゃんの家に行くことに。
…が、はなから家出する気満々です。
したたかに灯台からおばあちゃん家の道中の地図をメモり、お父さんと愛犬の待つ家に帰る計画を立てていました。
さらわれた妹と妖精を守るための冒険
おばあちゃん家での生活は窮屈です。
まだおやつの時間、3時にもなっていないのに「子供は寝ろ」と言わんばかりにベットに追いやられます。
えーー。おやつ抜きなの。
…ポイントはそこじゃない。
まだ明るいうえに、この日はハロウィン。街中にはオバケに変装した子供たちがウヨウヨしてます。
ウロついても怪しまれないし、お兄ちゃんは早速「灯台目指して大冒険!」計画を実行。
そこに、なんだかんだでお兄ちゃんのことが好きな妹ちゃんも勝手について来ちゃいました。
こうして灯台マイホーム目指して兄妹の冒険が始まります。
しかしここからさらなる大冒険が。
実は大冒険が始まってしまうきっかけは、ハロウィンの日であることも大きく関係しています。
ハロウィンってもともとはアイルランドの風習なんです。
- 10月31日は一年の終わりと始まりの境い目と考えられていた
- アイルランド(昔のケルト)では、妖精の世界と人間の世界の境界が入り混じる日と信じられていた
- 良い妖精も悪い妖精(魔女)もこの日は人間界に出没
- 悪い妖精(魔女)を祓うためにかがり火を焚いたり、お面や仮装をして魔除けをしていた
こんな意味が込められたハロウィンの日に、兄妹が仮装もなしにホイホイと冒険を開始。
普段はひっそりと暮らしている都会に住む3人の妖精が人間界に出没し、妹ちゃんがセルキーであることを見抜きます。
3人の妖精には他に仲間もいたんですが、魔女の力で石に変えられていました。
そしてセルキーの歌声にはこの魔女の力に対抗する力があったんです。
じゃぁその石になった妖精を助ける旅が始まるんだ。
ところが魔女が妹ちゃんをさらうんだ。
魔女にとってはセルキーの歌声は脅威です。
他の妖精のように石に変えてしまおうと、年に1回人間界でも悪さを働けるハロウィンの日に、手下のフクロウを使って妹ちゃんを誘拐、という展開になっていきます。
お兄ちゃんはといえば、まさか妹ちゃんがセルキーで、妖精たちも実在したなんて驚きです。
それにあんまり好きじゃないと言い張ってますが、結局妹を大切に想ういいお兄ちゃんなんです。
こうしてお兄ちゃんは、魔女のせいで弱ってしまった妹ちゃんや石になった妖精たちも救うため、勇気を持って冒険へと繰り出していく…というのが序盤のあらすじになります。
【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】可愛らしい登場人物たち
今作のキャラクターは、どれもなんだか懐かしい雰囲気が漂っています。
可愛らしい登場人物たちをご紹介いたしましょう。
ベンは今作の主人公となる男の子。
お母さんが大好きで、もちろんお父さんのことも大好き。幼い頃から一緒に育った大型犬クーが一番の親友です。
お母さんは妖精セルキーですが、ベンはお父さんの血を引いたのか、生粋の人間として生まれました。
あんまり好きではないと言いながらも妹シアーシャや、さらには妖精たちを救うため、ベンは愛犬クーと力を合わせて頑張ります。
シアーシャは妖精セルキーであるお母さんの血を引き継いで生まれた女の子。
お母さんのように海に帰らないよう、お父さんがアザラシのコートを隠してしまったため、ちょっと色々大変な想いもします。
お兄ちゃんであるベンには時々意地悪されますが、家族のことが大好きな優しい子です。
クーはベンが幼い頃からずっと一緒に育ってきた愛犬。
鳴き声は犬そのものですが、みてくれは誰ぞね!?と思うほど独特のタッチで描かれた大型犬です。
勝手な予想ですが、おそらくはシープドッグあたりの犬種なんじゃないかなと思います。
ベンやシアーシャのことが大好きで、かなり賢い愛犬クーも兄妹の冒険で大活躍します。
コナーは妖精セルキーを妻に持つ、ベンとシアーシャのお父さん。
おそらく灯台守の仕事をしてるから灯台に家を構えてるんだと思います。
そりゃもう妻を愛しすぎて、いなくなってからは本当に心ここにあらずな人生を送っています。
愛する妻の忘れ形見となったシアーシャを溺愛していますが、もちろんお兄ちゃんであるベンのことも大事に想う良きパパです。
ブロナーは実は妖精セルキーだったアザラシの化身。
お父さんにアザラシのコートを隠されたわけではないようで、少しセルキー伝説とは設定が異なります。
どうやらシアーシャ出産のために海に里帰りした模様。
また人間に変身して帰って来れなかったのかとも思ったんですが、そこら辺の詳細は不明です。
お兄ちゃんであるベンには沢山の妖精の物語や歌を教え、巻貝で出来た笛を形見として残しました。
おばあちゃんは灯台からかなり離れた都会の住宅街に住んでいます。
なにかと便利な都会暮らしを満喫していて、ラジオから流れるハイカラな音楽を好み、紅茶を嗜む有閑マダム。
贅沢なわけではなさそうですが、何もない灯台で暮らすベンやシアーシャを同じような便利なハイカラ生活の中で育てた方が良いに決まってると思っています。
ディーナシーは、ベンがお母さんから教わった物語の中に出てくる妖精。
おばあちゃんの家から割と近い、都会の真ん中の街路樹の陰に秘密の居を構えています。
シアーシャが妖精セルキーであると知り、石になってしまった多くの仲間の妖精を助けてもらおうと3人組で近づきます。
…が、魔女に見つかったシアーシャを守るために石にされちゃう良い人トリオです。
シャナキーは全ての妖精たちの物語を知っている語り部。
長すぎる髪の1本1本に、一人ずつの妖精の生き様が収められています。
たまたま住処に迷い込んだベンに、シアーシャを救う道しるべを教えてくれます。
ありがたそうな仙人に見えますが、若干ボケてるおじいちゃん妖精です。
マカは、今作の唯一の悪役・フクロウの魔女。
妖精たちからひとつ、またひとつと様々な感情を吸い取り、小瓶に詰めています。
辛い気持ちや悲しい気持ちだけでなく、楽しい気持ちや嬉しい気持ち、多くの感情を吸い取られた妖精は何も感じることがない石に変化。
でもマカにもある想いがあって、魔法で妖精たちを苦しめていました。
…とこんなキャラクターたちがユルく可愛らしい絵柄で登場。
初めて知るアイルランドの伝承から、優しさや思いやりを学ぶことができる暖かい作品 となっております。
【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】見どころはイラストと音楽
さて【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】は、文部科学省特別選定作品にも選ばれるほどお子さん向きのアニメ映画。
とはいえノスタルジックなイラストや音楽は、大人が観ても魅了されてしまうほど見事な仕上がりになっています。
ということで「REONさんの要チェック!次世代のアニメ映画界」をお届けします。
新進気鋭のアニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」
今作【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】の最大の見どころは、なんといっても可愛らしいアニメーションにあります。
制作は、カートゥーン・サルーンというアニメスタジオ。
まるで動く絵本のような動画でアニメを制作しているアイルランドの会社です。
カートゥーン・サルーン?あんまり聞いたことないね。
1999年に設立されたばかりだからね。
子供も大人も楽しめる長編アニメ映画で有名なのはピクサーとスタジオジブリ。
…ですが、この2つに並ぶ勢いで今注目を集めてるんです。
- 今作【ソング・オブ・ザ・シー海のうた】の監督は、カートゥーン・サルーンの設立メンバーでもあるトム・ムーア氏
- トム・ムーア氏は日本のアニメが大好き。特に宮崎駿監督と高畑勲監督の大ファン
- 日本のアニメを研究して、「キャラは可愛く、背景は繊細に」を意識してアニメ制作に取り組んでいる
- 最初の長編アニメ映画《ブレンダンとケルズの秘密》も好評で、ポスト”ジブリ”とも称されている
親しみやすい絵柄は、どことなく「まんが日本むかしばなし」のテレビアニメに似た雰囲気。
だからなのか、初めて観ても懐かしささえ感じます。
さらに、物語の中心にある「うた」もノスタルジック。
ケルトのメロディにのせたテーマ曲は、心が和む柔らかい曲調で、映画の世界観とアニメーションの美しさにもとても良く合っているんです。
吹き替え版では、EGO-WRAPPIN’の中納良恵さんが歌唱。
日本語の歌詞もとても素敵です。
アニメーションも音楽も、ジブリ好きな方には受け入れられやすい作品かと思います。
「ソング・オブ・ザ・シー海のうた」日本語吹き替えのテーマ曲
【日本語訳の歌詞】
誘う波間 命のしじま
記憶の涙 うかぶ大海原
貝殻押しあてたら 命が踊りだす うみのうた
誘う波間 命のしじま
探すわ 愛のすみか 満ちてはひいた うみのうた
今と永遠のあいだ 私の愛がただよう
まとめ
アイルランドの昔話、アザラシの妖精セルキー。
大好きなお母さんが居なくなった代わりに産まれた妹を、なんだかんだで大事にしているお兄ちゃんは、やっぱり「世界一のお兄ちゃん」でした。
- キャラクターは可愛らしく、音楽は心地よい長編アニメーション映画
- 妖精セルキーの神話をもとに家族の愛や思いやりを描いた作品
アイルランドは日本と同じように小さな島国です。
イギリスのお隣にあって、面積はだいたい北海道と同じくらい。
北海道にはその昔、アイヌという先住民族の方々がいましたが、アイルランドにはケルト族という先住民がおりました。
そして日本は古くから「やおろずの神」といって、目に見えない海の神や山の神など、多くの神にまつわる神話が。
アイルランドも古くから、沢山の妖精神話があります。
少し日本に似てる気がしませんか。
絵柄だけでなく、お国柄からも懐かしい印象を受けたのかもしれません。
映画【ソング・オブ・ザ・シーン海のうた】は、観る者に束の間の安らぎをもたらし、ふんわりとした優しい気持ちになれるとても素敵なアニメーション作品 でした。
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