世界で最も有名な刑務所アルカトラズ。
かつて誰一人として脱獄囚を出さなかった堅固な牢獄は、今も建造物が残されています。
「監獄島」「ザ・ロック」という異名を持つアルカトラズ島を拠点に、あるグループがテロを計画。
元アルカトラズ刑務所を舞台に、対テロに臨む男たちの過激なアクションを描いた映画【ザ・ロック】の世界へとご案内いたします。
この記事で分かること
- アルカトラズ刑務所の雑学ちょっと
- 映画【ザ・ロック】あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・DVDブルーレイ情報
【ザ・ロック】監獄島”アルカトラズ”
わぁ♪綺麗なとこだねー。どこの観光地?
…怨念渦巻く極悪人の島流し先だ。
一見するとバカンスに最適な孤島っぽいですが、ここはかの有名な監獄・アルカトラズ刑務所があった島。
サンフランシスコの沖合い3kmほどの場所にあり、霧が立ち込める岩だらけのゴッツい外観から別名「ザ・ロック」とも呼ばれています。
見えてる建造物は、いつチェックアウトできるかも分からない完全個室、3食就労付きの滞在ホテル、いわゆるクサい飯食う刑務所です。
- ちょこっと断崖絶壁の孤島
- 周辺海流は流れが早く、水温も低い
- 内部は地下道なんかが入り組んでいてややこしい
- サンフランシスコまでは近いが、諸条件が重なって脱獄しても溺死する可能性大
元々アルカトラズ島は、海鳥が多く生息する自然豊かな場所です。
…が、周辺の陸地に住むインディアンが魚や海鳥の卵を捕獲するために、時々上陸する程度。
インディアンはこの島に定住しなかったの?
呪われた島だって考えられてたんだ。
なぜ呪われた島って思ったのかは不明ですが、アルカトラズ島は18世紀頃まで長らく定住者はおりませんでした。
島に転機が訪れたのは19世紀に入ってから。
カリフォルニア州にあるシエラネバダ山脈で金脈が発見され、ゴールドラッシュの時代が到来。
一儲けを目論む野郎どもの船が、我れ先にとサンフランシスコ湾に寄港し始めました。
しかしサンフランシスコ湾界隈は濃い霧が立ちこめ、航行は容易ではありません。
寄港する船舶のために灯台が必要となり、アルカトラズ島の開拓が進んだんです。
- 1852年にアルカトラズ島初の灯台が建設
- 1853年にはサンフランシスコ湾の軍事防衛拠点として要塞に改築
- 1861年〜1865年の南北戦争時には86砲もの大砲設置
- 南北戦争時代辺りから、脱走兵・窃盗犯・酔っ払いを収容する留置所としても機能し始めた
- 1906年にはサンフランシスコ地震で市内刑務所にも被害がおよび、受刑者の多くがアルカトラズ島に移送
こんな略歴を経て、アルカトラズ島は20世紀に入ってから本格的な刑務所として始動。
1933年までは軍の刑務所施設、翌1934年には脱走対策も万全に格子など頑丈にして凶悪犯を収容する連邦刑務所施設になりました。
最初から刑務所用に島を開拓したわけじゃないんだね。
地の利を活かして凶悪犯を閉じ込めておくのに向いていたから、長年刑務所として活用されたってとこだな。
その後1963年まで連邦刑務所として機能。
世界で最も頑強で脱走不可能、難攻不落の悪名高きアルカトラズ刑務所 として名を轟かせています。
舞台はこのアルカトラズ島
今もアルカトラズって刑務所なの?
いや、今は廃墟と化した刑務所見学ツアーが出来る観光名所だ。
アルカトラズ刑務所は、吹きっさらしの潮風のせいで建物は老朽化。
さらには孤島なので受刑者や看守などの生活物資の運搬に多くの税金が使われていたこともあり、1963年に閉鎖されました。
1971年からは国立公園へと施設を変え、一般人の立ち入りも許可されています。
島そのものの入場は無料ですが、クルーズ乗船やツアー料金として30ドル〜150ドル(4,000円〜20,000円弱)くらいかかりますけどね。
今や観光名所となり、国内外問わず多くの観光客が訪れるアルカトラズ島が今回の映画【ザ・ロック】の舞台 です。
実際ほんとにアルカトラズは脱獄は不可能だったのか。
世界の監獄事情も交えたREONさんの雑学トリビアはこちらをどうぞ。
【ザ・ロック】物語の発端は政府への不満
物語は、ひとりの海軍准将の回想から始まります。
アメリカ海兵隊は、ときにいくつかの極秘任務も遂行し、国家のために身を尽くしてきました。
しかし任務にあたった海兵隊員に対する政府の対応は、あまりにひどいもの。
- アメリカ海兵隊偵察部隊は、非合法の作戦任務に従事
- 消息を絶つ戦況に陥っても、政府は援軍も送らず海兵隊員を見殺しに
- その他にも、国家機密扱いで一部の関係者しか知らない戦地で尊い命を散らして戦った
- 遺族にはでっち上げの戦死情報を提示し、慰謝料も支払われなかった
- それどころか戦死した隊員には勲章もなく、埋葬式典すら行われなかった
准将はこうした極秘任務の指揮官だったの?
英雄と称えられたほどだ。
名誉負傷賞3つ、銀星章2つ。
名誉勲章も貰うほど優秀だった准将ですが、戦場では何人もの大事な部下を見殺しにせざるを得ませんでした。
もちろん、国防など政府に対して何度も異議を唱えもしました。
それでも聞く耳持たずで知らん顔をされ続け、とうとう堪忍袋の緒が切れて、反逆を企てたのです。
事態は一気に深刻化
政府の対応に憤りを感じた准将。
彼はまず、武装収集から始めます。
伝説的英雄の立場を利用して、海軍武器庫からとんでもない武器を強奪したのです。
- 准将の考えに賛同する海兵隊の同志を十数名集め、テログループを結成
- 隠密に海軍武器庫に潜入する数名が暗闇でスタンバイ
- 准将自身は立場を利用し、武器庫安全確認視察と称して正面から堂々侵入
- ちょっとしたドンパチを展開し、恐怖のVXガスミサイルを15基奪取
職権濫用だ。っていうかVXガスって何?
スプーン1杯で30メートル四方が墓場と化す、神経性の猛毒ガスだ。
VXガスでどんな被害が及ぶのかというと、結構なエグさのシロモノです。
まず30秒で脳がヤラレて全身の神経が麻痺します。
神経組織も毒に侵され背中に激痛が走り、体組織も破壊。
終いには、グロテスクなゾンビさながらの様相になってあの世逝きです。
…なにその恐ろしい兵器は。
ミサイルとして街に落下しようものなら、ほんの数分で何万人もの命が奪われるな。
准将とその仲間たちは、この殺傷能力抜群のVXガスミサイルを計15基も海軍武器庫から盗み出します。
その他にも機関銃やら無線機やら通信機器など、テロを起こすために必要な物資を着々と整えたのです。
観光客を人質に、テロ勃発
武器が揃えば、あとは場所。
准将は、テロ行為を行うのに最適な場所としてアルカトラズ島を選びます。
アメリカはニューヨークやロサンゼルス、シカゴが大きな都市ですが、その次に大都市としてあげられるのがサンフランシスコ。
そのサンフランシスコから3kmという好立地に加えて、アルカトラズ島は過去には要塞としても機能していた過去があります。
侵入も脱出も、決して簡単ではない鉄壁の監獄。
しかも今ならもれなく観光客と言う名の人質のオマケ付きです。
観光客は牢屋に打ち込むの?結構な人数が上陸してるんじゃない?
これがまた、牢獄に閉じ込められる体験が出来る!って観光ツアー内容になってるんだよ。
准将も、81人の観光客に混じってアルカトラズ刑務所クルーズに参加。
人質にするには大人数ですが、ツアーガイドが観光客の皆さんを勝手に檻の中に閉じ込めて、鍵までかけてくれちゃうんです。
あとは数名のツアーガイドを脅して閉じ込めれば良いだけなので、島占拠はラクラク完了。
准将とその仲間たちは、最終的には総勢12人のテロリストと化し、15基のVXガスミサイルと人質を楯に、ペンタゴン(国防省)に1億ドルを要求します。
1億ドルって…日本円で110億円以上じゃない!
そのほとんどは戦場で散っていった海兵隊員の遺族への賠償金に充てるんだそうだ。
私利私欲にまみれて起こしたテロ行為ではありませんが、事態はかなり深刻。
政府は人質の命もさることながら、数万人の国民を守るためにもテロ対策特別組織を立ち上げました。
【ザ・ロック】テロリストVS特殊部隊
准将とその仲間たちの要求は1億ドル。
ちょっとやそっとじゃ用意出来る金額ではないのに、期日まで設けられてしまいます。
通常毒ガスはナパーム弾で焼き尽くすらしいんですが、なんとVXガスには効果がありません。
VXガスが猛毒過ぎて、ナパーム弾では無効化出来ないんです。
…さらばシスコよ。西海岸の風は爽やかっだったよ。
…たける君。サンフランシスコ行ったことないよね。
ナパーム弾での応戦は有効ではありませんが、策はないこともない。
「テルミット・プラズマ」という、別の対ミサイル兵器でVXガスを焼きつくすことは可能。
ただ、テルミット・プラズマはまだ試作段階で、未完成です。
テロを起こした准将は、VXガスミサイルに対する絶対的な反撃体制が未完であると知っていて、敢えてVXガスミサイルを奪取していました。
テロ対策特別組織はテルミット・プラズマの完成を急がせますが、間に合うかどうかも分かりません。
打つ手なしか…。
と思われたこの戦況で、希望の星となったのがひとりのFBI化学兵器スペシャリスト。
- 白羽の矢が立ったのはスタンリー化学員
- 協力・護衛として海軍特殊戦闘員SEALsが同行
- 双方、アルカトラズ島へ潜入せよ
- そしてVXガスミサイルの弾道マイクロチップを直に取り出せ
…という、無茶振りな密命が下ります。
こうして化学兵器の扱いに長けている最も優秀なFBI化学オタク&特殊部隊SEALsが、緊急招集されることになりました。
問題はもう一つ
FBI化学オタクのスタンリーは、相当に優秀な人材です。
おそらく彼の手にかかれば、大きな失敗もなくVXガスミサイルの発射を阻止出来るでしょう。
潜入特殊部隊SEALsも優秀な軍人揃い。しかし問題は潜入先の場所。
あ!アルカトラズ!そっか。脱獄も侵入も不可能な難攻不落の元刑務所だ。
そう。准将たちにバレずに潜入するためのルートが全く分からん。
観光客のように、船で近づくのは愚の骨頂。それでは武装潜入ができません。
ならば闇夜に紛れて深夜にヘリで。
…というのは、空からの侵入に備えて飛行物体探知レーダーで感知されることが予想されます。
そこでもう一人、最適だけど招集したくない人物に、協力を要請せざるを得なくなりました。
- アルカトラズ刑務所は脱獄囚が誰ひとりとしていないことで有名
- …だが、なんと2回も脱獄し生存してるヤツが
- 現在はFBIが取っ捕まえて、別の場所で長期収監中
- その人物は、すでに還暦も過ぎた御老人
この御仁の名は、ジョン・パトリック・メイソン。
今やすっかり白髪ロン毛になりましたが、かつてはアメリカ国内で散々スパイ活動を行なっていた元イギリス諜報部員。
おそらくは合衆国政府がひっくり返るような国家機密情報を握っており、未だその在処を吐かないのでずっと独房に監禁されています。
誰も脱獄に成功しなかったって言われるアルカトラズから2回も脱獄!?
内部の秘密ルートを知り尽くしてるってことだ。
でもどう見てもおじいちゃんだよ?
…ジジィを舐めたらいかんぜよ。
イギリス諜報部員は、かなり優秀なスパイ集団です。
ジジィといえどその鋭い眼光は未だ衰えず、行動力も若者に負けない勢い。
特赦も用意するから協力してよ、と仮釈放されたのをいいことに早速色々やりたい放題やらかします。
- 英国人なので、まずは紳士然とした身なりにお召し替え
- 白髪ロン毛は似合ってるけどムサイので、さっぱり短く綺麗に散髪
- …の後、メイソンはちょっと憎悪関係にあるFBI長官に仕返し
- さらにデッカくゴツいSUVハマーをチョロまかして逃亡
- 一部始終を見ていたスタンリーが、市民のフェラーリを拝借してジジィ追跡を開始
数年ぶりのシャバの空気を満喫したメイソン。
素直に協力すると見せかけて、市内を車で大暴走いたします。
…確かにジジィをなめたらいかんぜよ。
まぁ結局は対テロ作戦に協力するんだがな。
実はメイソンにはかけがえのない家族である一人娘が。
サンフランシスコに在住だったので、どうしても会っておきたくて逃亡。
とはいえ、長らく投獄されていたので親子関係は微妙で、ほぼ他人のような間柄です。
そんな親子の対面現場に、続々と警察車両が集結。
メイソンとのカーチェイスの末、スタンリーがいち早く居場所を突き止め報告していたから。
娘には「また脱獄したんだ…」とバレてしまいますが、親子の会話を盗み聞きしていたスタンリーは機転を利かせてこう言います。
…と、こんなニクい演出でメイソンの面目を保って身柄を確保したスタンリー。
おかげで借りが出来てしまったメイソンは、対テロ任務に協力することになりました。
潜入成功。しかし任務は…
メイソンの手引きのおかげで、スタンリー&SEALsはアルカトラズ島への潜入に無事成功。
しかしかなりの苦戦を強いられることになっていきます。
作戦遂行が不利な状況に陥り始め、メイソンはこれ以上協力する義理はないと、ここで再び逃亡を図ることに。
元はと言えばアメリカ政府が招いた事態だし。イギリス諜報部員には協力しなきゃならない理由もないよね。
でもメイソンにとって、全くの無関係なテロ事件ってわけでもないんだ。
准将たちがやろうとしてることは、サンフランシスコにVXガスミサイルを発射すること。それを阻止するのが今回の任務内容です。
そしてメイソンには、サンフランシスコに住む大事な大事な一人娘がいます。VXガスミサイル発射を阻止しなければ娘も犠牲に。
メイソンは逃亡することをやめ、スタンリーと協力して任務を遂行することに …というのが大まかなあらすじになります。
【ザ・ロック】激しいアクションを展開する登場人物たち
今作【ザ・ロック】の見どころは、大きく2つ。
一つは、かの有名なアルカトラズ刑務所が舞台になっているところ。
もう一つは、超有名な俳優陣が大掛かりなアクションを渋くカッコよく演じているところ。
激しいドンパチを繰り広げる、注目すべき登場人物をご紹介いたしましょう。
スタンリー・グッドスピードはFBI屈指の化学研究員。
数万円払ってまでレコードをコレクトするほど、ビートルズ大好きマニアです。
FBIといえば、国家保安部やサイバーテロに対応する刑事・サイバー対策部なんかを思い浮かべますが、スタンリーの所属は科学技術部。
ゆえに銃撃の実戦経験がほぼナシ、というか銃を撃ったのはFBIアカデミー時代以来ない、という若干頼りない人物です。
演じたニコラス・ケイジはカッコいいハゲ代表の俳優さんですが、まだフサフサな姿はちょっと新鮮。
映画【ハングリー・ラビット】でもフサフサ加減を残しつつ、やっぱりカッコいいアクションを披露してくれています。
メイソンは、かつてアルカトラズ刑務所に収監されてたイギリス諜報員。
二度もアルカトラズから脱獄する強者、今や米政府高官らと同年代のご老人です。
…が、やる事なす事クールでアクティブ。
いくつになってもアクションが似合うショーン・コネリーが、ご老体にムチ打って激しいアクションを披露しています。
ハメル准将は、テロを計画・実行する海軍将校。
英雄と称えられるほど多くの武勲を挙げていますが、その分、軍の任務で苦い思いも数多く経験してきました。
テロの首謀者となった彼のやりきれない想いと葛藤を、エド・ハリスが絶妙な表情を交えて演じています。
ウォマックは、メイソンと因縁があるFBI長官。
なにかと執拗にメイソンを蔑ろにしています。
ちょっと悪役顔のジョン・スペンサーが、意地の悪いFBI長官を熱演しています。
…と、この他にも、対テロ対策特別組織の高官たち・テログループの海軍兵ら・特殊部隊SEALsの面々なんかが多数登場。
テロの背景・経過・阻止までを、たっぷりのドンパチ交えた派手めのアクション作品 となっております。
まとめ
囚人を留置しておくには、もう充分な機能を果たせなくなったアルカトラズ刑務所。
しかしその鉄壁の要塞は、テロリスト達にとっては最高の拠点となりました。
- 英雄と言われた海軍准将が、政府への不満を募らせテロを実行
- テログループの拠点は難攻不落の元アルカトラズ刑務所
- とんでもない化学兵器と人質を楯にしていた
- テロを阻止するため、脱獄経験者も交えて特殊部隊を送り込む
実はアルカトラズ脱獄経験者・メイソンがイギリス諜報部員だった、という設定はショーン・コネリーの発案です。
イギリス諜報部員といえば《007》のジェームズ・ボンド。
そしてショーン・コネリーは《007》元祖ジェームズ・ボンドであり、シリーズ最高のボンド俳優でもあります。
メイソンは《007》のオマージュ的な配役だと思うと、ジェームズ・ボンドにしか見えてこなくなるかもしれません(笑)
ストーリーは一貫して筋が通っていて、分かりやすい敵対関係と激しいドンパチは迫力があります。
映画【ザ・ロック】は、、超有名俳優の演技が光る安心して鑑賞出来るアクション作品でした。
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