全世界で1500万部もの売り上げをあげた、3部作ミステリー小説《ミレニアム》
スウェーデンでは3作まとめてシリーズ映画化され、原作の織りなす重厚で衝撃的なストーリーが見事に映像化されました。
そのあまりの面白さから、スウェーデン版公開の2年後、2011年にハリウッドがリメイク。
ミレニアムシリーズ第1作目のハリウッド版映画【ドラゴンタトゥーの女】の世界へとご案内いたします。
この記事で分かること
- ハリウッド版【ドラゴン・タトゥーの女】あらすじ概要
- 出演キャスト・予告動画・動画配信サービス
- DVD・ブルーレイ情報
【ドラゴンタトゥーの女】ハリウッド版は、あの監督
ハリウッド映画【ドラゴンタトゥーの女】の原作は、スウェーデンのジャーナリスト兼作家であるスティーグ・ラーソンの書いたミレニアム3部作の第1部にあたる小説です。
「これを読まなきゃ次の日会社で会話についていけなくなる…」
という社会現象まで巻き起こしたほど、このミレニアムシリーズは大ベストセラーになりました。
- 緻密に作り込まれたサスペンスの謎解きが秀逸
- ミステリーをひと味違った角度から楽しめる、個性的なキャラが魅力的
- 世界30カ国で翻訳され、日本語版も2008年に出版
この爆発的大ヒット小説を、まずスウェーデンが映画化。
もちろん映画も大ヒット。ハリウッドがこの面白さを見逃すはずもなく。
そうしてリメイク権をゲットし、監督として召喚したのが、あのデヴィッド・フィンチャー監督です。
「あの」監督って言われても、どの監督なのさ。
…後味悪いサスペンスとかミステリー映画を撮らせたら、ピカイチと言っても過言ではない監督だ。
…うん、そう言われても(笑)
デヴィッド・フィンチャー監督が、どなた様なのかピンときませんね。
デヴィッド・フィンチャー監督の代表作
- ブラピ主演の「セブン」(1995年)
- ブラピ主演の「ファイトクラブ」(1999年)
- ブラピ主演の「ベンジャミン・バトン/数奇な運命」(2008年)
…ブラピ好き?
それは知らん。が3作品で起用してるね。
イケメン好きなのかブラピ好きなのかは存じ上げません(笑)
ただ、ヒット映画をバンバン撮ってる監督であることは間違いありません。
- デヴィッド・フィンチャー監督作は暗い映像演出が得意
- 特に映像もストーリーも暗い映画《セブン》の陰鬱で予想外の結末が話題に
- これ撮ったやつ誰ぞね!?ということで一躍有名監督の仲間入り
そんなデヴィッド・フィンチャー監督が、ダークな世界観のミレニアムシリーズをリメイク。
完成度も高く大好評だったスウェーデン版「ミレニアム/ドラゴンタトゥーの女」が、どうデヴィッド・フィンチャー監督の色に染め直されているのかも見どころのひとつになっています。
設定が若干異なる部分もあったりするので、ハリウッド版【ドラゴンタトゥーの女】とオリジナル版《ミレニアム/ドラゴンタトゥーの女》の違いは、REONさんの雑学トリビアをどうぞ。
【ドラゴンタトゥーの女】迷宮事件とジャーナリストとタトゥーの女と
さて、2度も映画化されることになった【ドラゴン・タトゥーの女】
どこがどう面白いのかというと、謎解きミステリーなところ。
謎解きミステリーって言ったら、不思議を発見しちゃうやつだね。
…いや、探検隊の格好の人形もクイズもないから。
あ、ならジッちゃんの名にかけて犯人追い詰めるほうだ。
…たしかにお祖父様は出てくるが、これっぽっちのカケラも微塵も全くないほどジッちゃんとは無関係だ。
物語の舞台は、スウェーデンの首都・ストックホルムと橋1本で繋がるだけの孤島・へーデスタ。
ここはかつてスウェーデンの国造りに大きく貢献してきた、大財閥一族のみが居を構える場所です。
そんな閉鎖的ともいえるへーデスタで、ある事件が起こります。
- 大財閥一族の一人の少女が、ある日忽然と姿を消した
- 時は過ぎ、失踪してからすでに40年が経過
- 少女の大叔父は財閥の財力を投じて捜索
- …するも、行き先どころか生死も不明
事件の真相を追い求めるR15指定のミステリー作品ですが、その謎に迫る強烈なキャラクターがこれまた面白い要因になっています。
謎を解くのは中年ジャーナリスト
まず物語は、とあるジャーナリストの失墜から始まります。どんな真実も暴いて記事にしちゃう凄腕記者が主人公。
失墜って何やらかしたの?文春砲ぶちかました?
ミレニアム砲をぶちかました。が、ガセネタ掴まされて名誉毀損で訴えられて敗訴した。
「ミレニアム」という社会派雑誌のジャーナリストが、確証のない情報を記事にした、ということで多額の賠償金と禁固刑の有罪判決が下ります。
敵に回しちゃったのは一大企業の大物創設者。裁判に負けたせいで雑誌の評判も記者としての評判もガタ落ちです。
しかし大物相手にミレニアム砲をぶちかまし、大々的に報道されたこの裁判沙汰がきっかけで別の大財閥の元会長のおメガネに叶う結果に繋がります。
大財閥の元会長の目的はただ一つ。かわいい姪っ子の未解決事件の真相究明です。
ミステリーのハンターでも探偵でも、っていうか捜査する警官って立場でもないじゃん。
そこがこの物語を面白くしてる要因のひとつなんだよ。
そう、なんでジャーナリストが謎解きにチャレンジ?って話です。それは主人公のジャーナリストがどんな小さなことも見逃さず必ず真実にたどり着く有能なナイスガイだから。
ドラゴンタトゥーとどう繋がりあるの。
ひとりじゃ手に負えないから、助手として雇った女の子がタトゥー持ち。
いくら有能なジャーナリストとはいえ、出されたお題は「さんざん40年間調べまくっても何も解明されなかった迷宮入り事件の真相究明」ですからね。
ひとりで調べるにも限界があります。そこで一緒に謎解きしてくれる助手を探して…タッグを組んだのが左肩にドラゴンのタトゥーを持ったちっこい女性。
度肝を抜かれる強烈なタトゥー娘
一緒に謎に挑む助手となったのは、ガリガリに痩せて遠目から見たらまるで少年のような小娘です。
ゴス・パンクファッションに身を包み、耳にも鼻にも眉毛にも、ピアス開け放題な完全武装。身長150センチくらいの小柄な体格でありながら、ホンダCB350のレトロなバイクをブイブイいわせ、性格は攻撃的で人見知り。
いわゆる「ツンデレ」タイプの無表情なオーラ出しまくりですが、「ツン」ばかりで「デレ」はほぼありません。
この小娘がまた壮絶なトラウマ持ってて。
…見た目以上に個性的なんだ。
このタトゥー娘のインパクトの凄さが【ドラゴンタトゥーの女】の最大の魅力ですね。
少しずつ解明される謎も良く作り込んであって飽きない展開になっていますが、タトゥー娘から目が離せないほどドンハマりすること間違いなしです。
40年前、一体何があったのか。失踪した少女は生きているのかそれとも…。【ドラゴンタトゥーの女】
きっと一族の誰かが手に掛けたに違いない。そう疑う大財閥の元会長が、真相究明を託したジャーナリストとタトゥー娘の活躍が最大の見どころ。チラ見せ予告動画はこちら↓
【ドラゴンタトゥーの女】展開に深みを持たせる登場人物たち
さぁ、主役となるジャーナリスト&タトゥー娘。もう少し具体的にどんなキャラなのかご紹介しておきましょう。
さらに物語の本題である、少女失踪迷宮入り事件に関与していると思しき関係者もピックアップ。
事件はただならぬ方向に進展し、そこに関わってくる魅力的で魅惑的な登場人物をご確認下さい。どどーん!
ミカエルは社会派ネタを扱う雑誌「ミレニアム」の発行責任者でもあるジャーナリスト。経済界や金融業界の闇を暴き出す記事を書く凄腕記者。
高いリサーチ能力と推察力を買われ、大財閥が財力と人力を尽くしても40年間解明できなかった未解決事件に挑みます。
ひとつ、またひとつとミカエルが真相を究明していく展開は、演じたダニエル・クレイグの渋カッコ良さも加わって目が離せません。
リスベットは見たものを瞬時に記憶する優れた記憶力と、ネットワークを自在に操る天才ハッカー。才能を活かして調査会社で調査エージェントとして働いていますが、過去の壮絶なトラウマからかなり暴力的で閉鎖的な性格です。
首筋にはスズメバチの、左肩にはドラゴンのタトゥーを持ち、12歳のときから精神を病んでいると診断され、以降23歳になっても法的後見人の保護が必要とみなされています。
人と接するのがニガテで常に無愛想ですが、そんな中にも心情の変化が見て取れる存在感ハンパない役柄を演じたルーニー・マーラの演技力は見事です。
ヘンリックは、ヴァンゲルグループの元会長。
ハリエットの大叔父であり、失踪事件の真相を40年間追い続けている人物です。
正義感に溢れた、非常に優しく知的なご老人。
ウィンウィンな取引材料と報酬を用意し、ミカエルに真相究明を依頼しています。
ディルク・フルーデはヴァンゲルグループの顧問弁護士。グループ元会長ヘンリックの長年の憂いである事件解明のため、ちょくちょく尽力する人物です。
ミカエルの身辺調査報告書を受け取り、完璧なまでに徹底的にリサーチしたリスベットを高く評価しています。
一人では調査しきれない未解決事件の助手が欲しかったミカエルに、優秀な助手としてリスベットを引き合わせたのはフルーデです。
ホルゲルはリスベットの後見人。これまで酷い扱いばかり受けて精神的な不安定さが抜けなかったリスベットに、初めて優しく接した人物として描かれています。
リスベットの天才的な能力を活かして自立出来るよう、調査会社での職を斡旋したのはホルゲルです。
ニルスもリスベットの後見人。ホルゲルが脳梗塞で倒れ、後見人として接することが困難になってしまったため後任の後見人になった人物です。
権力をかざしてリスベットを陵辱し、痛い返り討ちに遭うろくでなしでもあります。
エリカは社会派雑誌「ミレニアム」をミカエルとともに経営するビジネスパートナー。ミカエルが名誉毀損で有罪になり、現場を離れる決断を下したあとも雑誌社の立て直しをはかる編集長です。
ミカエルとは20年来の友人でもあり、愛人でもあります。
マルティンは現在のヴァンゲルグループの会長職に就いている人物。
失踪した少女・ハリエットの兄でもあり、一族に暗い影を落とした失踪事件の真相究明に訪れたミカエルに友好的な態度で接しています。
イザベラはマルティンとハリエットの母親。若い頃はかなりの美人で派手に着飾り優雅な生活を送り、育児は放棄。そのためマルティンもハリエットもヘンリックが成長を見守ってきました。
よそ者であるミカエルの来訪にもあからさまに嫌な顔をし、娘の失踪よりも一族の体裁と自身の贅沢の方が大事な人物です。
ハラルドはヘンリックの兄であり、ハリエットの祖父。ヴァンゲル一族の輝かしい功績や思想を重視する若干気難しいご老人。
人が寄り付かないだけで、別に人付き合いが嫌いなわけでもないのですが、胡散臭さ満載です。
セシリアはハラルドの娘であり、マルティンやハリエットの従姉妹。失踪したハリエットと仲の良かったアニタの姉でもあります。
が、妹アニタともハリエットとも、さらには父ハラルドとも、というか一族全員と疎遠な生活をへーデスタで送っています。
よそ者ミカエルが一族の過去を掘り返すのをよく思っていません。
アニタはハリエットと仲の良かった従姉妹。ハリエットが失踪したのちにへーデスタを離れてロンドンに移住し、一族とは関わり合いを持ちたくないと思っています。
グスタフは40年前ハリエットが失踪した際に懸命に捜査を続けていた警部補。
グスタフにとってもハリエットの事件は生涯捉われ続けた事件であり、当時の状況や捜査内容など、ミカエルに何かと協力してくれる定年間近のおじさんです。
ヴァンネルストレムは一代で巨万の富を築き上げた起業家。雑誌「ミレニアム」で金融業界を揺るがす裏取引をしていたというスクープが掲載され、記事を書いたミカエルを名誉毀損で起訴して勝訴。
おそらくミカエルを陥れるためのガセネタを流し、己の成り上がりの邪魔者は排除しようって魂胆の小悪党です。
…とまぁ、胡散臭さ満載な面々によってストーリーが展開。物語の中心となるハリエットは40年前の少女の時の姿や写真で登場します。
登場人物は多いですが、果たして少女の失踪事件のカギを握る人物は誰なのか。気になりすぎて、いつのまにか全キャラも把握出来てしまう強烈な個性の持ち主ばかりです。
まとめ
一度すでにスウェーデンで映画化され、ストーリー性の高さからハリウッドも再制作に乗り出しリメイクしたのが【ドラゴンタトゥーの女】です。
- 原作は全世界でブームを巻き起こしたスティーグ・ラーソンの推理小説
- 40年前に失踪した大財閥の少女の未解決事件の真相を追うミステリー
- 舞台は全く同じスウェーデンの架空の孤島・へーデスタ
- 失踪事件の裏にある真相は衝撃的
「ミレニアム/ドラゴンタトゥーの女」でリスベットを演じたノオミ・ラパスの演技が圧巻で、これを超えるキャラクターを演じるハリウッド女優はいないのでは…と言われるほど完成度の高かったオリジナル版。
リメイク版は暗い映像演出を得意とするデヴィッド・フィンチャー監督の、さすがの演出も素晴らしかったです。
そして何よりオリジナルに負けない体当たりの演技で、見事にリスベットを際立たせたルーニー・マーラの演技も見逃せないポイント。
序盤から喰い入るように引き込まれた謎解きミステリーの猟奇的な結末は…ぜひ観ていただけたらと思います。
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