6月6日、午前6時に誕生した、頭に『666』のアザを持つ悪魔の子ダミアン。
可愛らしいお子さまと侮るなかれ、その存在は非常に不吉で邪悪です。
オカルトホラーの金字塔とも言われる映画【オーメン】シリーズについてお届けします。
この記事で分かること
- 映画【オーメン】3部作とスピンオフ
- 2006年リメイク版
- 2016年海外ドラマ版
- 計6本のあらすじ概要・予告動画
- 動画配信・DVDブルーレイ情報
映画【オーメン】 (1976)
映画【オーメン】は、往年の名俳優グレゴリー・ペック氏が主演のシリーズ第1作目。
映画タイトルの「オーメン」とは、「omen=前兆」という意味の英語です。
これから悪魔の子が生まれ、悪魔的な出来事が起こる前兆…と、世界観をそのまま表現しています。
- アメリカの外交官ソーン夫妻に待望の赤ちゃんが
- ところが生まれた子は死産。妻の悲しみを思うと言い出せない
- 病院の神父が「同じ時刻に生まれた男児を我が子として育てないか」と
- 母親は子を産んで亡くなったらしく、妻に内緒で養子に
- 夫のロバートが駐英大使に任命され、妻子ともどもロンドンへ
- 仲睦まじく暮らしていたが、息子ダミアンの誕生日に事件が
- 大勢の招待客の目の前でダミアンの乳母が首吊り自殺
- 以降、ロバートの周囲で不可解な死を遂げる者が続出
この作品のダミアンくんは、赤ん坊か5歳児の可愛い盛り。
たまに目つきが悪かったり、三輪車で爆走して事故を起こしたり、教会イヤイヤ期で暴れたりしますが、人の死を招くことはありません。
というか、本人「悪魔の子」という自覚がなく、悪さするのは彼を守ろうとする悪魔の手下たち。
絶えず不穏な空気が漂い、BGMもおどろおどろしく、一体このお子さまは何者?という不気味な展開が見どころです。
ダミアン出生の秘密・連続する不可解な死・666の数字・悪魔の子を葬る策など。
【オーメン】の世界観をギュと濃縮した、サスペンス要素が強いお話。
映画【オーメン2 / ダミアン】 (1978)
映画【オーメン2 / ダミアン】は、前作のその後を描いたシリーズ第2作目。
父ロバートの弟である叔父夫婦に引き取られ、12歳になったダミアンくんに変化が訪れます。
- 悪魔祓い師ブーゲンハーゲンは、ロバートの訃報でダミアン抹殺失敗を知る
- 知人の考古学者に相談。発見されたばかりの遺跡を見に行くことに
- 「悪魔の子」誕生は黙示録に記されているので、遺跡にヒントがあるはず
- まさにダミアン顔の壁画を発見…したが生き埋めでお陀仏に
- その頃ダミアンは、叔父マイケルの息子と共に士官学校に通う日々
- 新しい上官に気に入られるも、聖書の黙示録を読めと
- そこには悪魔を表す獣の数字666のアザや「悪魔の子」を示唆する予言が
- ダミアンは頭髪に隠れた「666」を見つけ、自分が「悪魔の子」だと気付いた
- 以降、ダミアンに都合の悪い人物が次々と変死することに
従兄弟と本当の兄弟のように、叔父夫婦から息子として育ててもらったダミアンくん。
素直で賢く、ユーモアもあったのに、とうとう自ら人の死を招いてしまいます。
それも暴力などチンケな方法ではなく、「悪魔の子」として授かったパワーを使って。
彼を守りサポートする手下も増続々登場、顔つきや行動、心理の変化が最大の見どころです。
邪悪な存在であることを受け入れて、悪の権化と化すダミアン少年の物語。
映画【オーメン3 / 最後の闘争】 (1981)
映画【オーメン3 / 最後の闘争】は、前作の続きとなるシリーズ第3作目。
32歳の大人ダミアンが主人公、悪魔の子の最期を描いた3部作完結編です。
- 今は亡き叔父マイケルの跡を継いだダミアンは、ソーン産業の会長に
- 32歳で総合商社にまで発展させ、大統領の相談役も務めてる
- 経営者としても「悪魔の子」としても充実しているが、不安要素が
- 予言書的性質のある黙示録に、ナザレ(キリスト)が復活すると書かれている
- 自分のように赤児として、もう間もなくイギリスで誕生の兆しが
- ナザレ(キリスト)復活阻止のため、頭脳と悪魔的力を使って駐英大使に
- 力の弱まりを感じたダミアンは、ナザレ(キリスト)誕生を悟った
- 3月24日に産まれたと感じ、手下に命じて片っ端から男の赤児を殺害
- そんな中、唯一ダミアンを殺せる7本の短剣を手にした修道士集団が
力が弱まってきたとはいえ、ダミアンは「悪魔の子」
これまで邪魔者排除は百戦錬磨、修道士集団もサクっとやっちゃいますが、天敵だけは勝手が違います。
悪魔と同じ力を持つ「悪魔の子」VS「神」と呼ばれるナザレ(キリスト)
新約聖書や黙示録の宗教色が濃くなり、一気にオカルトくさくなる展開が見どころです。
ダミアン最後の闘争を、意外にもあっさり描いちゃった作品。
映画【オーメン4】
映画【オーメン4】は、アメリカでTV映画として製作・日本では劇場公開された続編。
いちおうダミアンと繋がりがある、3部作のスピンオフです。
- 有能な弁護士ジーンと妻カレンは不妊に悩み、養子を貰うことに
- 産まれたばかりの女の子を孤児院から引き取った
- 女児はディーリアと名付けられ、すくすく成長
- その頃ジーンは弁護士から議員に出世。順風満帆
- …だが、ディーリアのいた孤児院の院長や洗礼式を行った神父が突然死
- 実はディーリアは呪われし女児。しかも気が強い
- 彼女の周りで不審死が続き、彼女の挑発で事故死する子供も
ディーリア=呪われし女児=「悪魔の子」
…という、男の子から女の子の設定に変わっただけ。
簡潔に言うと、二番煎じですね。
ただ、「悪魔の子」ディーリアの体内に、双子の弟が宿っている二重胎児なる特異性があります。
演出面に真新しさは感じませんが、ちょっとだけ凝ったキャラ設定が見どころです。
ドス黒いオーラ・光の書(←聖書簡易版)・逆十字架・ディーリアの出生など。
アレンジ力は弱いけれど、オーメンの不気味さを踏襲している点は評価できる佳作。
映画【オーメン】 (2006)
映画【オーメン(2006)】は、1976年公開の《オーメン》リメイク。
演出が違う程度で、ストーリーは結末まで同じです。
- 30代の若き外交官ロバートの妻が出産するも死産
- 妻には言えず、神父の勧めで同じ時刻に産まれた子を育てることに
- その後ロバートは駐英副大使に
- …と思ったら新大使が事故死で大使に繰り上げ
- イギリスへ移り住み、男児ダミアンも5歳に
- 大使館で盛大な誕生パーティーを開くも、ダミアンの乳母が首吊り自殺
- 以降、ロバートの周辺で誰かしらが壮絶死することに
ダミアンの両親が若かったり、犠牲者が1人増えてたり、死に方がより凄惨だったり。
あとは現代要素を取り入れて、ダミアンくんが三輪車ではなくキックボードに乗ってたりします。
新約聖書や黙示録など、オカルト面も少し補われているので分かりやすいかと。
細かな違いが沢山あり、1976年版と比較する楽しみ方もできる作品。
ドラマ【オーメン】シーズン1 (2016)
ドラマ【オーメン】シーズン1は、30歳の大人ダミアンが主人公の全10話。
映画のストーリーが過去のフラッシュバックという形で繋がっています。
…が、そこまで深く映画版を掘り下げて活用していないので、ドラマ単体で充分楽しめます。
あぁ、あと、シーズン1で打ち切りになったので、シーズン1しかありません。心置きなく突入してください(笑)
- ダミアン青年は、国外を飛び回る戦場カメラマン
- 仕事仲間もいるし、ちょっと前まで彼女もいた
- 自分を覆う得体の知れない黒い影を感じながらも、「普通の人間」として生活
- …していたが、30歳の誕生日に仕事先の戦地で血の洗礼を浴びた
- この日を境に、ダミアンに関わった人々が不可解な死を遂げるように
30歳というのは、キリストが洗礼を受けて自分の使命に気付いた年。
ダミアンも30歳で血の洗礼を受けますが、「悪魔の子」の使命に目覚めるわけではなく、まだ自分探しの途中といったところ。
本人無自覚ながらも人がバッサバッサ亡くなるので、いつしか周囲が喧騒に包まれ様々な思惑が渦巻いていきます。
ダミアンを利用しようとする者・陰ながらお守りする者・狂信的に崇拝する者・忌み嫌い抹殺執念を燃やす者。
人間の方が醜く争いを続け、悪のはずなダミアンの方がよっぽど人間くさい、という脚本構成が見どころです。
清々しいほど悪だった映画版とは異なり、ダミアンが悪魔の子という運命に苦悩する物語。
…ということで、オカルトホラー映画【オーメン】シリーズ3部作+リメイク版+海外ドラマ版についてお届けしました。
もはや『666』はダミアンの代名詞。
これは新約聖書の中で予言書的性格を持つ、「ヨハネの黙示録」に記された獣の数字です。
そして獣とは、神に反する悪魔または悪魔と同等の力を持つ邪悪な存在のこと。
ストーリーの基本はキリストの教えから構想したオリジナル、映画のあと、シナリオを元に小説化されて263万部の大ベストセラーとなりました。
子役くんたちの名演技、不協和音なBGM、程よいグロは刺激的。
特に凄いのが、監督・出演者が全て異なるのにシリーズとして成立している3部作。
CGなしでも迫力満点、名作と言われるオカルトホラーにハマっていただけたら、恐悦至極にございます。
オーメンの始まり、1976年版を手掛けたリチャード・ドナー監督作もお届け中↓
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