韓国映画は、重く物々しい雰囲気のサスペンス作品が秀逸ですね。
それとはまた別に、しっかり怖い思いをさせてくれるホラー映画も面白い作品が揃ってます。
心は闇色・画面は赤く染まる(ものもある)、スリラーな韓国映画10選をお届けします。
グエムル 漢江の怪物(2005)
未知の生物・巨漢でヌメっと生臭そうな化け物が登場する映画が【グエムル 漢江の怪物】
グエムルとは「怪物」を表す韓国語です。
- 突如ソウルの真ん中を流れる漢江(ハンガン)から、ナゾの怪物が
- 川から出てきちゃ人を襲い、喰い散らかしたり拐ったりとやりたい放題
- もう街中どころか国家単位で大パニックに
- なぜか米軍も参戦し、韓国の軍隊も出動するけど、大人の腹黒い事情がそこかしこに
モンスターパニック系のスリラー作品ですが、家族愛も社会風刺もツッコミどころもご用意されてます。
怪物グムエルに娘をスパーんと尻尾で拐われ、国家は当てにならんから、自分たちで愛娘の奪還救出作戦を展開する一家の物語 です。
死体が消えた夜(2018)
初めはミステリー、だんだんサスペンス、最後はスリラー。【死体が消えた夜】は恐怖3段活用の濃い味映画。
2012年のスペイン映画《ロスト・ボディ》のリメイクです。
- とある大学教授が若い女学生と不倫し、妻が邪魔になって毒殺
- そもそも妻は大財閥のお嬢で、ちょっと虐げられてウザかった
- 完全犯罪を目論んで病死に見せかけて殺すも、妻の遺体が安置所から消えた
- 次第に、妻が生き返って復讐してるかのような出来事が
どんでん返しどころか、何度もちゃぶ台ひっくり返すようなストーリーに釘付けになるかと。
ただ、リメイクなので韓国映画らしい重グロさは控えめ。
妻の遺体が消えたことで追い詰められていく教授の心境に、こっちも追い詰められたように感じるスリリングな物語 です。
殺人漫画(2013)
描かれたら死ぬ。
【殺人漫画】は、ちょっとデスノートちっくな物語です。
ただし名前を書かれて綺麗な姿で即死…というほど甘くないのが韓国ホラー。
- 人気WEB漫画家が作品をアップすると、漫画通りに人が死ぬ
- たとえば編集長は、目ん玉刺されて喉元かき切られてお陀仏に
- …とはいえ、死ぬように仕向けて漫画を描いてるわけではない
- 漫画家もいい迷惑…かと思いきや、どいつもこいつもろくでもない
なかなかストーリーが凝っていて、人がバンバン死ぬ怖さとお化けの怖さがダブルブッキング。
自分の利益のために人を殺める…そんなエゴ丸出しのクズばっかが登場する作品 です。
悪魔は闇に蠢く(2014)
【悪魔は闇に蠢く】は、暗闇広がる下水道を根城にしている殺人鬼との攻防を描いた物語。
救いのないむごたらしさや絶望が、息がつまるほどの圧迫感の中で繰り広げられます。
- ソウルの街中で、夜間ひとり歩きの女性などが忽然と姿を消す
- 下水道に住む連続殺人鬼が人を襲い、マンホール内に引きずりこんで殺害してた
- …とそれを偶然見てしまった聾唖の少女も取っ捕まることに
- 少女の姉・役に立たない警察・いわくありげな少年が殺人鬼に立ち向かう
連続殺人鬼を追い詰めたり、逆に追い詰められたり。
あまりに暗闇すぎて見づらい展開や、回収しきれていない伏線もあります。
…が、かえってそれが殺人鬼の怖さを引き立てるスパイスに。
謎がナゾのまま終結するという、鑑賞側に考えさせる余白が多い作品 です。
荊棘(ばら)の秘密(2015)
【荊棘の秘密】は、娘の失踪を期に、いかに周囲が身勝手で悪意に満ちた世界だったかを知ることになる物語。
幸せな世界とその裏側にある醜い人間模様に、ゆっくりと確実にグロい天誅が下されていきます。
- 国会議員選挙選の最中、娘が突然いなくなった
- 選挙戦中の父親は、娘の失踪事件すら同情票集めのネタに
- 母親は選挙戦のサポートを放り出し、必死に娘を探すことに
- 娘のことも周りのことも、何一つ知らなかったことを思い知らされた母親の復讐劇
裕福・地位・不倫・差別・いじめ。
ありがちな要素で固められたストーリーですが、それらがいやらしいほど複雑に絡み合っています。
感情の温度差や真実のエグさ、母の執念にゾワっとするイヤミス作品 です。
哀しき獣(2010)
【哀しき獣】は、孤独を抱えた男が、苦しさ・切なさを埋めるかのように暴力の沼に堕ちていく物語。
鮮血が飛び散り、骨が砕け、目を背けたくなるスプラッターなバイオレンスがてんこ盛り。
- 中国でまじめに働いていたタクシー運転手が主人公
- 妻を韓国へ出稼ぎに送り出すために借金をしたが、妻からの送金が途絶えた
- 借金返済のため賭博に手を出し、さらに殺人請負の危険な仕事にも手を出すことに
足掻いても抜け出せない虚しさと寂しさが、すざまじく救いのない暴力に繋がっていきます。
小さな偶然が積み重なり、奥に潜む人間の業を引きずり出していく重グロ作品 です。
罠 Deep Trap(2015)
【罠】というタイトルの韓国映画は他にもあるんですが、これはマ・ドンソク氏主演『Deep Trap』のサブタイトルが付くほうの作品。
SNSで知った口コミ良しの食堂の主人が、オレ様気質のとんでもない殺人者だったという物語。
- 2年前の流産がきっかけで勃起不全・不妊に陥った夫婦が主人公
- 不妊治療ににバッチリ効果あり、おいでませ〜と離島にある山小屋食堂へ旅行に
- 丸鶏の水炊きにマムシどっさりの酒、イノシシのジビエ料理と精力つきそうなメニューでおもてなし
- 振る舞う主人は横柄ながらも親切…だがそこには残虐な人間性が
子宝を望む若い夫婦をターゲットに、ネットで食堂を宣伝しては訪れた者を支配していきます。
そうして言うこと聞かない客は、鶏やイノシシ同様、後始末まで残虐に解体。
鈍器系の殺人のグロさ、マ・ドンソク氏の不気味な笑みに背筋も凍る気持ち悪い作品 です。
殺人の才能(2017)
【殺人の才能】は、つい成り行きで人を殺めてしまい、自分には殺人の才能があると狂気に目覚めてしまう青年の物語。
原題は《Gifted》=才能という意味ですが、ただの思い込み・自意識過剰なキショさがあります。
- 長年勤めていた職場を追われ、ニートに
- 無職を理由に婚約者にも振られ、アルバイトしながら就活
- 偶然、元上司に遭遇し、けなされてつい勢いで殺してしまう
- …あれ?オレって殺しに向いてる?と、新たな転職先を殺人鬼に決定
殺人のきっかけも軽ければ、続けていく理由も殺害の仕方も割と軽率。
ごく一般人だった青年が、新たな転職先に殺人鬼を選んだというだけのお話です。
サイコパスに陥って用意周到に…というグロさはありません。
「結局、世の中カネだよね」という身も蓋もないストーリーを、見事に韓国ホラー色に染めた作品。
カル(1999)
【カル】は、3つのバラバラ猟奇殺人事件のカギを握る女性の過去や、事件にのめり込んでいく刑事の物語。
英題は『Tell Me Something』です。
あと味悪し・謎も多しの映画《セブン》の韓国版、という異名を持つグロの真骨頂。
- ソウル市内で、3件のバラバラ猟奇殺人事件が発生
- いずれの被害者も、同じ女性との交際歴があった共通点が
- 事件のカギを握る女性を追う刑事は、彼女の過去の深さにのめり込むことに
- 全てが終わったその後に、衝撃的で強烈な結末が
もう序盤から千切れた腕がむっちりと、血もブッシャー。お食事前やお食事中、吐きグセのある方はご注意を。
伏線だらけでなかなか難解、されど愚直なまでにゲログロく忌まわしく仕上がっている作品 です。
メビウス(2013)
【メビウス】は、男どもの性欲にウンザリした妻の行動が家族を狂った道に走らせる物語。
鬼才キム・ギドク監督が手がけた一切セリフなしの問題作です。
- 車中で不倫相手と行為に及ぶ夫・部屋で自慰する息子・嫉妬に狂う妻の3人が主人公
- 不倫にムカついた妻が、夫の男根チョン切ってやろうと企んだ
- 間一髪で夫のは難を逃れるも、嫉妬の矛先が息子へ
- 夫の代わりに息子がチョン切られ、性器の有無に翻弄されることに
人間、本当の恐怖に見舞われたとき、漏れてくるのはウッとかヒィ〜…とかギャー。
ただそれだけで恐怖を満遍なく全編に散りばめ、そら恐ろしいだけでなくツッコミどころもしっかりあります。
ひとことで言うと、作った側も観る側も多分変態…という結論に至る作品 です。
…ということで、韓国映画の中から血まみれブッシャーーっなスリラー映画10選をお届けしました。
どれも重く怖い作風&スプラッター要素も加わった作品ばかりです。
血の闇に埋もれる映画に巡り会うキッカケになれば、恐悦至極にございます。
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