日本で最も有名な犬・忠犬ハチ公。
東京・渋谷のスクランブル交差点を背に、駅を向いて佇む姿の銅像は、待ち合わせ場所のシンボルにもなっています。
教授と1匹の秋田犬との出逢いと別れ。
涙なくしては観られない、感動の実話をベースにリメイクされた映画【HACHI 約束の犬】の世界へとご案内いたします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
【HACHI 約束の犬】出逢いは偶然・繋がる想い
じゃ、明日5時に渋谷で♪
あぁ、了解。
今はケータイやスマホがあるので、どこで待ち合わせようが特に困りませんよね。
それでも東京・渋谷で待ち合わせといったら、ハチ公前がわりと定番だったりしませんか。
- 今も昔も、渋谷駅のハチ公の銅像は待ち合わせのメッカ
- ニュースでハチ公前からの中継があったりと、全国的にも有名
- 日本国内にとどまらず、海外の観光客もわざわざ足を運ぶ観光スポット
- 亡くなった飼い主(東京帝大・上野教授)を何年も駅で待ち続けたという逸話も有名
- 実際のハチ公は、邪険に扱われてたり野良犬や野犬と間違われたことも
- 新聞記事に「忠犬ハチ公」と取り上げられてから、温かく見守られた犬生を送った
そんな知名度抜群の日本の実話をハリウッドがリメイク。
静かに確実に芽生えた飼い主と飼い犬との深い愛情。そして周囲の優しさを描いた映画が【HACHI 約束の犬】 です。
映画【HACHI 約束の犬】基本情報
HACHI 約束の犬 | |
ジャンル | 動物・ヒューマンドラマ |
監督 | ラッセ・ハルストレム |
脚本 | スティーヴン・P・リンゼイ |
上映時間 | 93分 |
出演 | リチャード・ギア、ジョアン・アレン他 |
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【HACHI 約束の犬】教授と仔犬と
物語の舞台はアメリカ東海岸。
のどかな街並が広がるベッドリッジ駅に降り立ったひとりの男性は、旅行の帰りに1匹の仔犬と出逢います。
- 彼の名はパーカー・ウィルソン。とある大学の教授
- 自宅最寄駅のホームで迷子の仔犬を発見
- 仔犬は日本から飛行機で輸送され、ベッドリッジ駅で貨物と一緒に運ばれた
- …のはいいが、ゲージごと落ちたことに気付かれず置き去りに
- 仔犬は駅構内をちょこまかし、教授の前でふと立ち止まる
- 犬好きの教授は仔犬を放っておけず、すかさず保護
この仔犬がハチ?
そう。首輪もしてたし、きっと迷子だと思って教授は駅員さんに預けるんだ。
ところが駅員さんのところに「ワンちゃん迷子なの、知りませんか(泣)」というお問い合わせはありません。
飼い主がいつ現れるかも分からない上に、もしかしたら捨て犬かもと懸念した駅員さん。
1日くらいなら駅で預かれるけど、翌日には保健所に連れて行く という話になってしまいます。
- 教授は駅に預けることにいちまつの不安が
- 仔犬相手に「しばらくうちに泊めてやる」と話しかけ、家に連れて帰ることに
- ただ、教授の妻ケイトは犬ダメ!ぜったい!派
- 妻が反対するのが目に見えてるから、帰宅後こっそり書斎に匿った
匿っても、この子ちょっとヤンチャみたい♪
…うん、まぁソッコーでバレて、奥さんに鬼の形相で怒られてたな。
ケイトはなにも犬が嫌いなわけではありません。というか、むしろその逆です。
以前ルークという飼い犬を亡くしたときの悲しみが大きすぎて、二度と同じ想いをしたくないだけ。
あの時のような想いをしないために、もう犬はぜったい飼わないと夫婦で話し合って決めていたんです。
- 教授もケイトの想いは重々承知
- 飼い主もしくは貰い手が現れるまでだから、となんとか説得
- ケイトは渋々OKするも、家の中はアウト
- 庭の物置き小屋限定で仔犬を預かることに
- 仔犬はちょっと寂しそう&遊びたそうに、物置き小屋からじっとお宅拝見
やばい。この子可愛すぎるーー!
…仔犬の可愛さは罪だな。
こうして目と目が通じ合っちゃった教授と仔犬。偶然の出逢いがキッカケでしばらく生活を共にすることになりました。
秋田犬・ハチ
普段はとってもラブラブな教授夫妻。そうは言っても犬問題となったら話は別です。
ケイトの痛い熱視線を浴びながら、早速教授は翌朝から仔犬を連れて出勤します。
- まずはいつもの最寄り駅、ベッドリッジで駅員さんに「飼い主来た?」とお問い合わせ
- 特に飼い主も現れず、とりあえず「迷子の仔犬」のチラシを貼ってもらうことに
- 電車内にワンちゃん連れ込み禁止ね、と言われつつ、教授はカバンに隠して大学へ
- 知人数人に声をかけ、貰い手を探すも適任者ナッシング
- ただ日系人の同僚教授ケンから、この仔犬について豆知識ゲット
教授はこの子が秋田犬って知らなかったの?
あぁ。秋田犬は海外でも人気らしいが、それでも珍しい犬種だからな。
日本でならそう珍しくない秋田犬。
国の天然記念物に指定されてる6つの日本犬種のうち、唯一の大型犬種ですが、犬好き教授もそこまで詳しくはなかったようです。
- 同僚教授のケンは、仔犬の首輪についてる木彫りのネームプレートに着目
- ネームプレートには漢数字の「八」の字が。ここから名前は「ハチ」と推測
- ついでに「ヤマナシ(山梨県)」からアメリカに渡ったらしいことも判明
- …とはいえ誰の元へ送られてきたかは不明
Oh、ハァーチィ♪
…そのイントネーション、むっちゃ頭に残るな。
教授はこの子の名前がハチであること、その名の元になっている漢字「八」は天に登って地に降りる、とても縁起の良いものであることを知ります。
そして特別な血統のある秋田犬であることも。
- 結局、初日は飼い主も貰い手も見つからず
- おめおめまた連れ帰り、ケイトにグチグチ突かれる
- そんなことはお構いなしに、教授はハチとお戯れ
そうしてなんやかんやで数日が経過。
何日経っても一向に迷子のハチを探す飼い主は現れません。
…が、里親になりたいという電話なら掛かってくるようになります。
…ハチ、貰われていっちゃうの?やだーー!!一緒にいたい!
…まぁ、あまりに教授が無邪気にハチの面倒みるから、さすがにケイトのほうが折れたよ。
昔の愛犬ルークのオモチャでハチと遊びまくる教授。
そんな教授の姿を見たケイトは、里親希望の電話をそっと切り、ハチを正式な家族として迎え入れることになりました。
別れは突然、想いは永遠
こうしてハチは、教授の下でスクスク育ち、立派な成犬に成長していきます。
すでに身体はすっかり大きくなり、毎日大好きな教授の側で幸せな毎日を送ることに。
- 教授が新聞取りに行けば追いかけてバゥバゥ
- 庭で遊ぶ時もバゥバゥ(←ただしいつまでもボール拾いの遊びは覚えない)
- 教授がお仕事行くときには、ついて行きたくてうずうずバゥバゥ
もう四六時中、ずっと一緒にいたいんだろうねー。
教授もそんな想いだろうな。まさに相思相愛なパートナーだ。
出来る限りの時間を共に過ごし、愛情をたっぷり受けて大人になったハチ。
教授がだいたい何時に居なくなって、何時にまた逢えるかの把握もバッチリです。
- とうとう我慢ならねぇ…ってな感じで、勝手に柵の下に穴掘って家から脱走
- 行き先は…匂いを頼ったのかベットリッジ駅に
- まさかの「ハチ、駅でウロチョロ」を発見した教授は、大学に遅刻
- ハチは脱走を怒られるも、懲りずに夕方5時にはお迎えに
うふふ♪ハチってば、怒られてしょげてもまた駅に行っちゃうんだね(笑)
1分1秒でもそばにいたいくらい、教授が大好きなんだろうな。
そんなハチがやっぱり可愛くて仕方がない教授。
いつしかお見送りとお迎えを楽しみに待つようになり、ベットリッジ駅でもちょっとした日常の風物詩になっていきます。
- ところがある日だけは、ハチがなにやら意味不明な行動に
- ぜったいやらなかったボール拾いやオマワリといった芸を披露
- 「さ、ハチ行くよ」と言われても、ついて行こうとしない
…??ハチ、この日だけどうしたの?具合悪いの?
…いや、野生のカンってやつだ。
実は秋田犬は警戒心も強く、愛玩動物というよりクマの狩猟に付き添う狩り魂の宿った犬種です。
ボール遊びやオマワリやお手、といった芸には興味を示さず意味のない行動はしない性格。
そして誰よりも飼い主への愛情を深く持ち続ける忠義に厚い子なんです。
- 駄々っ子のハチを気にしながらも、遅刻しちゃうから教授は駅へ
- なんやかんやで結局駅に走ったハチは、そこでも芸を披露して教授を足止め
- 甘えているのかと思いつつ、教授はハチに帰宅を命じ、大学の講義に出席
- …とそこで急に倒れ、そのまま帰らぬ人に
き、教授がぁーー(泣)
…ハチは、その日教授に何か良くないことが起こる予感がしてたんだ。
大好きな教授。いつもいつでも一緒にいたい教授。
お仕事行っても、誰より先に1番に逢いたい教授。
家族や友人、学生らに静かに見送られた教授は突然ハチと永遠の別れを告げることとなり、ハチもまた、永遠に大切な人を失うことになってしまいます。
そして愛する人を失った悲しみは、妻ケイトも同じ。
教授との思い出がたくさん詰まった家を手放し、ハチは娘夫婦が引き取ることになりました。
…お家遠くなったのに、それでもハチはベットリッジ駅に行っちゃうんだね…。
…あぁ。もう逢えないって薄々分かっているのにな。
もう逢えない。でも逢いたい。
いつも嬉しそうに駆け寄ってくれたあの駅で。
こうしてハチは、雨の日も風の日も、雪が舞い散る寒い冬も、毎日決まった時間にベットリッジ駅に姿を現すように。
教授とハチの仲睦まじい頃を知っている駅の人々は、そんな切ないハチの姿を優しく見守り続け…というのが大まかなあらすじになります。
【HACHI 約束の犬】主な登場人物
犬を飼っている方はもちろん、飼っていない方にも誰の心にも、きっと沁み渡る忠犬ハチ公の物語。
実話とはかけ離れた描写もありますが、互いの想いに涙が溢れる登場人物たちをご紹介いたしましょう。
パーカーはどこぞの芸大系・音楽科の教授。ハチ公の実話・上野教授のような立場にいる飼い主さんです。
演じたリチャード・ギアは実際にむちゃくちゃ犬好きなお方。ハチ役のワンちゃんとの絡みは、本当に幸せそうに演じています。
もう嬉しそうに「ハァーチィ」と、素っ頓狂なイントネーションでハチ公と戯れてるので、しばらくは彼のハチ発言が脳内を侵食するかと(笑)
ハチは今作で最もお涙持っていく秋田犬。ただし仔犬時代は柴犬です。
ワンちゃん好きからは、「秋田犬ちゃうやん!あれ柴犬だし」というダメ出しも喰らってますが、そこにはこんな理由が。
- 秋田犬の仔犬は10週程度で体も大きくなってしまう
- 秋田犬の仔犬は少し神経質な性格
- 撮影に参加させるとストレス溜まっちゃってかわいそうだから
…ということで仔犬時代が柴犬なのは、大目に見てスルーしてください(笑)
ちゃんと成犬のハチは秋田犬です。性格の違うこんな3匹の子たちが演じています。
- レイラ:遊び好きなやんちゃな子(←教授とお戯れまくるのはこの子)
- フォレスト:ちょっと孤立気味なミステリアスな子(←ハチだけのシーンではほぼこの子)
- チコ:撮影現場近くのお宅で飼われていた子(←10年後の老犬はこの子)
あぁ、このシーンはこの子ね、と思いながら鑑賞すると、より一層楽しめるかと思います。
ケイトはパーカー教授の妻。以前飼っていたワンちゃんが亡くなったとき、辛すぎたので二度と飼うまいと頑固一徹になりました。
10年も駅で教授を待ち続けたハチとケイトの再会シーンは、胸が締め付けられます。
ケンはパーカー教授の知人男性。日系人ということで、ハチの名前や秋田犬のプチ情報を解説してくれます。
ずっと駅で待ち続けるハチのことを気にかけ、さらにハチの想いを汲んで優しく見守るいい人です。
…と、この他には教授の娘さんやその彼氏、駅員さんや売店のおっちゃん、見守る周辺住民の方々が登場。
今作はセリフがそんなに多くありません。
その分ハチの目を通して映る人の姿や、憂いも楽しさも表すかのようなピアノの音色が物語を彩っています。
たとえば字幕なしで観たとしても、字幕がまだ読めないお子さんが見たとしても、この演出がまた…心に深く染み入ってくるかと。
ボロボロと溢れる涙をこらえずに、箱ごとティッシュをご用意してお楽しみください。
【HACHI 約束の犬】を見て壊れる人達
いやいやいや。箱ごとティッシュて。REONって話盛るよねー。
…そんなことはない。見よ、この海外の反応を。
どれくらい号泣してしまう作品なのかがよくわかる、海外の方々の反応っぷりをどうぞ。
「全米が泣いた」とはまさにこのことです(笑)
テッシュばんばん使って大号泣↓
友達みんなで見てても泣き崩れる少年↓
見終わって『ハチがぁぁぁー(ToT)』と大号泣の女の子たち↓
いやまだそれ予告だよ?それでも泣いちゃうワンコの飼い主さん↓
日本で映画化された《ハチ公物語》
ねぇ、リメイク版はみんなぶっ壊れたように泣いてるけど、元の映画はどうなのよ?
あぁ、こっちもいちおう泣いちゃう感動作だ。
いちおうって何。奥歯ものが挟まったような言い方は。
…というと、細かな違いがあるがゆえ、観る方によっては感想が異なるかと思います。
- 《ハチ公物語》では、教授はわざわざ知人経由で仔犬を譲ってもらう(←ハチとの出逢いを熱望)
- 教授の死後、ハチ公は引き取られた親族に邪険に扱われる(←感動よりも腹立ちが勝る)
- 実はハチの飼い主・教授役の仲代達矢さんがあまり犬好きではない
- ハチとの交流・愛情の深さ…からの別れという号泣の展開は、真の犬好きリチャード・ギア演じる教授に軍配
おそらくはリメイク版のほうが泣く率は高いかもしれません。
あ、でも私はどっちも号泣して鼻かみすぎてヒリヒリになったので、どっちもおすすめですけどね。
【HACHI 約束の犬】まとめ
初めての出逢いから、互いにずっと深めてきた犬と飼い主との愛情と絆。
胸を打つ忠犬ハチの行動に、周囲の誰もが見守る優しい世界が広がっていきます。
- 舞台をアメリカに変え、ハリウッドでリメイクされた忠犬ハチ公の物語
- 教授とハチの交流だけでなく、周りの誰もが温かい世界
- 大好きな飼い主が亡くなってなお、駅で待ち続けるハチの姿が切なく愛おしい
一緒にいることが何よりの幸せ。
この作品は、教授目線・人の目線だけでなく、ハチの目線で人々を捉えた演出にもなっています。
おかげでより一層ハチの想いが深く強く印象に残り、今思い返しても泣けてきます。
誰かを想い誰かを慈しむ愛情に、人と犬という違いはありません。
ハチ公の実話をそのまま映画化したわけではありませんが、本当に心を通わせあった物語は真実。
舞台を大きくアメリカに置き換えたリメイク映画【HACHI 約束の犬】は、優しさと切なさに胸打つ感動作 でした。
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