人喰い熊に家族を殺され、ひとり生き残った若い娘。
熊狩りの山村に生まれ、マタギの射手として生きる青年。
幼馴染みである2人を中心に、開拓集落を襲う巨大な人喰い熊との死闘が始まります。
千葉真一氏の監督第1作目、真田広之主演のアクション映画【リメインズ 美しき勇者たち】の世界へとご案内いたします。
この記事で分かること
- 映画【リメインズ 美しき勇者たち】あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・DVDブルーレイ情報
【リメインズ 美しき勇者たち】あの獣害事件がモチーフ
最近クマ出没!ってニュースよく聞くよね。
…野生熊が住宅街にとか、マジで恐怖しかないんだけど。
映画【リメインズ 美しき勇者たち】は、人間が熊に襲われ喰われてしまう、かなり衝撃的なアクションスリラー。
「勇者」と書いて「つわもの」と読む、中二病的タイトルがたまりません(笑)
そんな萌え心も一気に冷める、日本史上最悪の獣害事件がモチーフ。
1915年12月、北海道苫前町で発生した「三毛別羆事件」という実話から創作したフィクション です。
- 千葉真一率いるJAC(ジャパンアクションクラブ)創立20周年記念作
- 千葉氏は深作欣二氏に監督を依頼
- …したが「20周年なら自分で演出しちゃいなよ」
- というわけで千葉真一氏が監督を、深作欣二氏は企画監修として参加
- 広大な自然の美しさ・アクションスタントの融合が見どころ
まずJACメンバーが主要キャストなので、アクションは超本格的。
主演の真田広之氏は音楽監督も兼任し、なんとエンディング曲の作詞作曲も行なっています。
そのエンディング曲を歌うのは、W主演の新人女優・村松美香さん。
彼女の体当たり演技は高く評価され、第14回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しています。
見応えは充分、評価もまぁまぁです↓
- Filmarks : 2.9/5
- Amazon prime video : 4.0/5
- Yahoo : 3.0/5
土地訛り、いわゆる方言を使ったセリフ回しとなっており、若干何言ってるのか聞き取れないシーンもあったりします。
それでも話のスジは一貫しており、端的に言うと王道の復讐劇。
マタギによる熊狩りの厳しさや、野生熊の恐ろしさに身震いする映画 が【リメインズ 美しき勇者たち】です。
映画【リメインズ 美しき勇者たち】基本情報
リメインズ 美しき勇者たち | 1990年 日本映画 |
ジャンル | アクション・スリラー・実話モチーフ |
監督 | 千葉真一 |
企画監修 | 深作欣二 |
上映時間 | 107分 |
出演 | 真田広之、村松美香、菅原文太ほか |
動画配信サービス | Amazonプライムビデオ(レンタル作品) |
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【リメインズ 美しき勇者たち】人喰い熊とマタギ衆
物語の舞台は、大正末期の北国の山村。
ある晩スヤスヤと眠る夫婦の家に、巨大な黒い影が迫っておりました。
- 物音で目が覚めた妻は、馬が外に逃げるのを目撃
- 妻「あんたぁ。馬っこが逃げだぁー!」
- 夫「……うん?馬っこは逃げねえべ」
- と寝ぼけていると、夫の頭部に強烈な痛みが
- なんと大きな熊が木戸を破り、夫の頭を爪でザックリ
- 夫は即死・縋り付く妻も犠牲に
うっわ…。腕一振りで、人頭がザクロ。
…もう早速、衝撃の展開かよ。
身長約3m、体重およそ400kg。
巨大な野生熊の襲撃に遭った妻の叫びが周囲に轟き、村ではクマ出没を知らせる半鐘が鳴り響きます。
- 翌朝、村の男衆が様子を見に夫婦の家へ
- 相当グロかったのか、現場は見ちゃならねぇ大惨事
- さらにショックなことに、クマが妻を連れ去ったらしい
- 男衆は散策に出かけるも、女物の着物が巻きついた腕を喰らうクマ発見!
- 驚いて思わず猟銃を発射。クマが逆ギレして追ってきた
クマってのっそり見えるけど。
…むちゃくちゃ俊敏に追ってくるんだな。
あっという間にクマに迫られ、テンパって足がもつれて逃げ遅れる男衆たち。
…とそこへ別の銃声が鳴り響き、よその集落からやって来たマタギ5人衆が現れます。
- マタギ衆の長・嘉助曰く「あらぁアカマダラだぁ」
- アカマダラは、おなごしか喰わぬ人喰いクマ
- 実は嘉助の集落でも1人がアカマダラに喰われた過去が
- 彼らはヤツを追ってこの村に辿り着いた
- 村の男衆は、マタギ衆に退治を任せることに
マタギってなに。
…クマや鹿、猿や兎なんかを狩る、狩猟が生業の専門家だ。
狩猟と言ってもただ猟銃ぶっ放すだけでなく、マタギには古くから伝わる独特の狩猟形態がいくつか存在します。
たとえば集団でクマを包囲し、声を出しながら仕留める「巻狩り」
たとえば単独or少人数で、足跡などの痕跡を追って一気に攻める「シノビ猟」
さらには穴内で冬籠り中のクマを狙い、不意をつく「穴熊猟」などなど。
ただしマタギ衆の熟練技を持ってしても、野生熊を相手にするのはそう簡単ではありません。
- 目の前のアカマダラがマッハで逃亡。その場で仕留めること叶わず
- 村の男衆は、襲われた妻の遺体を回収して埋葬
- マタギ衆はそのまま雪山をひたすら進み、アカマダラの捜索へ
- しばらく歩いた山間で、長の嘉助が1頭のクマを発見
- 巻狩り方式でクマを追い詰め、射手の鋭二が銃口を向けた
- …ら、横からワンコと単身マタギが現れ、先にトドメを刺しやがった
ワンコと一緒にクマ狩り!?
…単身のマタギが連れ歩くワンコを、マタギ犬と呼ぶそうだ。
集団行動のマタギ衆がワンコを連れ歩くと、クマに吠えついて逆に危険を招いてしまいます。
…が、単身マタギにとっては匂いを辿り、威嚇もしてくれる良き相棒。
まさに今、ワンコが吠えて飛びついて威嚇したからこそ、怯んだクマの討伐に成功したのです。
しかし仕留めたクマはアカマダラではなく、別の個体であることが判明します。
さらに犬連れのマタギの正体は、長らく行方不明となっていた鋭二の幼馴染みの少女・ユキでした。
アカマダラの脅威と討伐の行方
男のような身なりと立派な腕前で、鋭二たちマタギ衆の前に現れたユキ。
彼女がなぜ単身で、マタギもどきの活動をしているのか。
その理由は今から1年前、彼らの住む集落での出来事へと遡ります。
- 鋭二たちマタギ衆やユキの住む集落の名は「鷹の爪」
- 山仕事や狩猟を生業とし、若い娘は奉公や工場の出稼ぎに
- ユキも数年前から別の集落の庄屋奉公へ
- ところが庄屋のドラ息子と喧嘩して、奉公があける前に帰ってきちゃった
母っちゃんと弟はユキの帰りを喜んでるのに。
…お父っつあんだけが激オコだな。
山仕事や狩りで生計を立てるこの集落では、若い娘が手伝えることなどありません。
みな他所で働いて仕送りをするか、マタギの妻となって支えるか。
そんな慣わしがありました。
- ユキは幼い頃から正義感が強く男勝り
- そこいらの男衆に負けないくらい、身体も丈夫で気概もある
- 山仕事でも何でもするから実家に置いて欲しいと懇願
- ところがお父っつあんは、奉公に戻らぬなら家を出て行け!と
ユキの頑固なところは、お父っつあん似だね。
…たしかに売り言葉に買い言葉で、家出てっちゃったもんな。
ユキの家のイザコザを、多分こうなるだろうと思っていた鋭二。
彼は家に来いとユキを連れ帰り、母親と2人でユキを慰め優しく諭します。
しかしユキが気を持ち直した直後、村でとんでもない大惨事が起こってしまうのです。
- 「鷹の爪」の集落に巨大なクマが出没
- 逃げ惑う住民を押しのけて、ユキは急いで家へ
- ところが家の戸は大きく壊れ、クマに襲われた形跡が
- 土間上がりには、頭をかち割られ息絶えたお父っつあんが
- 幼い弟は囲炉裏の奥で血塗れに
- そして母っちゃんの姿はどこにもなく
も、もしや!?
…あぁ。アカマダラの仕業だ。
自分が家を出たから襲われたんだ。
自分が家にいれば、みんなを助けられたのに。
ユキは家族の中でただ一人、アカマダラの襲撃を逃れて生き残ってしまったのです。
- その後、鋭二たちマタギ衆がユキの母親の捜索に
- 見つかったのは髪ひと房と指先1本のみ
- 打ちひしがれたユキは自分もマタギに入れてくれ、と
- しかし女性は入山禁止というマタギの掟がある
- 山神様がひどい醜女で、女人が入山すると狩りの失敗と災いが起こるから
仕方ないよね。男でもクマ狩りは死と隣合わせだし。
…でもユキは、諦めが悪いんだよ。
ユキの家族の葬儀の翌朝。
マタギ衆の長・嘉助は、鋭二ら若いマタギを連れてアカマダラ討伐に出立します。
ところが彼らの後をコッソリと、愛犬ベルと共について来るユキの姿が。
長の嘉助の指示により、鋭二がユキを追い返したら、泣き喚いたあと行方不明になっていたのでした。
- マタギ衆は旅の道中、犬を連れた独り身のマタギの噂を聞いた
- そんな話の直後、立ち寄ったよろず屋にアカマダラが
- よろず屋の女房が連れ去られ、また髪ひと房の姿に
- マタギ衆はアカマダラを追い、次の村でヤツを目撃
あ!冒頭シーンの村!
…実はこの村に、アカマダラが何度も出没してるんだ。
1年前。ユキの母親を喰い尽くし、その数ヶ月後によろず屋の女房も喰い尽くしたアカマダラ。
さらにそのあと、この村で夫婦の寝込みを襲い、喰いかけのままマタギ衆に追われて逃亡。
村の男衆の話によると、ヤツは埋葬された妻の遺体を掘り返し、完食していったと言うのです。
村では次の犠牲者を生まないため、女性と子供を遠くの集落に避難させることに。
しかしアカマダラは墓を掘り返しただけでは物足りず、女物の着物がある家を再び襲います。
マタギの長・嘉助は、ここで一気にカタをつけることを決意。
マタギ5人衆をチリジリに配置し、それぞれが単身でアカマダラを待ち受け討伐するという、リスキーな作戦を展開することにしたのです。
1年前から一人でアカマダラを追い、この村で鋭二たちと再会したユキ。
彼女はこの話を盗み聞きしただけでなく、勝手に鋭二と合流します。
それは女物の着物などではなく本物の女人、自分をオトリに誘き寄せるため。
思惑通りにアカマダラが出現し、ユキと鋭二の2人が対峙することに… というのが大まかなあらすじになります。
【リメインズ 美しき勇者たち】熊に立ち向かう登場人物たち
クマが喰うために人を襲うことは、ごくごく稀。
そんな人喰い熊の脅威に晒され、立ち向かった登場人物たちをご紹介いたしましょう。
鋭二は、「鷹の爪」集落のマタギ衆の青年。
射手という狩猟のトドメを刺す役割を担っており、長である嘉助からの信頼も厚い人物です。
幼い頃からユキとよく遊んでおり、互いに密かな想いを寄せ合う仲。
鋭二を演じた真田広之氏は、当時30歳。今も昔もイケメンっぷりが半端ありません。
ユキは、「鷹の爪」集落出身で鋭二の幼馴染み。
家族がアカマダラの犠牲となり、勝ち気な性格も相まって復讐に燃える人物です。
大正時代といえば、西洋文化が融合した浪漫ファッションも流行った頃。
都会ではモボ・モガなるお洒落さんが登場し、髪を短くする女性も出始めた頃です。
…が、地方の女子が髪を短くするのはまだまだ珍しいこと。
家族の仇を討つために、男装してマタギとなるユキからは、相当な復讐心が伺えます。
ただし、終盤でアマゾネスみたいな格好もするので、ちょっとイジり甲斐があるキャラでもあります。
ベルは、ユキの家で飼っているワンコ。
大正時代の設定にシベリアンハスキーが登場するのは、いささか疑問ではありますが、可愛いのでヨシ!(笑)
ユキが鋭二に追い返されて泣き喚くシーンでは、「どうしよう、ユキちゃん大丈夫?」ってな感じで、一緒に狼狽えているので、是非この子にもご注目を。
むちゃくちゃ演技派、賢くて勇気があって素敵なワンコくんです。
嘉助は、「鷹の爪」集落のマタギの長。
額にキズがあり、マタギの熊狩りがいかに危険かをも物語る渋い人物です。
一人娘の婿に鋭二を迎え、ゆくゆくは長の座を譲る気満々。
…でしたが、鋭二とユキの想いを察知し、別のマタギの若い衆を婿に迎えることに。
方言だらけの今作ですが、嘉助演じた菅原文太氏のセリフだけは、なぜか聞き取りやすく感じます。
サブは、「鷹の爪」集落のマタギ衆の青年。
祖父もマタギだったらしく、少し気弱ながらも芯の強い人物です。
嘉助の娘の婿になる予定があり、最終局面では怖いと思いながらもアカマダラ討伐に挑みます。
次郎は、「鷹の爪」集落のマタギ衆の青年。
目立った出番がないので印象薄ですが、マタギとして任務はしっかりこなす人物のようです。
伍平は、「鷹の爪」集落のマタギの青年。
ほんとに出番が少なくて、ちょっと誰だか分からんほど存在感がない人物です。
よろず屋は、米や味噌などを扱う商店の主人。
嘉助らマタギ衆が立ち寄ったあと、アカマダラに妻を喰われて喪失感に苛まれる人物です。
髪ひと房しか残らなかった妻の亡骸に縋る主人の姿は、ひどく印象に残るかと。
よろず屋役の蟹江敬三氏の演技は、ちょっと号泣モノです。
県会議員は、「鷹の爪」集落を含む北国の県を統括するお役人。
銅山開発の責任者で、かなり上から目線の嫌な人物です。
彼のような役人が国の発展と利便を追求し、自然破壊を促進したからクマが人里へ。
アカマダラが食料を求め、女性の味を占めてしまった経緯を示す伏線的存在でもあります。
…と、この他に、鋭二の母キヨ(南田洋子)、ユキの母マツ(奈美悦子)、アカマダラに襲撃される集落や村の住民たちが登場。
喰われるのは女性ばかりですが、男性犠牲者ももちろんいます。
動物園のクマさんはモフモフだし、キャラクターのプーさんやリラックマはむっちゃ可愛いですよね。
でも野生の本能というのは、いとも簡単に人の命を奪う脅威であることを思い知らされる作品 となっております。
【リメインズ 美しき勇者たち】感想まとめ
熊が人里を襲い、しかも人を喰った。
…という衝撃展開に恐怖を感じ、実話に基づくと聞いてさらに驚愕してしまいます。
- 時は大正、北国の開拓集落に人喰い熊が現れた
- アカマダラと呼ぶその熊は、女性のみを捕食
- 熊狩りを生業とするマタギの村でも犠牲者が
- 家族を殺された少女は復讐を誓い、ヤツを捜索
- 討伐に向かったマタギ衆も、アカマダラと対峙することに
今作は、壮大な自然と野生動物、その中で息づく人々の暮らしぶりがひどく生々しく描かれています。
遠景ショットを多用したカメラワークが見事で、見惚れているうちに大惨事発生。
なかなかゴア描写もリアル、特にアカマダラの襲撃シーンは迫力があります。
…と言っても撮影は危険なので、一部シーンだけ本物のクマ、アカマダラは着ぐるみ仕様。
なんだ着ぐるみかー。興醒め…。
と、侮るなかれ。
動きがむちゃくちゃ俊敏で、着ぐるみアカマダラの中の人、絶対JACの方です(笑)
女性を咥えて逃走する姿は、鬼気迫るものがありました。
史実を忠実に描いた作品ではありませんが、実録的ではないからこその取っつき易さはあるのかな、と。
映画【リメインズ 美しき勇者たち】は、日本史上最悪の獣害事件を知るきっかけとなる傑作 でした。
真田広之主演、千葉真一氏も共演している懐かしの映画もどうぞ↓
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