洋画には、「ムカデ人間」シリーズや武器人間、兵器人間といった人体変形変態映画があります。
…が、実は邦画にも人間シリーズが。
同じ変態でもマッドでクレイジーなヘムタイではなく、人ではない怪人に変形変身しちゃったほうの変態人間。
特撮技術がウリの東宝が贈る『変身人間シリーズ』3作品をお届けします。
この記事でわかること
- 東宝の特撮技術が集結した昭和の怪人ホラー3作品
- ザックリあらすじ・予告動画・DVD情報
美女と液体人間 (1958)
映画【美女と液体人間】は、東宝『変身人間シリーズ』第1弾。
…もうタイトルからしてたまりません(笑)
が、お話はいたって深刻。
1954年に実際に起きた、遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」事故が原案に用いられています。
第五福竜丸事故とは、アメリカ・ビキニ環礁での水爆実験で飛散した死の灰を被った放射能汚染事故。
核の被害や後遺症に、警鐘を鳴らすかのような真面目なストーリーです。
映画【美女と液体人間】あらすじ
- ある雨の晩、日本橋兜町に不審な2人の男が
- ひとりは衣服だけ残して人体が消え、もうひとりは忽然とその場から居なくなった
- …という事件を追う警察庁の富永は、2人の身元を突き止めた
- 消えた男は麻薬に絡むチンピラ・去った男は富永の知人・政田と判明
- 政田は大学助教授で、人体が消える現象を解明中
- 「死の灰」を浴びて人体が液体状に…という第二竜神丸事故にヒントがあるらしい
- 『放射能を浴びると液体人間になる』仮説を立てるも、誰も信じず
- そんな中、隅田川から液体化した人間が上陸
- 政府が対策に乗り出し、政田の恋人にピンチが
放射能が人体もカエル(?)も液体化させ、さらに他を取り込んで道連れに。
液体人間が増殖というカオスな事態に、政府が一大駆除作戦を展開していきます。
人間が溶けて死に至るエグさや、唯一の救済策である火炎放射攻撃。
特撮技術を活かした演出が最大の見どころです。
地球破壊や人類の未来を危惧した社会派怪人ホラー作品。
電送人間 (1960)
【電送人間】は、東宝『変身人間シリーズ』第2弾。
超電導機械を悪用し、身体を転送させて完全犯罪を目論むというサスペンススリラーです。
今ならもっとVFXなどを駆使して華麗に描けそうですが、この時代ならではのいぶし銀的良さがあります。
映画【電送人間】あらすじ
- 麻薬密輸ブローカーの男が、多摩川園のお化け屋敷で刺殺された
- 事件を追う新聞記者・桐岡は、現場で奇妙な超電導スイッチを発見
- 学生時代の同期で、今は警部の小林とともに事件の裏を探ることに
- 重要参考人にアタリをつけるも、張り込み中に新たな刺殺事件が
- 犯人はまたもナゾの機械を残し、発光しながら逃走
- 前代未聞の完全犯罪・連続殺人事件へと発展していくことに
- 桐岡と小林は、被害者に共通点があり、14年前の事件と関与していると推測
- かつて陸軍研究所にいた仁木博士が、人体転送装置を完成させていた
- その機械を悪用し、電送人間となって復讐している者が
「人間を電気装置でテレポーテーション」という発想は、そこまで斬新ではありません。
が、特撮の神・円谷英二さんの細かなこだわり演出が見どころです。
実体を少しずつ電気処理し、電送後には横縞で通電。
バリバリ雑音が入るなど、ひと目で『電送』されていると分かる配慮がなされています。
さらに電送人間の登場は機械で送られ自由自在だけれど、逃げる時は窓から。
しかもターミネーターばりの走りっぷりという面白さもあります。
舞台となった遊園地も1925年〜1979年まで田園調布に実在した多摩川園だったり、東京・軽井沢の昔の街並みが拝めたり、映像がノスタルジックです。
ストーリーは戦争後の日本という時代が反映され、なかなかスリリングな犯罪サスペンス作品。
ガス人間㐧一号 (1960)
【ガス人間㐧一号】は、東宝『変身人間シリーズ』第3弾。
液体化・電気信号化に続いて、気体化した変身びっくり人間が登場します。
変身人間シリーズの中では最も評価が高く、なんとアメリカで大絶賛された1作。
日本舞踊という東洋オリエンタル要素と、悲恋の感動物語が大ウケしました。
実はフランケンシュタインとコラボした続編企画も。
残念ながら、映像化は実現しませんでした。
が、この作品をキッカケに東宝特撮・怪獣映画が、初の日米合作映画製作にも繋がった裏話があります。
映画【ガス人間㐧一号】あらすじ
- 東京・吉祥寺で銀行強盗が発生。犯人は車で逃走
- …するも、犯人の車が五日市街道の崖から転落する事故が
- ところが犯人の姿は見当たらず、警視庁・岡本警部補が付近を捜索することに
- 岡本警部補は、没落した日本舞踊の屋敷に迷い込み、美人の家元・藤千代と遭遇
- 結局、犯人の足取りは掴めず、再びこの付近で銀行強盗が
- ただし今度は密室&警備員の不可解な死という展開に
- さらに3度目の銀行強盗事件が発生。ようやく犯人を検挙
- しかし犯人は金の在り処を吐かず、藤千代の関与も疑われた
- 実は犯人は人体実験でガス化能力を授かり、藤千代に貢いでいた
没落し、お披露目されることのない藤千代の見事な舞いが、世間の脚光を浴びますように。
ガス人間という、奇妙な能力を持った男の一途な愛が、犯罪という蛮行に向いてしまいます。
見どころは、藤千代を演じた八千草薫さんのとんでもないお美しさ。
これだけでも一見の価値があります。
ストーリーは少し哀しい男女の愛、華やかだけれど影のある日舞の世界。
そこにに円谷英二さんの特撮効果があわさった、深みのある優雅なサスペンス作品です。
…ということで、東宝映画『変身人間シリーズ』3作品をお届けしました。
今観ると、「それ怪人!?」「え、特撮ちゃちい!」と思わなくもないですが(笑)
そこら辺は1960年ごろの作品と考慮すると、かえって凄いと思えるかと。
あの時代の特撮はこうだったのか、と温かい眼差しでお楽しみください。
味わい深い特撮映画に触れるキッカケになれば、恐悦至極にございます。
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