人間としての感情や痛みが欠如した、美しき殺戮者。
脳男と呼ばれる謎の青年は、並外れた知能と鍛え抜かれた肉体を使って己の正義を貫きます。
想像以上のグロさあり、ド派手な爆破シーン満載のバイオレンスミステリー映画【脳男】の世界へとご案内いたします。
この記事で分かること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・DVDブルーレイ情報
【脳男】猟奇的なバイオレンスミステリー
斗真くんの筋肉がエロい!
…だけじゃなく、綺麗な顔立ちにも目がいくよね。
映画【脳男】は、出演キャストがかなり豪華・演出はド派手・冒頭からグロありと、見どころ盛り沢山のバイオレンスミステリー。
感情を持たない青年が、犯罪者を抹殺するというダークヒーロー的なお話です。
- 原作は、日本の推理小説家・首藤瓜於氏の『脳男』
- 第46回江戸川乱歩賞受賞作を、生田斗真主演で映像化
- 緻密さよりも、勢いのあるトリッキーさが見どころ
- 想像以上にバンバン人が死ぬので、グロ閲覧注意
主演の生田斗真氏は、この作品のために自分を追い込んで役作りに励んだんだとか。
見事な肉体美は日々の鍛錬で、感情を持たない人間の無表情さは徹底してボッチで過ごして会得。
そのストイックさにはプロ根性を感じるんですが、今作はイマイチつまらないという悪評が。
ストーリーに捻りが足りない・厨二っぽい・演技が暑苦しい・全体的にビミョウ…という意見がチラホラあるんですよね。
ただ、総じて評価が低いわけではなく、決してつまらない作品というわけではありません。
- Filmarks : 3.3/5
- Amazon prime video : 3.5/5
- Yahoo : 3.5/5
なかなか悪趣味な展開が多いけれど、きちんと本格ミステリーになっているあたりに面白さがあります。
脳男と呼ばれる謎の青年とサイコキラーの攻防、彼に関わる精神鑑定医、執拗に追う刑事。
善意と悪意、それぞれが抱く正義のあり方を描いた映画 が【脳男】です。
映画【脳男】基本情報
脳男 | 2013年 日本映画 |
ジャンル | バイオレンス・サスペンス・ミステリー |
監督 | 瀧本智行 |
脚本 | 真辺克彦、成島出 |
原作 | 首藤瓜於『脳男』 |
上映時間 | 125分 |
出演 | 生田斗真、松雪泰子、二階堂ふみ他 |
動画配信サービス | Amazonプライムビデオ(prime対象) |
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【脳男】爆破事件と謎の青年
物語の始まりは、東京都近郊にある大病院の様子から。
ここで働く鷲尾真梨子は、犯罪者と被害者の精神交流を研究している精神科医です。
- 犯罪者とその被害者を対面させれば、互いの精神に良い異変が起きる
- …という研究発表をするも、他の医師の賛同を得られず
- 研究は空振り。仕事も終わったので帰宅することに
- ところが駅前のバス停でバスに乗り遅れ
- …たら、直後にそのバスが爆発炎上
うぉー。乗り遅れなかったら…。
鷲尾先生も巻き込まれてたな。
下校途中の小学生、仕事帰りのサラリーマン。
程よく混み合った夕刻のバスは、あっという間に真っ赤な炎と真っ黒い煙に包まれ、その場に停車。
すると中から黒焦げの少年ひとりが姿をあらわし、鷲尾先生が大慌てで救助することに。
すぐさま警察や消防も駆けつけ、懸命な救助活動が行われるも、最悪の結果を招いてしまいます。
なんと鷲尾先生が救助した少年をはじめ、バスの乗客全員が死亡という大惨事になってしまったのです。
- 実はここ最近、無差別連続爆破事件が続発中
- 犯人は不明。ただ今回の爆発事件では手掛かりが
- バス大爆発の起因は、舌を切られ全身に爆弾を巻きつけられた女性乗客
- 爆弾は手作りで、使われている針金の切断面に特徴が
爆弾の残骸から犯人特定できるの?
…使われていた工具がちょっと珍しくてな。
爆弾の作りこそ簡素なものの、作る過程で使った工具が特殊な炭化タングステンであることが判明します。
タングステンとは非常に重く硬い銀灰色の金属で、希少金属のひとつと言われるもの。
その化合物である炭化タングステンは、高硬度という特徴から研磨剤や切削工具などに用いられています。
ただ、炭化タングステンの工具はホームセンターなどに売ってるわけではなく、受注販売品。
連続爆破事件が起こったこの界隈では、注文した客が少ないことも明らかになったのです。
- 事件担当の刑事・茶屋と相棒の広野は、購入者リストを入手
- 片っ端から捜査していき、とある廃工場に辿り着いた
- …ら、中から女性の声と銃声と爆発も発生
- 広野刑事は爆風で吹っ飛ばされ、茶屋刑事が内部に踏み込むことに
工場裏手から車の発進音がっ!
…あぁ、でも廃工場には男が1人残ってた。
爆発の影響により、あちこちから火の手が上がっている廃工場内部。
そこで茶屋刑事が見たものは、ただ立ち尽くす1人の青年と、切断された誰かの舌の肉塊でした。
- 警察は元々、複数犯の犯行と読んでいた
- 仲間割れして女性が逃亡、青年が取り残されたのでは
- …ということで、青年を犯人のうちの1人と断定して逮捕
- ところがこの青年、「鈴木一郎」と名乗った以外は完全黙秘
身元は一切分からないんだ。
…ひとまず檻付きの小部屋にぶち込んで、勾留することになった。
端正な顔立ちで身なりもよく、物静かな青年・鈴木一郎。
彼は表情ひとつ変えず、どんな質問をされても名前しか語りません。
- ところがある時、他の房に勾留されていた中年男性をいきなり襲撃
- …しただけでなく、左目の眼球までほじくりかえした
- 鈴木一郎の行動が理解できない茶屋刑事は、精神鑑定を依頼することに
- 鑑定医は、バス大爆発事件に居合わせた精神科医・鷲尾先生
ひと様の目ん玉グチャグチャにしたわりには…。
…大人しく病院まで移送されていったな。
勾留先での大騒動とは打って変わって、特に抵抗する様子もない鈴木一郎。
彼は病院内の扉が開くわずかな瞬間に、病院の見取り図をただ眺めるだけでした。
何を感じ、何を思い、何が彼を突き動かしているのか。
精神鑑定を依頼された鷲尾先生は、その答えを少しずつ導き出すことになりました。
美しき殺戮者と連続殺人犯
自分も居合わせた、あのバス大爆発事件の重要参考人。
茶屋刑事から鈴木一郎を引き渡された鷲尾先生は、感情に流されることなく彼の診察を始めます。
- 茶屋刑事の話によると、逮捕時に爆破の破片が刺さっていた
- …にも関わらず、痛みを感じていなかったらしい
- 興味を持った鷲尾先生は、あれやこれや鈴木一郎を検査
- まずは身体測定。脱いでもらったら鍛え抜かれた筋肉が
- 脳波検査では特に何も異常はなく
- ただ一問一答式の対話では、受け答えに違和感が
勾留先では名前しか答えなかったのにー。
…別に鷲尾先生が超絶美人だから協力的なわけじゃないぞ。
多くを語らないのなら、「はい」か「いいえ」で答えてもらえばいい。
長く精神科医を勤めてきた鷲尾先生は、必ず答えなければならない方法で彼を質問攻めにしていきます。
- 一問一答式で分かることは、質問に対する患者の反応
- 敵意をむき出しにする者・的外れな愛情を寄せてくる者・無関心を装う者の3つのパターンに分類できる
- …はずが、鈴木一郎はどれにも当てはまらない
- さらに血液検査では、エンドルフィンの血中濃度が異様に高い
エンドルフィンが濃いと問題でも?
…痛みを感じない原因になるらしい。
エンドルフィンとは、脳内麻薬ともいわれる神経伝達物質。
それが体内で多く作り出されると、痛みを脳に伝える神経の活動を抑制してしまうのです。
これはケシから作られる鎮痛剤、モルヒネと同様の作用。
つまり鈴木一郎は、体内でヤバめの痛み止めをドバドバ生成、ゆえに痛みを感じない「無痛症」だったことがわかりました。
- その後の診察で、鷲尾先生は鈴木一郎の肩に安全ピンをプスり
- 確かに彼は痛がる様子もなく、完全に無表情
- 無表情なのは、感情を表に出す術を知らない感情表出障害?
- …ではなく、生まれつき欠落した感情を後天的に学習したっぽい
生まれつき感情がない人間なんているの?
…そういった症例の論文が見つかったんだ。
『神経伝達物質分泌異常による無感覚および失感情症に類似した症例患者について』
1988年に発表されたこの論文に、鈴木一郎を分析するヒントがあるかもしれない。
そう感じた鷲尾先生は、論文を執筆した医師・藍沢次男の診療所を訪れます。
- まず論文の内容について、続けて鈴木一郎についても話してみた
- …ら、論文の被験者「入陶大威(いりす たけきみ)」が鈴木一郎であることが判明
- 藍沢医師は、かつてこの診療所で彼の面倒をみていた
- 彼は生まれつき感情がなく、両親をひき逃げ事故で亡くしてる
- その後は大富豪の祖父に引き取られ、あるとあらゆることを学んだらしい
じゃぁ鷲尾先生の見立ては正しかったんだ。
…あぁ。生まれつき感情がない彼を、藍沢医師は「脳男」と呼んでいたそうだ。
鈴木一郎=入陶大威=脳男。
少しずつ確実に、彼の正体に近付いていった鷲尾先生は、さらに驚きの素顔を知ってしまいます。
- 彼にはトイレも食事も指示されないと出来ない欠点があった
- ただ、意思も感情も欠落した代わりにケタ外れの頭脳が
- さらに1度見たら全てをインプットする瞬間記憶能力も
- 彼の才能を伸ばそうと、祖父が全面協力
- …していたが、殺人の仕方も仕込まれた
殺人の方法て(汗)
…祖父は正義感が強くてな。世にはびこる犯罪者を許せなかったようだ。
つまり入陶大威という少年は、鈴木一郎と名乗る青年となり、祖父の教えに従って犯罪者を密かに抹殺。
祖父宅に侵入した強盗を皮切りに、両親をひき殺した人物・強姦殺人のチンピラ・タチの悪いヤク売人など、すでに4件もの殺人実績がありました。
逮捕されるきっかけとなった廃工場にいたのも、無差別連続爆破事件の犯人を殺すためだったのです。
この事実は鷲尾先生から茶屋刑事にも伝わり、さらにめんどくさい人物にまで伝わってしまいます。
それは事件の真犯人、人を殺すことが生きている証だと思っているメンヘラなサイコキラー・緑川紀子。
世間を賑わす爆弾魔の正体はまだ若い女性であり、彼女はひどく鈴木一郎に執着するようになってしまいます。
その理由は、鈴木一郎が人を殺す宿命を背負わされた殺人マシーンだったから。
死が自分を生かす手段だという共通点を見出し、彼と殺人ごっこをしたいとまで思うようになっていきます。
そうして緑川は護送車を襲い、乗っていた鈴木一郎が逃亡。
警察の目をかいくぐった2人は病院を占拠し、殺人ごっこの決着をつけることに。
爆弾魔らしく、そりゃゴッソリと病院内に仕掛けた緑川。
類稀なる頭脳と身体能力で立ち向かう、脳男・鈴木一郎。
鷲尾先生や茶屋刑事、その他大勢が巻き込まれた2人の殺し合いは、壮絶な結末を迎えることに… というのが大まかなあらすじになります。
【脳男】美形揃いの登場人物たち
強い正義感と使命感を刷り込まれた脳男は、その真っ直ぐな眼差しが印象的。
そんな彼を取り巻く、美男美女の登場人物をご紹介いたしましょう。
鈴木一郎 (入陶大威)は、意思や感情が欠如した「脳男」と呼ばれる青年。
犯罪者を処刑することが彼の正義ですが、それは半ば強制されたようなもの。
鷲尾先生と出会ってほんの少し感情が芽生えますが、殺戮者として生きる道を歩みます。
常に無表情の鈴木一郎を演じた生田斗真氏は、そりゃもう恐ろしいほどの美しさ。
ラストに一瞬見せる表情がずっこいので、絶対お見逃しなく。
鷲尾真梨子は、愛宕医療センターの精神科医。
話し合えば必ず心は通じ合う…という、通称ナラティブセラピーが彼女の得意分野です。
異常犯罪者に弟を殺された過去があり、その犯人を1番大切な患者として真摯に向き合っています。
鈴木一郎に対しても真正面からぶつかる芯の強さがある反面、どこか脆い危うさも。
そんな鷲尾先生を、麗しの松雪泰子さんが熱演しています。
茶屋は、無差別連続爆破事件を担当しているベテラン刑事。
3年も組んでる若手刑事・広野をいつまでも新人呼ばわりし、人の話も半分しか聞かないという厄介なオッサンです。
さらに厄介なのは、くるくるパーマのお洒落じゃない邪魔なロン毛、いちいち大袈裟な発言の暑苦しさ。
広野と呼べよ、話聞けよ、っていうかお前髪を切れ!
…そう愚痴りたくなる茶屋刑事を、江口洋介氏がマジクソウザく熱演しています。
緑川紀子は、無差別連続爆破事件の主犯格。
非常に高い知能を持った、非常にめんどくさいメンヘラ気質のサイコキラー娘です。
ついでに非常にお金持ちのお嬢様でもあり、ニートでもあります。
両親は舌を切られて死んでおり、さらに彼女の周辺では何人もの人々が死亡。
幼い頃から殺人の快楽を覚えたようで、そんな緑川を二階堂ふみさんが熱演。
熱演どころか、終始ぶっ飛んだ凄味ある演技はちょっとトリハダものです。
水沢ゆりあは、無差別連続爆破事件に加担しているクレイジー娘。
何かデッカいことをやらかしたいけど、1人ではやらかせないヘタレです。
自分の野望を容易くこなす緑川紀子に心酔し、溺愛しています。
演じた太田莉菜さんは、目鼻立ちの整った美人ファッションモデルさん。
今作ではどぎついメイクでファンキーな水沢ゆりあを演じています。
志村昭文は、鷲尾先生が1番大切にしている患者。
幼い男児を拐って眉を剃り、殺し歩く異常犯罪者です。
鷲尾先生のおかげで社会復帰まで漕ぎ着けますが、彼が1番のワルかもしれません。
いるといないとではストーリーの印象が大きく変わる、キーパーソン的存在。
そんな志村昭文役に染谷将太氏を起用したことは、神に感謝するレベルで素晴らしい(←ここ重要w)
サイコパスだらけの中で、1番リアルで1番シリアスで1番ドス黒い染谷将太氏にぜひご注目を。
…と、この他に、若手刑事・広野や鷲尾先生の同僚医師、その他モロモロが登場。
感情を持たない脳男の異質さと、彼の周囲にいる人々の人間臭さの対比がよく出来ている作品 となっております。
【脳男】感想まとめ
痛みも感じず、一切の感情も持たないひとりの青年。
「脳男」と名付けられた彼には、彼なりの正義がありました。
- 東京都の郊外で乗客を乗せたバスが大爆発
- 無差別連続爆破事件として、警察はある謎の男を逮捕
- しかし彼は事件の犯人ではなく、犯人を処刑する殺戮者だった
切断された舌だのバスが景気よく爆発だの。
今作は、映画冒頭から勢いがあります。
…が、最初から最後まで爆発ドッカーん、血塗れグロで押し切った感も否めません。
それでもストーリー展開は予測不能で、なかなか凝った個性豊かなキャラクターは見応えがあります。
特に脳男の設定は、日本映画では稀かと思う斬新さ。
- 生まれつき感情がない
- けど天才的な頭脳の持ち主
- で、世の中にはびこる悪を冷酷に惨殺
ただのダークヒーローではなく、感情がないというところが大きなポイントになっています。
さてここで、一つ無性に気になる点が。
「生まれつき感情がない人間は本当にいるの?」
これを調べたところ、答えはYES
失感情症(アレキサイミア)という、自分の感情を認知できない障害が実際にあるんです。
ちょっと漫画チックなキャラ設定かと思いきや、ちゃんと練られたストーリーだったんですね。
まぁ原作は江戸川乱歩賞受賞作ですから。
面白くないわけがありません。
それにここまでド派手な演出と、残酷描写もドンと来い!な製作陣営の心意気は、充分評価に値するものかと思います。
映画【脳男】は、感情の有無を通して、人間の深層心理に眠る腹黒さが暴かれていくような作品 でした。
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