【キャビン】スリラー映画の概念を覆すあらすじは予想不可能

ホラー

ひと夏のバカンスを楽しむべく、古びた山小屋を訪れた5人の若者。

若さと勢いに任せて青春を謳歌する彼らは、まるで何かに導かれるように次々と…そう、本当に何かに導かれて惨劇に見舞われてしまいます。

未だかつて経験したことのない、怖さよりツッコミどころ満載のB級スリラー映画【キャビン】の世界へとご案内いたします。

 

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【キャビン】恐怖と緊張感がひしめく世界

たける
たける

よく怖い映画ってホラーとかスリラーとかサスペンスとかミステリーってジャンルあるじゃん。何が違うの?

REON
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あー…。えっと。

言われてみれば、どう違うのかあまり明確な区別がわかりません。それっぽく分けるとしたら、こんな感じでしょうか。

  • ホラー:恐怖 がジワジワ襲ってくる展開(伽倻子とかダミアンとか)
  • ミステリー: が謎を呼び、ナゾを解明していく展開(ホームズとか金田一くんとか)
  • スリラー:恐怖に重点を置き、緊張感も 張り詰めた展開(ゾンビとかジェイソンとか)
  • サスペンス:謎に重点を置き、緊張感も プラスした展開(火サス?)

なんだか曖昧な境界線しか引けないんですが、なんとなくそうかもね程度に思っていただけるとありがたや(笑)

明確に言えるのは、「ホラー・スリラー」と「ミステリー・サスペンス」で大きく2つに分類出来るかと。

恐怖か謎か。

そういうジャンル分けでいうと、今作【キャビン】は恐怖を描いた作品 です。緊張感もピリピリ張りつめているので、一応スリラー映画ということに。

ただし、期待通りの展開と、期待も予想もしない展開が待ち受けています。

不可思議な施設

まず物語は、とあるひとつの施設の様子から始まります。

白くツルツルしたリノリウムの床を行き来するのは、白衣を着た人物や技術者のような人物たち。

たける
たける

病院?

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いや、謎の組織の秘密基地だ。

ここではある大きな、とてつもなく大掛かりなプロジェクトが進行中。ハイテク機器を駆使し、それぞれ専門分野に分かれて日々業務を行なっています。

  • 恐怖体験の仕組みを作る開発班
  • 山小屋に仕掛けを施す技術班
  • 仕掛けを自在に操る電気班
  • 思考や行動を仕向ける薬品開発の化学班
  • 一通りのシナリオを管轄する管理班
  • …そして恐怖の元凶を支配する怪物班など
たける
たける

え。ここ、なにするところ?

REON
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…要はスリラー体験のヤラセ演出施設だな。

どうやらいろんな設備を整えて施設内から遠隔操作。古い山小屋を訪れる者に恐怖と戦慄の一夜を…というプロジェクトを遂行している模様。

しかもこの山小屋この施設に限らず、ベルリンや日本の京都など世界規模で同様の不穏な陰謀が。

一体何のためにどうやって?そして誰が戦慄体験を?

それをこれから見せられていくことになるんです。

組織的なモニタリング

何がしたいのか分からない施設の中央管理センターには、無数のモニターと無数のスイッチが完備されています。

ここでは今回のプロジェクトでスリラー被験者にロックオンされた5人の若者、彼らの様子をモニタリング。

そしてその目的は、よくあるパターンの惨劇に導き、血祭りにあげることです。

  • スリラー被験者は、バカンスを楽しむ予定の男性3人・女性2人の大学生
  • 人気者のイケメン・優等生男子・おちゃらけメンズ・お色気要員・真面目な生娘というメンツ
  • バカンスの行き先は「いとこの別荘」という名目の古びた山小屋
たける
たける

確かにこういうグループで人里離れた場所に行って、殺人鬼にやられちゃうって映画多いよねー。

REON
REON

あぁ。だが期待通りのギャーーって展開じゃありふれてるだろ。今作の見どころはそこじゃない。

よくありがちな犠牲者続出、誰か1人だけ生き残るというスリラーの定番を描きつつ、全ては謎の組織があの手この手で仕込んでる…。

この仕込みがまた…なかなかぶっ飛んでて展開予想不可能なんです。

 

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【キャビン】強いる者と強いられる者

物語の舞台は謎の施設から古びた山小屋へと移ります。

人里離れ、携帯の電波も通じないような山奥で、若さ弾ける5人の若者は文字通り弾けてバカンスを満喫。

これが別荘!?という傾いたあばら家だろうが、親の目も世間の目も届かない秘境はまさに彼らの天下です。

たける
たける

あー。よくあるパターンだ♪このあとの惨劇も知らずにキャッキャしてるよね。

REON
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そうそう。で、夜になると小屋で異変が起き始めるんだよな。

  • 山小屋の近くには湖が。そこで泳いではしゃぎまくる
  • 夜には小さな灯しかない山小屋で酒盛り
  • 突然床の隠し扉が開き、秘密の地下室が

もういかにも幽霊とか怨霊とかが出そうな、怪奇現象起こるよと言わんばかりのあばら家。

お約束的に見えない力によって勝手に秘密の地下室への道が…というと、床の隠し扉を開けたのは謎の組織の電気班です。ポチッとな、とスイッチひとつで怪奇現象もラクラク完了。

が、若者5人はそんなこととはつゆ知らず、まんまと組織の意図通り地下室に誘われていきます。

今回の怪物は…君に決めた!

若いがゆえの好奇心。絶対良くないことが起こりそうってわかっていながらどうしてコイツら地下室探検に行くんだろう…と、これまたこの手のスリラー映画でよくある展開になっていきます。

たける
たける

早速地下室に殺人鬼とか潜んでるんだ!

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…ではなく、どの怪物で戦慄を味わうかは彼らに選択権がある仕組みなんだよ。

どういうこと?というと、地下室にはいわくありげなアンティーク品が盛りだくさん。ただのガラクタとも言いますけどね。

みなそれぞれ思い思いに興味のある品を手にする…とこれまたありがちな流れに発展します。

そして最終的に全員が注目した品にまつわる怪物をセッティングして送り込むんです。

  • ほら貝ならば湖から人喰い半魚人
  • 人形仕掛けのオルゴールならば口裂けバレリーナの怪物
  • 年代物のドレスならばウエディング姿の幽霊
  • ボール状のルービックキューブならば刃物男
  • 日記ならば一家惨殺されたゾンビ
たける
たける

おぉ。これが怪物班が用意した今回の殺人鬼?

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そ。で、5人組がチョイスしたのは日記だ。

果たして今回の若者5人組はどの怪物をチョイスするのかな、というのは謎の組織側でも謎の部分。

中央管理センターでも職員全員がモニター画面に大注目…してるんですが、実は全員参加型の賭けで盛り上がっていました。

これから5人組はゾンビに惨殺されていくというのに、「今回どの怪物が選ばれるかな♪」とドル札かけて一喜一憂。

なんとも悪趣味な連中です。

仕掛けは様々、そして犠牲者が

そもそもなんのためにわざわざこんな惨殺劇を?という疑問を残したまま、さらに組織はあの手この手を繰り出して若者の死にゆく様をモニタリングしていきます。

  • 一通り地下室探索が終わった5人組は、それぞれ好きなように過ごし始めた
  • カップルが屋外でイチャつくというお決まりパターン開始
  • 外じゃ肌寒いわ…という彼女のために、気温調整
  • お色気ムードになるように、組織の化学班はフェロモンの霧を噴射
  • さらに盛り上がるよう、電気班は月の光が差し込むようにライトアップ
たける
たける

うぷぷ。何してんの、この組織(笑)

REON
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…しかもモニター見つめて「はよ脱げや」って呟いてるんだぜ。

お色気シーンを演出する必要がどこにある、とツッコミたくなる完全サポート体制。若者のイチャつきを覗き見したいから…ではなく「お客さんが喜ぶから」という理由だそうです。

ここで、「あぁ、なるほど。どっかの悪趣味の金持ちが道楽でスリラー演出の生中継を見たがっているって設定か」というと、その予想はしっかり裏切る展開になっていきます。

  • イチャイチャが盛り上がってきたところでゾンビ出没
  • 一糸まとわぬ姿の彼女がザックリ刺される
  • 彼氏は果敢にも反撃にうって出た
  • その甲斐なく、彼女は目の前で惨殺。第1の犠牲者に。
  • 彼氏も痛手を負い、小屋に逃げ帰ることに

この惨殺の様子もバッチリしっかりモニタリングしていた組織の面々。一応は人の心も持ち合わせており、殺された彼女の冥福を祈り、そしてなにかのレバースイッチに手をかけます。

たける
たける

おぅ…どうか安らかに。レバースイッチは供養のため?

REON
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いや、流れた鮮血を回収して、妖しい地下神殿へ捧げてた。

どうやらこんな惨殺をサポートするのは、どっかの金持ちの道楽のためではなく、何かの儀式のためだったようです。

誤算が全てを陥れる

神の気まぐれか悪魔の要望か。

第1の犠牲者が出たことで、物語は一気に加速して血みどろなスプラッター映画に発展します。

  • 何かに5人の生け贄を捧げる必要がある
  • 生け贄は「娼婦」「戦士」「賢者」「愚者」「処女」でなければならない
  • 第1の生け贄は「娼婦」から。あとは順不同で惨殺し、その血を捧げれば良い
  • 「処女」だけは清らかな存在なので、生死はその者の生きる力に委ねられる
たける
たける

なるほどね。ちゃんと生け贄捧げないと儀式が完了しないからモニタリングして操作してたんだ。

REON
REON

あぁ。でもここで組織側にとって思わぬ誤算が生じ始めるんだ。

  • 山小屋にゾンビが集結。襲撃を始めた
  • 若者たちは各部屋に引きこもることに
  • このとき電気班の活躍で部屋は施錠され、各自孤立
  • ビビりまくりのおちゃらけメンズが隠しカメラを発見

5人の中で、実は最も頭脳明晰なおちゃらけメンズ。しかし彼はいけないハーブ三昧のドラッガーでもあり、「愚者」という扱いになっています。

謎の組織側ではちょくちょく意識を操作する化学薬品をばらまくんですが、おちゃらけメンズはドラッガーであるがゆえに薬剤に耐性が。

たける
たける

バレちゃった?

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…慌ててゾンビに襲わせて惨殺するがな。

その後も着々とひとり、またひとりと命を落とし、残すは「処女」のみ。

ところが惨殺したはずのおちゃらけメンズは生き延びており、唯一の生存者「処女」とともにこの惨劇の真相を探り始めます。

やがて2人は山小屋の地底深くに設けられた組織本部の存在、たくさんの怪物が用意されていたこと、自分たちは操り人形のごとく弄ばれていたこと、その様子をモニタリングされていたことを知ります。

こうして謎の組織は「愚者」だと侮っていたおちゃらけメンズ、思いのほか勇敢な生娘「処女」の反撃を喰らい、地獄の猛者たちが解き放たれて狂喜乱舞。未曾有の大惨事へと発展し…というのが大まかなあらすじになります。

 

脚本構想に驚かされるホラーのようなスリラーのようなB級映画【キャビン】

うらぶる山荘、弾ける若者。そしてその様子をモニタリングする怪しい組織。

期待を裏切らないお決まりパターンの惨劇の全ては、綿密に仕組まれた恐怖でした。

予想と予測を手玉に取り、アッと驚く結末が待ち構える予告動画はこちら↓

映画『キャビン』予告編

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【キャビン】絶命と破滅の一途を辿る登場人物たち

今作【キャビン】の独特の世界観を作り上げるのは、ありふれた惨劇映画に不可欠な若者と、それを操る謎の組織。

やがて全てが繋がる2つの視点、B級映画らしいっちゃらしい惨劇の結末に向かって惨憺たる目に遭う登場人物たちをご紹介いたしましょう。

 

ディナ・ポーク(クリステン・コノリー)

ディナは密かに大学教授とお付き合いしていた女子大生。ただし、つい最近破局しました。

「失恋の痛手は旅行で癒す」という、よくあるパターンにはめ込むため、この失恋もおそらく組織に関わっている人物に仕組まれたかと。

聡明さと勇気も持ち合わせた主人公で、生け贄としては「処女」の立ち位置の人物です。

 

カート・ボーン(クリス・ヘムズワーズ)

カートは大学で人気者の定番といえばこれ、というアメフトの花形選手。加えてイケメンです。

第1の犠牲者になってしまった彼女の敵討ち、仲間を助けたいという勇気と度胸と責任感も持ち合わせています。

生け贄としては「戦士」の立ち位置の人物です。

 

ジュールズ・ローデン(アンナ・ハッチソン)

ジュールズはオシャレでちょっぴりミーハーな今どき女子大生。カートの彼女でもあります。

実は旅行前に髪をブロンドに染め変え、そのカラーリング剤に化学班が特殊薬品を混入。よりお色気ムンムンの色欲になるよう仕向けられていました。

なんとも恐ろしい組織力ですが、化学班の仕込みはぶっ飛びすぎて逆に笑いがこみ上げます。

おかげさまで生け贄としては「娼婦」に祀りあげられ、最初に逝かされる羽目に陥る人物です。

 

マーティ・ミカルスキ(フラン・クランツ)

マーティは危なっかしいハーブ好きの医学生。5人の中ではムードメーカー、ちょっと変わった天才でもあります。

彼の頭脳と偶然の出来事が重なり、5人のムードメーカーどころか未曾有の大惨事のムードもメーカーしちゃうあたりも今作の見どころ。

生け贄としてはドラッガーなので「愚者」の立ち位置の人物です。

 

ホールデン・マクレア(ジェシー・ウィリアムズ)

ホールデンは優等生かつスポーツマンの転入生。カートが一目置くほど優秀なアメフト選手で、なおかつ勉強好きなディナとも気が合う誠実な若者でもあります。

生け贄としては「賢者」の立ち位置ですが、その賢さは全く役に立っていない人物です。

 

ゲイリー・シッターソン(リチャード・ジェンキンス)

ゲイリー謎の組織のプロジェクトリーダー。モニタリング中にイチャつくカップルの様子を見て「はよ脱げや」と言っていたのはこのお方です。

どうやら怪物の中では半魚人が推しメンのようで、今回ゾンビの出番が決定した際にはかなりガッカリしていました(笑)

 

スティーヴ・ハドリー(ブラッドリー・ウィットフォード)

スティーヴ謎の組織のもう一人のプロジェクトリーダー。若者たちが次々と生け贄になっていくたびに神に祈りを捧げて供養する優しさもあります。

 

…と、この他に化学班リーダーの研究員や、こんなに種類いたんだという怪物も登場。組織本部の真の目的を明かす館長も最後にお目見えします。

本来ならば殺人鬼にビビったり、スプラッター演出にひえぇぇ〜…ってなるんでしょうが、そんな演出も「仕込まれたもの」という前提なので、怖さよりも斬新な視点が楽しめる作品 です。

 

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まとめ

仕掛ける者と仕掛けられた者。これまでの定石を覆す視点のホラーのようなスリラーのような恐怖映画が【キャビン】です。

  • 舞台は山奥の廃墟に近い山小屋
  • 5人の若者を襲う惨劇…は周到に仕組まれたヤラセ
  • ことごとく操られ、モニタリングされ、生け贄に
  • 計画的な惨劇は、小さな綻びから未曾有の事態に

観ている途中で「きっとここでこうなって…」という予想通りの展開と、予想を打ち崩す展開の織り交ぜ具合は見事だなと感じました。

さらに今作映画の締めくくりには、ストーリーとはまた別に予想の範囲を超えた展開も。

映画【キャビン】は、怖いというより視点の特異さ・意外性に面白さを感じる不思議なスリラー映画でした。

 

 

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