バックトゥザフューチャーといえばデロリアン。
デロリアンといえばバックトゥザフューチャー。
知名度抜群のあの車、実は実際に売られているクラシックカーなんです。
…ということで、REONさんの『デロリアンはあります!』をお届けします。
この記事で分かること
- 映画に出てくるあの車の略歴
- デロリアン創設者を題材にした映画予告・DVD情報
- デロリアン社のオリジナルグッズ情報
- ガチで乗りたい方は必見!ムック本情報
通称デロリアンという車
まず結論からズバっというと、デロリアンは走行可能な車として現存 します。
しかも映画のためにデザインされた車だったわけではないという事実が。
正式なモデル名称は『DMC-12』
実は「デロリアン」という呼び名は、この車を実際に製造・販売していた創業者の名前からきているんです。
創業者ジョン・ザッカー・デロリアン氏
通称「デロリアン」
DMC-12という車を作っちゃったのは、ジョン・ザッカー・デロリアン氏です。
…えっと、どちらさん?
というと、元ゼネラルモーターズの副社長さん。
理想の車を作りたい!
しかも自分の名前、付けちゃいたい!
こんな思い切った夢を追いかけるため。
なんとジョン氏はゼネラルモーターズ副社長の身分を捨て、辞職して車作りに乗り出します。
- デザインはイタリアの超有名工業デザイナーにお任せ
- 設計は有名スポーツカーメーカーにお任せ
- こだわりはメンテ要らずのステンレス外観
- 1970年半ばから製造に着手
- 初めてのお目見えは1981年
6年もの歳月をかけ、いろんな想いを込めて誕生したのがDMC-12という車。
しかもただ趣味で作ったわけではなく、売る気満々での製造です。
作ったからには売らねばならぬ。
ジョン氏は元々ゼネラルモーターズの副社長してただけあって、手腕を活かした販促戦略を打ち出します。
宣伝は大々的・前評判も上々。
事前予約が殺到し、渾身の一撃を込めたDMC-12の初年度の売り上げは絶好調でした。
…そう、初年度だけは。
DMC-12には致命的な欠点が
よくあるビジュアルとは一線を画したニューモデル・DMC-12。
ガルウィングのドア・ザラザラで光沢のない艶消しシルバーのこの車は、今見てもカッコ良さ抜群ですね。
当時も世の注目を一身に集め、にも関わらず販売開始直後から暗雲が立ちこめます。
なぜなら致命的な2つの大きな欠点があったから。
- ぶっちゃけ高い←1981年当時で、お値段1,600万円也。¥ちーん…
- いざ乗ってみると、走行性能が至って平凡
高いくせに、走りが大したことないんかい(笑)
これが致命傷になり、予約キャンセルが続出してしまいます。
…だって1,600万も出すんなら、もっと他のいい車買った方が良くね?
そんな購買層の本音もあって、翌年にはあっという間に経営不振に。
加えてさらなる不運、DMC-12に追い打ちをかける事態が起きてしまうのです。
ジョン社長、やらかしました
高いだけで普通の車。
そんなレッテルが貼られ、売り上げがどんどん低迷したDMC-12に、もうひとつスキャンダルが浮上してしまいます。
それは、創業者であるジョン氏の失態。
- なんとジョン社長は会社の資金を私的に流用
- さらにコカイン売買に関与し、逮捕された
…おぅ。社長、何しでかしやがった(笑)
おかげでますます経営不振・資金繰りに苦しみ、1982年にはあっという間に倒産。
ただしコカイン疑惑はのちに清廉潔白が証明され、ジョン氏は無罪になっています。
そんなジョン社長の波乱万丈の人生は、2005年に幕をおろしました。
彼の生涯をモチーフにした映画なんかもあったりするので、興味があればぜひどうぞ。
映画【ジョン・デロリアン】(2018)
ドラッグ密輸がバレたパイロットのジム。
情報提供者になることと引き換えに、FBIの告訴を取り下げてもらえることになりました。
生活環境も変え、新居の隣の豪邸に住むジョン・デロリアン氏と親しくなり、まるで気分はセレブそのもの。
しかし自分はあくまでドラッグに関与してきた過去があり、情報を提供しなければならない義務もあります。
ジムは本当のセレブ、ジョン氏と交流するうちに、羨望が嫉妬に。
そうしてジョン氏にコカインの濡れ衣を着せ、密告しようと画策するのです。
裁判が中心、ジョン・デロリアン氏がなぜコカイン疑惑で取っ捕まる羽目になったのかを描いたサスペンス作品。
監督 : ニック・ハム
出演 : リー・ペイス、ジェイソン・サダイキス、ジュディ・グリア他
上映時間 : 113分
DMC-12『デロリアン』としての再起
こうして一世一代の大勝負「自分の名前で理想の車を」という夢も希望も、残念な結果にしてしまったジョン・デロリアン氏。
しかし彼の魂・DMC-12の経歴は、ここで終わりではありません。
そう、あの超有名SF映画【バックトゥザフューチャー】への起用です。
巨匠スピルバーグ氏のおめがねに叶い、1985年DMC-12に新たな息吹が吹き込まれました。
ドクが改造し、マーティが過去へいくタイムマシン『デロリアン』 として生まれ変わり、再び注目を浴びることになったのです。
さらにデロリアン魂を世に繋ぎとめたのは、スピルバーグ氏の他にも。
- 実はジョン・デロリアン氏の創設した設備を丸ごと買い取った猛者が
- 英国人のスティーブ・ウィン氏が「デロリアン・モーターズ・カンパニー」として再起
- 当初はオリジナルDMC-12の修理・部品調達のみ行っていた
- 映画で「デロリアン」人気が再燃し、中古車販売やレプリカ製造の話も
なんとデロリアン、いまだに販売しています←マヂか
新生デロリアン・モーターズ・カンパニーの修理工場は、テキサス・フロリダ・ミッドウエスト・カリフォルニアなどに点在。
さらにアメリカ連邦政府の許可がおりれば、拠点であるヒューストンにて1982年スペックのDMC-12のレプリカ製造も視野に入ってるとか。
レプリカデロリアンの希望価格は約1,190万円という具体的な話も出ています。
まぁ、どのみち今も昔も高級車には変わりないんですけどね。
参考までに、アメリカでのデロリアン中古車販売ページはこちら↓
DMC公式グッズも
さて、実は本当にあったあの車『デロリアン』
メーカーオリジナルのグッズもちらほら販売しています。
アメリカのデロリアン社公式サイトでしか買えませんが、特に時計はシンプルでオシャレ。
その他にもウェアやキャップなどのオリジナル小物もあって、映画グッズとは違った味わいが。
デロリアンファンには希少なアイテムかと思います。
デロリアン・モーターズ・カンパニー公式サイト↓
本気で欲しい?なら要チェック
グッズも良いけど、「本気と書いてマジと読む」くらいデロリアン欲しいんだよね。
そんなあなたには、まず購入するにあたってのイロハを知ってから検討することをオススメします。
実は日本にもいらっしゃるデロリアンオーナーが監修した、ムック本が出ています。
モーターカタログっぽいファンブックではなく、ガチで購入を検討したい人向けのディープな1冊。
所有者になったらなったで必要な、メンテの極意も書かれた解体新書ですね。
マニアックな専門雑誌になるので、真のデロリアン好きも楽しめるかと。
実物も拝んでみたいならば、愛知県長久手市にあるトヨタ博物館にデロリアンが展示されています。
クルマの文化的資料も沢山あって、サイトを覗くだけでもワクワクしますよ。
参考までにどうぞ↓
…ということで、『デロリアンはあります!』情報をお届けしました。
ただ、あったからといって実際に購入して乗り回せるかというと、そう簡単なお話ではありませんが(笑)
あの車が本当にあるんだと知ってから映画を観ると、また感慨深く感じるかも。
雑学知識として、話のネタにでもしていただけたら恐悦至極にございます。
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