世界で約40カ国語に翻訳され、広く長きにわたって愛され続けているイギリスの児童文学「くまのパディントン」
マイケル・ボンド氏の生み出した愛らしいクマのキャラクターは、数多くの絵本やグッズ、ぬいぐるみでもおなじみです。
そんなモフモフキュートなくまのパディントンは2014年、実写映画になりました。
予想を裏切るかなりコメディなアドベンチャーファンタジー映画【パディントン】の世界へとご案内いたします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
【パディントン】モフモフキュートなクマの大冒険
動物がモチーフのキャラクターって、クマがダントツで多いよねー。
テディベアにプーさんにダッフィー、日本だったらリラックマとかくまモンとかいるな。
あとファーファ!
…ファーファ(笑)。そういや洗剤キャラにもクマがいましたね。
黄色にベージュにこげ茶に白。毛色もいろいろ個性もいろいろ、お気に入りのクマキャラがいる方も多いかと。
今作は、そんな中でもとりわけ個性的な赤い帽子に青いダッフルコートのジェントルマン…ならぬジェントルベア【パディントン】の物語。
ジーンと心に染み入るほんわかファミリー映画と侮るなかれ。片腹痛し、腹筋崩壊するほどの面白シーンも数々散りばめられた作品です。
映画【パディントン】基本情報
パディントン | 2014年 イギリス・フランス合作映画 |
ジャンル | ファンタジー・アドベンチャー |
監督 | ポール・キング |
脚本 | ポール・キング |
上映時間 | 95分 |
出演 | ベン・ウィショー(声)、ヒュー・ボネヴィル、ニコール・キッドマン他 |
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【パディントン】南米ペルーの新種クマ
物語は、とある探検家の記録映像から始まります。
映し出される前人未到のジャングルの奥深く、「暗黒の地ペルー」にやって来たのはイギリス地理学会に所属するモンゴメリー・クライドとその御一行様。
なんでペルーが「暗黒の地」なの?まさかモノクロ映像だからってことはないよね(笑)
そんなわけあるまい…と言いたいところだが、なぜ暗黒の地呼ばわりしているかは分からん。
- 今回ペルーに来た目的は、未開の地の調査と新種の動物の発見のため
- ジャングルの奥地で珍しいクマを発見。標本にして博物館に送るべく捕獲作戦展開
- ところが逆に別のクマから発見され、背後を取られて絶体絶命の大ピンチ
- …かと思いきや、「よう来たな、ウチ寄っていきやー」と言わんばかりに手招きされてお宅訪問
クマと言えば、見た目の可愛さとは裏腹に獰猛さも持ち合わせた生き物です。
が、モンゴメリーが出逢ったのは、果物好きな新種のクマ。人懐っこく温和で、好奇心旺盛なクマカップルだったんです。
このクマがパディントン?
…の叔父叔母にあたるクマだ。多分ペルーに生息するメガネクマって種類だろうな。
- モンゴメリーは色々クマ生活を見せてくれたお礼に、言葉やイギリスの流儀を教えてあげた
- 賢く好奇心旺盛なクマカップルは、特にマーマレードジャムに夢中。そのまま一気に飲み干した
- すっかり打ち解けてオスにはパスティーゾ、メスにはルーシーと名付けて仲良しに
- しばし共に生活するも、モンゴメリーは祖国に帰ることに
- いつかロンドンにおいで、と被っていた赤い帽子をプレゼント
こんな出逢いをきっかけに、パスティーゾ&ルーシーはせっせと人語や英国流の紳士な振る舞いを身に付けて、クマだけど人並みに文化的な生活を送るようになりました。
住処を失い、ロンドンへ
時は流れ、パスティーゾ&ルーシーは親クマを亡くした子クマを引き取り3人家族に。
いつか探検家の住むロンドンに行った際、人様に失礼がないようにと子グマにも人語と礼儀を繰り返し教え、仲睦まじく暮らしておりました。
ところがある日、そんな幸せなクマ生活も突如終わりを告げることに。
- ジャングルで大きな地震が発生
- 木の上に家を構えていたクマ一家は、急いで地下避難場所へ
- 逃げる途中、パスティーゾ叔父さんが倒木の犠牲に
- 家もパスティーゾも失ったルーシーは老クマホームで隠居することを決意
- 子クマはまだ隠居するには若過ぎるので、先のことも考えてロンドンへ旅立たせることに
- 人語が話せてもクマだけに、ペルーからロンドンへは貨物船で密航
ルーシー叔母さんは古ぼけたトランクいっぱいにマーマレードの瓶詰めを持たせ、パスティーゾ叔父さんの形見である赤い帽子を被せて子クマを送り出します。
「良い子にね」「お行儀良くね」「自分の住む家を見つけるのよ」
ちょっと感動的な旅立ちのシーンの余韻に浸る間もなく、子クマはこっそり隠れた貨物船内のボートの中で早速マーマレードを一杯引っ掛けることに。
なんかトランクの容量にそぐわない空き瓶の数なんだけど。
…二度見して数えたが、持ち込んだ瓶詰めは絶対15瓶だ。
ペルーからロンドンまでは長い長い航海です。次から次へと空腹をしのぐため、確かにマーマレードでも飲まなきゃやってられません。
だが、しかし。
どう見ても持ち込んだ瓶詰めと空き瓶の数が合わない上に、その辺に空き瓶を投げ捨てるという食い散らかしよう。
- 「お行儀よくね」の言いつけはどこ行った
- どっからこんなに瓶詰め出てくるんだよ
- …というツッコミを余所に、特に密航がバレることなく無事ロンドンに到着
しかし慣れない都会、初めての人混み。子クマは沢山の無情と不安に直面することになってしまいます。
【パディントン】真摯な紳士のロンドン生活
遠く離れた故郷ペルーを後にし、大冒険の旅の目的地ロンドンにたどり着いた子クマ。
港に着いたはいいけれど、密航者とバレては元も子もありません。
そこで彼は人目を避けて郵便貨物袋に忍び込み、さらにロンドン・パディントン駅まで辿り着くことに成功します。
- ひっきりなしに電車から降りてくる人々に丁寧にお行儀よくご挨拶
- 喋るクマなのに、行き交う人々は誰も彼もが子グマを完全に無視
- 誰にも見向きもされずに時は流れ、時刻は現在午後8時27分
- お腹も空いてションボリと非常用のサンドイッチを取り出したら1羽の鳩が
- ぼっちで似た者同士かと思い、ちょっぴりパン屑をあげることに
- 「クルックー」と1羽どころか20羽くらいに囲まれた
ハト寄って来すぎ(笑)
まぁ、そのおかげで注目を集めることになったがな。
人畜無害?なジェントルベア
駅のホームで毛むくじゃらがクチバシに突っつかれてる…
めっきり乗降客もまばらになったパディントン駅構内に降り立ったひと組の家族は、おかしな状況に出くわすことに。
相当気になる状況ですが、気付いていても気付かぬフリして素通りしたくなる状況でもあります。
- 子クマはハトのパンよこせ攻撃を喰らいながらも、通り過ぎる4人家族に礼儀正しくご挨拶
- パパ「変なもの売りつけるに決まってる。目を合わすなよ」
- 娘「なにあれ、キモい」
- 息子「(興味津々、ワクワクの眼差し)」
- ママ「どうしたの?もうこんな時間よ。お家に帰らないの?」
ようやく初めて自分の声に耳を傾けてくれたママさんに対し、子クマは穏やかで丁寧な口調でロンドンに来た経緯・お家を探していることなどを伝えます。
これを聞いたパパさんはますますもって警戒し、関わることに断固として反対。しかしママさんは反対を押し切って力になってあげることにいたしました。
やっと優しい人に巡り会えたねー。
ついでに名前もつけてもらったよ。
- 実は子クマにはクマ語の名前がちゃんとある
- ただし人では発音しにくい「うガァー」だか「ウ”おぉー」だかという名前
- パパさんが似た発声でリピートアゲインしたら、失礼なクマ語表現になっちゃったらしい
- 簡単に発音出来ないから、見つけた駅名から「パディントン」と呼ぶことに
こうして新たに英語の名前を付けてもらったパディントン。
一家はとにかくどこか安全に過ごせる預け先を…と探してくれますが、遅い時間のせいもあって引き取り手が見つかりません。
どうしても放っておけないママさんは、さらに押しの一手で家族を説得。パディントンはひと晩この一家のお宅、ブラウン家のお世話になることになりました。
お世話になるのはこのお家
とりあえずひと晩だけの約束で訪れたのは、カラフルなお家が並ぶ住宅街・ウィンザーガーデン32番地のブラウン家。
しかし紳士で誠実なパディントンは、さっそく持ち前のおっちょこちょいな行動でとんでもない騒動を起こしてしまいます。
- 長旅の疲れはお風呂で癒すものよ、と勧められてバスルームへ
- バスルームにある歯ブラシが何なのか知らず、耳掃除に活用
- ゴッソリ汚れた歯ブラシを舐め、吐きそうに
- 口直しにマウスウォッシュを一気飲み
- ヒーハーしてトイレの水をがぶ飲み
- 便座から顔が抜けなくなり、手始めにトイレ破壊
- お次は大蛇のごとき動きのシャワーヘッドと格闘
- そんなこんなでトイレと風呂の水道管を破壊、一面水浸し
- とどめはブラウン家の螺旋階段を激流下りのごとく浴槽に乗ってライディング
わお♪なんたる惨事(笑)
…ちなみにクッサい耳掃除後の歯ブラシでパパさんが歯磨きして、「Ooops!」にもなってるぞ。
故郷ペルーで多少は文化的な人並みの暮らしをしてきたものの、パディントンには都会の暮らしまではよく分かりません。
知らずに起こした大惨事とは言え、これはさぞかしブラウン家の面々もお怒りであろう。
…と思ったら、ママさんだけはなんとかお家探しを続行。あの手この手でなにかと協力してくれました。
ママさん良い人だねー。
…パパさんは最初からよく思ってないから、養護院にでも押し込もうって言ってるけどな。
確かにパディントンはブラウン家に厄介ごとを持ち込んだトラブルメーカー。パパさんの考えも一理あります。
が、パディントンの誠実で真面目・誰にでもご挨拶する律儀な性格が思いもよらぬ大手柄をあげることもありました。
- ママさんが、パディントンの帽子の持ち主だった探検家を探すために骨董品屋へ
- 付いて行ったパディントンは、骨董品屋のお客さんが落とした財布に気付いて追いかけた
- 実は財布を落とした人物はスリの常習犯
- パディントンのおっちょこちょいな行動が功を奏し、逮捕に繋がった
- 犬のお巡りさんならぬクマのお巡りさんとして新聞一面を飾るヒーローに
思わぬ大活躍で街の人気者になったパディントン。
最初は「キモい」と言っていたブラウン家の娘ジュディも、冷たくあしらったことを謝って次第にパディントンと打ち解けていきます。
まぁ相変わらずパパさんだけはよく思っていませんが、それでもパディントンが何かやらかすたびに少しずつ心情に変化が。
なんだかんだ言って、パパさんもパディントンのお家探しに協力し始めるよねー。
…しかも女装したり義手と見せかけたり、だんだんハジけてくるんだよな(笑)
しかしパディントンがもたらした周囲への影響は、良い変化だけでは終わらなかったんです。
お仲間たくさん!?自然史博物館
人語を話し、人並みに文化的。しかもその振る舞いはおっちょこちょい…は置いといて英国紳士然たる誠実なもの。
こんな珍しいクマを放ってはおけない人物が、ブラウン家のママさん以外にも現れてしまいます。
おーー。だんだんみんなパディントンの良さが分かってきたんだね。
…剥製にしたいほど貴重だっていう良さだがな。
- 珍しい動物を剥製にすることに情熱を傾ける自然史博物館の剥製担当部長ミリセントに目を付けられた
- パディントンを是が非でも剥製にと、どこに今住んでいるのか探り始めた
- ミリセントは、パディントンを乗せたことがあるタクシー運ちゃんの鼻毛を抜いて居所を吐かせた
- ブラウン家を突き止め、隣人もたぶらかしてパディントン誘拐を計画
- パディントンのおっちょこちょいが盛大に発動してボヤ騒ぎを起こし、誘拐失敗
自身の身に忍び寄る魔の手を偶然跳ね除けることに成功したパディントンですが、同時に信頼も跳ね除ける結果になってしまいます。
何よりも子供たちを危険から守って安全に育て上げたいパパさんはちょっとブチ切れ、さすがのママさんもボヤ騒ぎだなんて心中穏やかではありません。
え…。パディントン追い出されちゃうの?
…まぁ、もうブラウン家には置いておけないって結論には達したな。
パパさんとママさんの意見が一致していることを知ったパディントンは、これ以上ご迷惑をお掛け出来ない…と自らブラウン家を出て行くことを決意します。
そしてパディントンはブラウン家のみんなのおかげでいろいろ調べた手掛かりを手に、探検家を頼ろうとひとり寒空を彷徨うことに。
ところが探検家はすでに亡く、さらに不運にも探し人の娘さんはあのミリセント女史。
こうしてパディントンはまんまと剥製にされに行ったような形でとっ捕まり、人生最大のピンチを迎えてしまいます。
しかしいつしかパディントンの存在がかけがえのないものになっていたブラウン家の面々は、パパさんを筆頭にパディントン奪還作戦を展開することになり…というのが大まかなあらすじになります。
【パディントン】どのキャラも見逃し厳禁!面白登場人物たち
子供の頃、多くの人が読んだかもしれない「くまのパディントン」は、紳士然とした振る舞いのクマと人との繋がりに胸が打たれる名作文庫。
児童文学の面白さはそのままに、劇中さらなるスパイシーなアクセントを加えてくれる登場人物たちをご紹介いたしましょう。
パディントンは暗黒の地・ペルーからやって来た密航クマ。叔父叔母クマに育てられ、人語も話せば礼儀もわきまえた小さなモッフモフの紳士です。
性格は誠実で実直ですが、かなりのおっちょこちょい。
いろんな騒動を巻き起こす厄介者のようにも思えますが、あのウルウルの眼差しで「すみません」「ありがとう」と言われれば全部許してあげたくなる可愛さがあります。
日本語吹き替え版ではイケメン俳優の松坂桃李さんが声を担当。若手俳優かぁ…という残念がる鑑賞者も満足するイケボイスが可愛さをバージョンアップさせています。
ヘンリーはパディントンを一時的に預かることになったブラウン家の家長。リスクマネジメントの仕事をしていることもあって、なにかと数字で危険度を測る石頭でもあります。
しかしそんな石頭も元からではなく、子供を持つパパになってから。
パディントンを家に置いておくと子供たちに危険が及ぶ、と最後の方まで反対し続けますが、本当はかなりはっちゃけた愛も勇気もユーモアも溢れる優しい人物です。
メアリーはパディントンの家探しのお手伝いを申し出てくれたブラウン家のママ。冒険小説の挿絵画家の仕事をしており、少々言動に天然な部分も。
駅で途方に暮れていたパディントンに初めて声をかけてかけてくれた人物であり、「パディントン」という名付け親でもあります。
ジュディはブラウン家の長女。ちょっとツンデレ、「キモい」が口癖のティーンエイジャー。
パディントンのことも最初は「キモい」厄介者と思っていましたが、案外似たような環境で似たような不安を感じていることを知り、次第に打ち解けていきます。
ジョナサンは好奇心も探究心も旺盛なブラウン家の男の子。
遊び盛りのお年頃なのに、いちいちヘンリーパパにあれもダメこれもダメと制約されるので、古い教育用おもちゃをスリリングに改造する賢さがあります。
初対面の時からパディントンに対して興味津々で、メアリーママの次にパディントンのことを親身に考えてくれる一面も。
後々ジョナサンの改造技術がパディントン救出にひと役買うことにも繋がっていきます。
バード夫人はブラウン家族と同居している親戚の叔母様。ちょっと膝の具合がイマイチなご高齢な淑女ですが、趣味は掃除、沢山の掃除機コレクターでもあります。
パディントンが家の中をひっちゃかめっちゃかに散らかしても、何事もなかったかのようにブラウン家が綺麗に片付いているのはバード夫人のおかげです。
この家族にとって、パディントンにとって、お互いがかけがえのない存在になっていっていることにいち早く気付くお茶目なお婆ちゃんでもあります。
ミリセントは自然史博物館で剥製担当部長をしている遣り手女史。
珍しい動物の剥製を製作することに意欲を燃やし、執拗にパディントンを付け狙う今作の悪役です。
実はパディントンが探している探検家の娘でもあり、ちょっと因縁めいた繋がりがあります。
クールビューティーなニコール・キッドマンの弾けたキャラクター演技は必見です。
…と、この他にパディントンの叔父叔母のクマ夫婦やブラウン一家のお隣に住むバリー、英国に来るきっかけにもなった探検家モンゴメリー・クライドなども登場。
主要登場人物以外もみなちょっとクセがあり、名無しの脇役ももれなくオモロー。
もっと早くに見ればよかったと本気で反省、何度も観たくなる楽しい物語を盛り上げてくれています。
まとめ
人間以上に誠実で真面目な性格、人語を話すくまのパディントンは、家を探すために初めて訪れたロンドンで優しい家族と出逢います。
- パディントンはペルーに生息する珍しいクマ
- 紳士な立ち居振る舞いは、かつて探検家に出逢った叔父叔母クマ直伝の技
- ロンドンまでの道のりや慣れない都会での冒険とハプニングを描いた物語
実は観る前は完全に「ファミリー向け」のお涙頂戴、癒しの感動ストーリーなんだろうなと思っていたんです。
そこは確かに間違ってなく、お涙は頂戴されました。
…ただ、頂戴されたのは「感動の涙」ばかりではなく「やられた感満載の笑い涙」
映画【パディントン】は、観たらついでにぬいぐるみも欲しくなるほど気分爽快のモフモフ映画 でした。
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