Going RAMBO!(ランボーのように暴れまくるぞ!)
…と、やりたい放題な暴れっぷりの代名詞にまでなっている孤高の帰還兵ランボー。
シルベスター・スタローン氏の代表作シリーズのひとつですね。
実は深刻な帰還兵問題のメッセージが込められているシリーズ1作目【ランボー/First Blood】の世界へとご案内いたします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
【ランボー/First Blood】アクションというより社会派映画
どんな状況でもたったひとりで乗り越える…それがランボー!
…というよりむしろ、社会問題を扱ったメッセージ性の強い映画だよ。
ゲリラ戦に特化した孤高のベトナム帰還兵が、バッサバッサ敵を懲らしめる過激なアクション映画がランボー。
…と思いきや、シリーズ1作目は死者1人、現実問題を重く受け止めたお話 です。
- 原作は1972年発表のデヴィッド・マレル『一人だけの軍隊』
- マレルが教員時代、ベトナム戦争から帰還した学生の戦地体験を元に構想した物語
- 主人公の名は、マレルの妻が手にしていたランボーアップルというリンゴの種類から借用
- ベトナム帰還兵の実態を反映させた社会派作品
- スタローン氏の演技力に全米が泣いた←私だけかも笑
もちろんアクションも見どころですが、ラスト10分弱のランボーの悲痛な叫びが最大の見どころになっています。
実際にベトナム戦争から帰還した兵士たちが抱えた苦悩。
社会復帰がままならず、身体的にも精神的にも追い詰められた彼らの実情を知ることになる映画 が【ランボー/First Blood】です。
映画【ランボー/First Blood】基本情報
ランボー/First Blood | 1982年 アメリカ映画 |
ジャンル | アクション |
監督 | テッド・コッチェフ |
脚本 | マイケル・コゾル、ウィリアム・サックハイム、シルベスター・スタローン |
原作 | デヴィッド・マレル『一人だけの軍隊』 |
上映時間 | 97分 |
出演 | シルベスター・スタローン、リチャード・クレンナ、ブライアン・デネヒー他 |
動画配信サービス | Amazonプライムビデオ(prime対象) |
【TSUTAYA DISCAS】 | |
初回31日間無料/dTV |
無料お試し期間を活用すれば、実質¥0で視聴可能です。
動画配信サービス選びに迷ったら、こちらで人気の5種類を選び方に合わせて解説しています↓
【ランボー/First Blood】主な登場人物
ジョン・J・ランボー (シルベスター・スタローン)
ランボーは、ベトナム戦争で特殊部隊所属だった帰還兵。
ゲリラ戦に特化し、陸軍歩兵200人分に匹敵する戦力の持ち主です。
元グリーンベレー・元ベトナム戦争の英雄の本当の姿には胸が痛くなります。
サミュエル・トラウトマン大佐 (リチャード・クレンナ)
トラウトマン大佐は、ランボーの元上官。
ベトナム戦争から帰還後は国防省勤めとなり、手塩にかけた元部下ランボーの騒動を丸め込みに参上します。
ランボーが唯一心を許せる存在です。
ティールズ保安官 (ブライアン・デネヒー)
ティールズ保安官は、小さな街の治安維持に燃える警察官。
余所者は何があろうと追い出すスタンスで、ランボーと一戦交える今作最大の敵です。
ガルド保安官補佐 (ジャック・スターレット)
ガルド保安官補佐は、ティールズ保安官の右腕となるオッサン警察官。
猪突猛進型で血の気が多く、今作唯一の死人になる人物です。
ミッチ (デヴィッド・カルーソ)
ミッチは、余所者ランボーに興味津々な保安官事務所の新米警官。
実はランボーがグリーンベレーの英雄と知って、ちょっとカッコいいとすら思ってる初々しさがあります。
…と、この他に保安官事務所の警官たちや州警察など、とにかくランボーを目の敵にする連中が登場。
今作からランボーシリーズの歴史が始まり、これまで何度も地上波放送されました。
その際、各民放ごとに全てのキャストの吹き替え声優が異なるという面白い事態に。
例えば主役ランボーは、こんな方々がお声を担当↓
日テレ・旧版 | 渡辺謙 |
TBS | 羽佐間道夫 |
フジテレビ | 銀河万丈 |
テレ朝 | 佐々木功 |
日テレ・新版 | 玄田哲章 |
日テレ・新版なんて、ターミネーターなシュワちゃんと同じお声です(笑)
どんなランボー像になっているのか、それぞれ全部むっちゃ気になる!
そんなあなたは、2020年2月発売のBlu-rayセットでお楽しみください。
5種類すべての日本語吹替えが収録されているので、ひと作で5度、いや字幕もあわせて6度楽しめる仕様になっています。
【ランボー/First Blood】偏見と迫害と拷問と
物語の最初の舞台は1981年のアメリカ・ワシントン州。
ベトナム帰還兵のランボーが、戦友を訪ねるところから始まります。
- 探していたのは、ベトナム戦争時代の戦友デルモア・バリー
- ところが彼の母親から、すでに亡くなっていると聞かされた
- 枯葉剤の影響でガンに侵され、病死したらしい
枯葉剤?
あぁ、本来は除草剤なんだが、体内に残留すると人体に悪影響を及ぼすシロモノだ。
ダイオキシン類を多く含むこの化学薬品を、アメリカはベトナム戦争で化学兵器として散布。
例えば奇形児が生まれたり、免疫が低下してガンが発症したり、致死性もえらい高い猛毒です。
バリーは戦地で枯葉剤の影響を受け、帰還するもガンを患って亡くなっていたのです。
- これで所属していた特殊部隊員の生き残りはランボーただひとりに
- 戦友との再会は果たせず、ランボーはあてもなくオレゴン州へ
- 小さな街ホープに辿り着くも、保安官から職質された
- ミリタリージャケットにロン毛の余所者は胡散臭いという理由
なんちゅうイチャモン(笑)
いかにも問題起こしそうな風貌に見えたらしい。
ランボーに声をかけてかけてきたのはウィル・ティールズ保安官。
この街の治安を守るトップの公務員です。
- 特産品も何もないつまらん街だが、穏やな日常だけはある
- トラブル起こすのは大概が余所者
- 面倒を持ち込まれたくないから、ランボーを街の外まで追い出すことに
なんちゅう偏見(笑)
だな。自由侵害もいいとこだ。
少し威圧的にパトカーに同乗するよう促されたランボー。
素直に乗り込み、どこかで食事したいんだけど…とティールズ保安官に話しかけても、返ってきたのはこんな返答。
『50キロ先にダイナーあるから』
もうこれは、この街から消え失せろ!臭いロン毛め!と言ってるようなもんです。
- 口数の少ないランボーは、ちょっと不満げ
- 街の北外れでパトカーを下されるも、街へUターン
- …という挙動に憤慨した保安官は、ランボーを拘束
- 身体検査で大型サバイバルナイフ所持が発覚し、ランボーを逮捕
ナイフ所持は確かにマズイ。
でも尋問が酷すぎるんだよ。
『この街ではオレが法律だ』
そう豪語するティールズ保安官に、情け容赦などありません。
保安官補佐ガルドに命じ、尋問ならぬ拷問でランボーをいたぶり始めます。
警棒で打ちのめしたり、シャワーと称して消防ホースの高圧水流を浴びせたり。
しまいには剃毛のためにカミソリをチラつかせ、タチ悪いったらありゃしません。
そんな尋問のせいで、ベトナム戦争時代の捕虜として受けた拷問を思い出してしまったランボー。
過去のトラウマがフラッシュバックし、暴れて逃亡を謀ります。
そうしてここから、保安官一味とランボーとのサバイバルデスマッチが幕を開けるのでございます。
意地の張り合いがとんでもないことに
元はといえば、ランボーはただフラフラ街に寄っただけ。
会いたかった戦友の死を知って傷心したけれど、腹は減ったから飯食いに訪れただけです。
- サバイバルナイフも護身用・狩りのためという単純な所持理由
- 何も悪いことしてないし、不当な扱いを受けたから逃げた
- それも元ゲリラ兵士らしく山奥へ
- ところがここはティールズ保安官らにとって馴染み深い庭のようなもの
- 土地勘を活かし、保安官総動員でランボーを追跡することに
ヘリまで動員て、なんたる大規模。
ついでに獰猛な警察犬ドーベルマンも放ったぞ。
もはや意地。
どこぞの悪代官並みにパワハラを発動するティールズ保安官は、何がなんでもランボーを生捕りにしようとヤル気満々です。
ともにヤル気満々なガルド保安官補佐なんて、ランボーを撃ち殺す気満々。
- 崖に追い詰められ、ランボーちょっとピンチ
- 今がチャーンス!と、ガルド保安官補佐がヘリから狙撃しまくった
- ランボーは仕方なく崖から飛び降り、ヘリめがけて投石
- …したら、バランス崩したヘリからガルド保安官補佐が転落死
…やばい。死者発生しちゃったじゃん。
…ランボーが直接殺したわけではないがな。
崖から飛び降り自らも負傷したランボーは、こんな無益な争いはもう止めようと降伏します。
ちなみにこの崖飛び降りシーンは、スタントなしのガチシーン。
スタローン氏は肋骨など4カ所骨折というリアルなデスマッチです。
そんなこと知ったこっちゃないティールズ保安官。
ランボーめがけて銃撃を開始し、デスマッチはますますヒートアップしてしまいます。
- 仕方なくランボーはゲリラ戦で保安官をひとりずつ無力化
- ティールズ保安官に対しては『この山ではオレが法律だ』と捨て台詞も
- 街の保安官では手に負えなくなり、州警察も乗り出す事態に
- 挙げ句、元上官トラウトマン大佐が交渉人として参上
それでもティールズ保安官は、己の手でランボーにトドメを刺す!と、あくまで交戦体制を崩しません。
ランボーの身元が元グリーンベレー、しかも英雄と称えられた帰還兵と分かっても。
なぜなら亡くなったガルド保安官補佐は、ティールズ保安官の親友だったから。
加えて自身も朝鮮戦争から帰還した元兵士であり、見栄とプライドがさらなる闘争心に火をつけていたのです。
こうして二人の意地の張り合いは、やがて街を半壊させるほど大騒動に発展。
些細なことから始まった大追跡劇は、いわれなき迫害を受けたランボーの悲痛な心の叫びで幕を閉じることに …というのが大まかなあらすじになります。
【ランボー/First Blood】まとめと解説と感想と
ベトナム戦争での功績から、英雄とまで称えられた帰還兵ランボー。
シリーズ初作は、アクションの枠には収まらない兵士の胸の内が描かれています。
- 主人公ランボーがベトナムから帰還して7年後のお話
- かつての戦友を訪ねるも、戦争の後遺症で今は亡く
- トボトボ見知らぬ街に立ち寄ったら、保安官に因縁つけられた
- さらにいわれなき拷問を受け、ランボー逃亡
- 偏見まみれの保安官一味とランボーとのサバイバルデスマッチ開催
- …というだけでなく、帰還兵が抱える孤独と恐怖が露呈するストーリー
ランボーは、特殊部隊グリーンベレー出身の強者です。
過酷な訓練をクリアしたエリートの中でも超エリートの兵士。
なのに世間から迫害され、居場所を見失ったのはベトナム帰還兵だったから。
そもそも「帰還兵」というのは、戦争に与する国家ならどんな戦争でも生還する兵士が必ずいます。
ところがベトナム戦争の場合だけ「ベトナム帰還兵」という固有名詞が。
これはベトナム戦争が宣戦布告なしに長期化した内戦であり、さらに他国の著しい介入があった複雑な戦争という特異性が関わってきます。
- インドシナ戦争を引きずり、独立を目指したベトナムが南北に分かれて内戦
- 南は資本主義を、北は共産主義を目指した
- そこへ冷戦状態にあったアメリカとソ連が介入
- 実態は米ソの代理戦争となり泥沼化
- アメリカは敵兵・民間人お構いなしに、動くものは全て惨殺
- …と南ベトナムを支援したものの、ゲリラ部隊が北の陣営で苦戦し、あえなく撤退
ベトナム戦争は1955年の暮頃に勃発し、20年間も続いた戦争です。
アメリカは戦果を挙げられないまま介入を続け、撤退しないことに対して世論からは反発の声も出始めます。
それでもアメリカ軍は特殊作戦部隊、グリーンベレー部隊の派遣を増強。
結局、北ベトナム軍の一斉攻撃にアメリカ軍が大打撃を受け、空爆全面停止を宣言し、南ベトナムが無条件降伏する形でようやく戦争が終結します。
ベトナム戦争で奪われた命は600万人以上。
うち南北ベトナム民間人の死者は458万人もおりました。
エスカレートした軍事支援・結果は惨敗・惨殺無双を繰り返していたことが批判され、ベトナム帰還兵には冷たい風当たりが。
ただでさえ戦地で命の危険に晒され、PTSDや精神疾患・四肢損壊などの後遺症に悩まされた帰還兵は、迫害されるという仕打ちにあいます。
平和な社会に戻ってきても馴染めず、職にもありつけず、残ったのは孤独感と戦争体験のトラウマだけ。
そんな時代背景と「ベトナム帰還兵」という特殊な立場の苦悩を伝える存在がランボーという人物像です。
あまり多くを語らず、黙々とサバイバルデスマッチを展開するランボー。
経験した者にしか分からない苦悩と葛藤、本音を最後に捲し立てるように吐き出すランボー。
このキャラクター性のギャップが、より帰還兵の実態をあらわにしています。
過酷な戦争を生き延びた帰還兵が、戦地で培ったゲリラ技で派手なアクションを披露するお話ではないところ。
これが今作の本当の魅力かと。
込められているのは、戦争がもたらす「死」以外の恐怖というメッセージです。
現にアクションは控えめ・死者もたったひとり。
「ランボーはド派手なサバイバルアクション映画」だと思って観ると、意外な衝撃を喰らうかと思います。
さらにランボーを演じきったスタローン氏の凄さ。
こんなに演技派だったとは。
戦争を知らない私にとって、戦争の悲惨さや実態はあくまで想像の域を越えません。
が、思わずラストは泣いてしまいました。
映画【ランボー】は、サバイバルアクションを堪能するだけでなく、終わりのない心の戦争に苦しむ帰還兵の姿に胸打つ名作 でした。
映画【ランボー/First Blood】を観るならこちら
動画配信サービス名 | 配信状況 | 月額料金 |
Amazonプライムビデオ | 見放題 | 初回30日間無料 500円/月 |
映画観るなら<U-NEXT> | ➖ | 初回31日間無料 2,189円/月 |
Hulu | ➖ | 初回14日間無料 1,026円/月 |
【TSUTAYA DISCAS】 | レンタル | 初回30日間無料 2,658円/月 |
dTV | レンタル | 初回無料おためし 550円/月 |
※最新の配信状況は、各サービスで一度ご確認の上ご利用ください。
コメント