映画レンタルで、たまに起きる惨事。
それはジャケを間違えて「違う、そうじゃない」作品を借りちゃったとき。
世の中には、有名映画と似たようなテーマやパロディ化した作品が数多くあります。
…ということで、パクった感満載「モックバスター(模倣映画)」とも呼ばれる映画10選をお届けします。
この記事でわかること
- 有名映画のまがいモン作品9本+秀作1本
- 見どころ・予告動画・DVD情報
ベストガイ (1990)
映画【ベストガイ】は、織田裕二さん主演の日本映画。
タイトルもジャケもストーリー展開も、ほぼトム・クルーズ主演の《トップ・ガン》です。
おまけに挿入曲もそれっぽいロック調。
ただし女性ボーカル曲というアレンジは利かせてあります。
映画【ベストガイ】の見どころは?
- エースパイロットに与えられる称号が『トップガン』のさらに上をいく『ベストガイ』
- 航空自衛隊モノとして、防衛庁(現・防衛省)が撮影に全面協力
- ドッグファイトは意外にも本格的
- パイロットのあだ名(コールサイン)が「ゴクウ」「イマジン」「ゾンビ」など
世界最高軍事力を誇る米軍の最高栄誉を差し置いて、日本エースパイロットの称号のほうが上という設定。
なんとも大きく出たもんです。
《トップ・ガン》のパクリ感は否めないけれど、F-15戦闘機のカッコよさが充分楽しめる作品。
映画【ベストガイ】
監督 : 村川透
出演 :織田裕二、財前直見、長森雅人、黒沢年男ほか
上映時間 : 115分
トップガイ (2014)
まるで《トップ・ガン》な作品がもう1本。
台湾映画【トップ・ガイ】も、エースパイロットを目指す若者の青春群像劇になっています。
映画【トップ・ガイ】の見どころは?
- アメリカのF-16・フランス主力ミラージュ2000・台湾自国開発IDFやF-CK-1など戦闘機が多種多様
- 師匠と崇める上官の墜落死・視力を失う病に侵された恋人など、ヒューマンドラマ系
- 見応え充分、2時間越えの大作
国が変わろうが、戦闘機エースパイロットには夢と希望と挫折と恋が絡むようで(笑)
しかも《トップ・ガン》と《ベスト・ガイ》を足して2で割ったようなタイトル。
ハリウッド映画と日本映画、どっちもパクったのか!
…というと、そういうわけではなく。
【トップ・ガイ】というのは、あくまで邦題です。
原題は【想飛 Dream Fight】と、小洒落た漢字タイトルがついた台湾版・軍事スカイアクション作品。
映画【トップ・ガイ】
監督 : リー・カーン、シャオ・リーショウ
出演 : ブライアン・チャン、スー・アン他
上映時間 : 147分
スマホ拾っただけなのに (2019)
映画【スマホ拾っただけなのに】は、動画配信のみで観られるまがいモン。
中田秀夫監督・千葉雄大さん主演の映画《スマホを落としただけなのに》の類似作品です。
映画【スマホ拾っただけなのに】見どころは?
- スマホ落とした女性役で富手麻妙さんが出演
- スマホを拾った映画オタク3人組が怖い思いするお話
- スプラッターあり・ゲロありのホラーサスペンス
紛らわしいのはタイトルだけで、ストーリーはオリジナル。
本家《スマホを落としただけなのに》以外のいろんな映画パロディが盛り込まれています。
さらにエプロン姿でチェーンソー持った爺さまとか、鉈を振り回す婆さまとか。
キャラがいちいち濃いんです(笑)
なので本家を見ていなくても、B級として楽しめるかと。
制作サイドが『スマホラー』と自称する、くだらなさが清々しい作品。
賭博英雄伝カゲジ 人生逆転デス・ゲーム (2010)
タイトルからして確実にツッコミ入れたくなるのが【賭博英雄伝カゲジ 人生逆転デス・ゲーム】
…いや、カゲジって誰よ(笑)
もうこれだけでも心が「ざわ…ざわ…」しまくります。
藤原竜也さん主演の映画《カイジ 人生逆転ゲーム》のパクリもんです。
あぁ、ちなみにDVDやブルーレイが見当たりませんでした。
映画【賭博英雄伝カゲジ 人生逆転デス・ゲーム】見どころは?
- R15指定。えっちぃシーンが冒頭含め3回ある
- そもそもカゲジは人生逆転デス・ゲーマーですらない
- 主人公はカゲジの元カノ
- 心理学をちょっと使って、3つのゲームをクリアするお話
3つのゲームといっても、《カイジ》並みの手の込んだトリックはありません。
ロシアンルーレット・じゃんけん・インディアンポーカーと、そこは理解しやすい簡単なゲーム設定。
残念な演技・いちいちセリフがやかましい・なぜそこで脱ぐ…といった奇天烈な展開に笑いが止まらなくなります。
完全にB級と諦めて観るか、お色気目的で観るかの2択な作品。
映画【賭博英雄伝カゲジ 人生逆転デス・ゲーム】
監督 : 高澤吉紀
出演 : 範田沙々、吉岡睦雄、中村英児、森羅万象ほか
上映時間 : 73分
※2020年6月24日まで Yahoo無料動画GYAO配信中
ワイルドなスピード : AHO MISSION (2015)
パッと見、あのシリーズの新作かと間違えそうになる映画が【ワイルドなスピード : AHO MISSION】
大人気カーアクション《ワイルド・スピード》をいじりまくったパロディです。
映画【ワイルドなスピード : AHO MISSION】見どころは?
- 本家に寄せた俳優を主演キャストに起用
- オープニングは《ワイスピ2》のストリートレースにそっくり
- 挿入曲も「この手の映画ならコレだろ」と暴露しながら、ワイスピ似のBGMが流れる
- カーアクションは少なめ・ひと目でCGと分かる仕上がり
主人公は、ポール・ウォーカー氏を残念にした感じのアレックス・アッシュポー氏。
仲間意識が芽生える悪党は、ビン・ディーゼル氏っぽいディール・パヴィンスキー氏。
この主演のお二方、ビジュアルがけっこうイケてます(笑)
さらにあっちもこっちもパロディ要素満載で、「あぶない刑事」「相棒」なんてセリフも序盤に飛び出してきます。
くだらなくてつまらないかと思いきや、意外としっかり楽しめる作品。
映画【ワイルドなスピード : AHO MISSION】
監督 : ジェイソン・フリードバーグ、アーロン・セルツァー
出演 : アレックス・アッシュポー、ディール・パヴィンスキー他
上映時間 : 100分
※2020年6月28日まで Yahoo無料動画GYAO配信中
メタルマン (2008)
パクリ具合が酷すぎるヒーロー(?)映画【メタルマン】
ロバート・ダウニー・Jr.氏の《アイアンマン》の類似作品です。
アイアン(鉄)がメタル(超合金)にパワーアップ!
かと思いきや、超絶に劣化しZ級に仕上がっています。
映画【メタルマン】見どころは?
- 一度着たら二度と脱げない、出来損ないなメタルマンスーツが目玉
- ヒーローっぽさは皆無。ただのケンカっぽいバトルっぷり
- 無理やり着せられた主人公が可哀想すぎて泣けてくる
展開が雑、CGも雑。
だが、そこがいい(笑)…というZ映画マニア必見の1本です。
せめて辻褄が合うストーリーなら、まだ面白映画で観れたものを。
チープすぎ・訳わからなすぎ・ツッコミどころありすぎな作品。
映画【メタルマン】
監督 : ロン・カーコスカ
出演 : サミュエル・ネイサン・ホフマイア、レジー・バニスター他
上映時間 : 86分
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません
THAT (2016)
映画ポスターが似ていることで、ちょっと有名な映画【THAT】
ピエロのペニーワイズが恐ろしい、S・キング原作映画《IT》のまがいモンです。
ただし似ているのはジャケと「それ・あれ」の言い回しくらい。
ストーリーに似ている部分は一切ありません。
映画【THAT】見どころは?
- スマホアプリをダウンロードしたら地獄へご招待…という今どき設定が面白い
- スマホを壊そうが何しようが、”あれ”がとことん追っかけてくる
- ちょいちょいビックリ演出のあるショッキングホラー系
“それ”じゃなくて、”あれ”が見えたら終わりだそうで(笑)
登場人物は数人の若者グループ、メンバーが次々と犠牲に…というありがちな青春ホラーになっています。
が、B級ホラーでお決まりの「あぁ、多分つぎの犠牲者コイツだな」という予想に反し、「え、この子が逝くの!?」な展開が新鮮です。
怖くはないけど、ビクつく恐怖を味わえる作品。
映画【THAT】
監督 : アベル・ヴァン、バーリー・ヴァン
出演 : サクソン・シャービノ、ボニー・モーガン、ヴィクトリー・ヴァン・タイル他
上映時間 : 99分
トランスモーファー (2007)
まがいモンなのに実は続編もあるという、密かに人気の映画【トランスモーファー】
変形・合体ロボット映画【トランスフォーマー】の類似作品です。
映画【トランスモーファー】見どころは?
- 未知なる機械生命体が襲来し人類存亡の危機…と、ストーリーが壮大
- CGの古臭さが、かえってロボットマシンを味わい深くさせてる
- 機械VS人類の全面戦争よりも、人類側のあーだこーだな口喧嘩が多め
本家《トランスフォーマー》をかなり意識しましたね、というのがモロバレな1本。
ただ、きちんとリスペクトして制作に臨んだであろう真摯さも感じます。
とはいえ所詮は低予算。
頑張った努力はアリアリですが、チープさは否めません。
それでも続編が作られるのも少しは納得できる、模倣映画界の優等生的な作品。
映画【トランスモーファー】
監督 : リー・スコット
出演 : マシュー・ウォルフ、グリフ・ファースト他
上映時間 : 129分
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません
トランスバトラー (2007)
実は1本の映画だけじゃなく、いろんなところからパクりまくった映画【トランスバトラー】
タイトルと大まかな概要は《トランスフォーマー》から持ってきてます。
…が、それだけじゃないところが凄いんです。
映画【トランスバトラー】見どころは?
- まず馴染み薄いフィリピン映画というところ
- いかにも《トランスフォーマー》なロボットマシンが登場
- 若干《ターミネーター》な輩も参戦
- ストーリーはまるで《マトリックス》
- 《エイリアン》も出てくるし《スターウォーズ》っぽくもある
- 加えて登場人物のゲスさにツボり、機械もエモい
これは……。
色んな映画をごった煮にしてあって、もう酷い(笑)
にもかかわらず、逆にデジャブ感がハンパないから、気になって仕方がないというミラクルな魅力が。
クソ映画と分かっていても観たくなる、観たら観たでジワジワくる作品。
映画【トランスバトラー】
監督 : マーク・A・レイス
出演 : ラモン・ボン・レビラ・Jr.、ディンドン・ダンテス他
上映時間 : 110分
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません
ハート・アタッカー (2007)
もし間違ってレンタルしても、一見の価値アリな戦争映画【ハート・アタッカー】
アカデミー賞受賞映画《ハート・ロッカー》とタイトルやジャケが似ているため、注目度が低くなってしまった1本です。
映画【ハート・アタッカー】見どころは?
- 2005年、イラクで起きた惨劇を描いた実録タッチの戦争映画
- 米軍とテロリストとの攻防・巻き添え食らった市民の様子がリアル
- どこまでが真実なのか、戦争における非人道的な行動心理が恐ろしい
過去の戦争がモチーフなので、確かにテーマには類似性があります。
そこは歴史モノゆえ仕方のない共通点。
ただ《ハート・ロッカー》は爆弾処理班の米軍兵が主軸の心理モノ。
【ハート・アタッカー】は戦時下に置かれた様々な立場の人々の心理が描かれています。
テロリスト「かもしれない」人物を容赦なく処刑する米軍。
対アメリカを謳うテロリストたち。
その戦場で、米軍に付くかテロリストに付くか戸惑う現地市民。
それぞれの身勝手さがひどく恐ろしく、人間の醜さを思い知らされます。
実はものすごく逸品なのに、ニセモノだと敬遠されがちな勿体ない作品。
映画【ハート・アタッカー】
監督 : ニック・ブルームフィールド
出演 : マシュー・ノル、エリオット・ルイツ他
上映時間 : 93分
※現在、動画配信サービスでの取り扱いがありません
…ということで、有名映画に似た映画・まがいモン作品10選をお届けしました。
内容が似ているもの・わざとだろ!とツッコミたくなるタイトル。
「コレ気になるわー」と、興味を持っていただけたなら恐悦至極にございます。
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