青少年観覧不可。
衝撃的な映画作品には『R指定』なる制限付きの公開作品があります。
韓国ではR19、日本や台湾では18+。
成人指定がありながら、異例の大ヒットとなった愛と欲望のミステリー映画【お嬢さん】の世界へとご案内いたします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
映画【お嬢さん】衝撃のR指定
お、お…お嬢さん…グヘヘ。
…やめなさい、気色悪い。
韓国語では、お嬢さんのことを『아가씨 (アガシ)』と言います。
日本でも良家のご令嬢に対してとか、可愛らしい女の子に対して使う言葉ですよね。
ただ、言い方や言う人間によっては限りなく怪しいイヤラシイ言葉に聞こえることも。
今作【お嬢さん】は、その怪しくイヤラシく聞こえるほうだと先に断言しておきます(笑)
- 韓国映画界の鬼才パク・チャヌク監督作品
- 原作は、イギリス・ウェールズの女流ミステリー作家サラ・ウォーターズ「荊の城」
- 上映時間が3時間弱。1本の映画としては珍しい3つのパート構成
- 侍女の視点・お嬢さんの視点・全ての種明かしと二転三転する物語
- 日本人のお嬢様と韓国人の侍女、2人の女性の艶かしいエロス溢れるミステリー
パク・チャヌク監督といえば、バイオレンス×エロスがお得意なお方。
例えば《復讐者に憐れみを》《オールドボーイ》《親切なクムジャさん》の復讐3作品が有名です。
どんな映画なのかは、韓国映画特集の中でチラッと紹介しています↓
今作【お嬢さん】では、なんと同性愛描写で攻めてきました。
もちろんボカシも入ってますが、それ以上に過激なのがセリフ。
放送禁止ピーーーー🈲レベルの日本語も飛び交ってます。
だからといって、エロスだけがウリではありません。
莫大な資産を持つ孤独なお嬢様に群がる、金と欲にまみれた3人の男女。
騙し騙され、最後に資産を勝ち取る猛者は誰なのか。
美麗な視覚効果の中で一つに繋がる、ミステリアスな展開が見どころの映画が【お嬢さん】 です。
映画【お嬢さん】基本情報
お嬢さん (아가씨) | 2016年 韓国映画 |
ジャンル | サスペンス・ミステリー・ロマンス(18+指定) |
監督 | パク・チャヌク |
脚本 | チョン・ソギョン、パク・チャヌク |
原作 | サラ・ウォーターズ「荊の城」 |
上映時間 | 145分(劇場公開版) 168分(スペシャルエクステンデッド版) |
出演 | キム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン他 |
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映画【お嬢さん】莫大な資産家のご令嬢
時は1939年。
日韓併合の名の下に、1910年から日本の植民地として統治下に置かれていた韓国が舞台です。
- 韓国国内には、日本人に取り入って優雅な暮らしを送る者もいた
- 日本人の使用人になったり、窃盗・詐欺・人身売買でしのぎを削る者も
- 孤児だったスッキは、窃盗グループ集団に育てられたスリの達人
孤児って…戦争孤児とか?
…いや、母親が罪人でな。処刑されたんだ。
日本に支配されたせいで、ろくな働き口も満足な賃金も貰えず生活に困る女性や子供。
貧乏人の中でも特に弱い立場の者たちは、盗みや悪事で生計を立て、1回でも捕まれば人生そこで終わりです。
スッキの母親もまた、そんな窃盗人生を送って取っ捕まって絞首刑になったひとりでした。
- スッキを育ててくれた窃盗グループは、女性ばかりの集団
- ここの連中は、みな日本人が大嫌い
- そんな彼女たちの元へ、ある男性詐欺師が儲け話を持ちかけてきた
- ターゲットは莫大な資産を持つ日本人のご令嬢・秀子
- 日本人の藤原伯爵を名乗り、結婚詐欺で堕とす予定
- お嬢さま専属の侍女として潜入し、その気になるよう唆してほしい
え。わざわざ日本で詐欺するの?
…秀子お嬢さまは韓国にお住まいなんだよ。
この時代、統治下だけあって日本人が韓国領土内にウヨウヨ。
日本人と結婚する韓国人、韓国人と結婚する日本人が多くいたんです。
秀子の叔父も、そうしたひとり。
秀子の母の妹・日本人と結婚し、帰化して「上月」を名乗る韓国在住の富豪です。
- 秀子は生まれてすぐに母親を、5歳のときに父親を亡くした
- それ以来、韓国にお屋敷を構える叔父に引き取られた
- 叔父の目当ては秀子が相続した財産
- ゆくゆくは後妻に迎えるつもりで、完全箱入り娘に飼育中
叔父さん…金と若いおなごの肉体が目当てかっ!
…まぁ色々とメンヘラな、ただのエロおやじだ。
箱入り娘で世間知らずなお嬢さま・秀子。
甘い言葉を囁けば、年老いたエロおやじよりも若い伯爵のほうがステキ♡と堕ちるはず。
そうして結婚した暁には、精神病院送りにしてオサラバじゃ。
…という作戦を展開するために、スッキが秀子の侍女になることに。
- 貧乏と泥棒稼業に嫌気がさしてるスッキは大乗り気
- そもそも日本人のせいでこんな暮らし
- 日本人を騙して大金せしめても、いい気味でしかない
- …が、秀子と接しているうちに可哀相になってきた
あらら。情にほだされちゃった?
…ウブでナイーブなお嬢さまが、まんまと自称「藤原伯爵」の愛に溺れそうになったから。
美しく、どこか寂しくアンニュイな秀子お嬢さま。
スッキは身の回りのお世話をするうちに、孤独で繊細なお嬢さまが愛おしくなってしまいます。
そんなスッキの気持ちとは裏腹に、藤原伯爵を喜ばせる方法を知りたがる秀子お嬢さま。
スッキは何も知らない生娘なお嬢さまに、男女の営みを身体で教えることに。
若いおなご同士のニャホニャホは、なんともエロくて美しく。
ところがこんなお楽しみのその後には、スッキを襲う意外な展開が待ち受けておりました。
実は秀子お嬢さま、相当したたかな小娘だったのです。
綺麗なものには棘がある
騙す気満々で近付いて、男女の愛も同性の愛も仕込んだスッキ。
そんな彼女が秀子お嬢さまの侍女になったのは、元はと言えばお嬢さまの差し金でした。
- 実は秀子お嬢さまと藤原伯爵がハナから手を組んでいた
- 財産分与の見返りに、秀子は日本へ帰国して完全に自由になりたかった
- そのための替え玉として、同じくらいの年頃の娘が必要だった
お嬢さま、ワルだったんだ。
…そう。お嬢さまの視点からも、騙し合いの真実が見えてくるよ。
スッキを逆に騙していたお嬢さま。
そのワケは、こんなトンデモない生活様式があったから。
- 叔父は元韓国人だが、かなりの日本ツウ。書籍収集が趣味
- ということで、叔父の蔵書で日本語の読み書きを学習
- …が、教本は全て官能小説←しかも春画付き
叔父さん…子供にどんな教育しとん。
…しかもエロ小説の朗読会とか開いて、秀子に読み上げさせてたんだ。
ただのヘムタイ。
ただのエロ同人誌好き。
叔父さんは、若いおなごの口から飛び出すエロ言葉が大好きです。
- 上手く読み上げないと、秀子は手の甲を鞭打ちされる罰が
- おかげで鞭打ちの痕が残り、常に手袋必須
- 秀子の手袋は、男から支配されている呪縛の証でもある
こんな環境にいたから…。
…スッキを昇天させるワザも知ってたってわけだ。
さらに朗読会では、人形相手にエッチぃ体位の実践も強要されていた秀子。
ヘムタイから解放されたい。
もうこんなエロ叔父とオサラバしたい。
でないと狂って自害してしまいそう…。
そんな秀子の本性を見抜いた藤原伯爵が、スッキを使って抜け出す策を持ちかけていたのです。
なぜなら、もし秀子が自害してしまったら、何もせずともヘムタイ叔父さんに全財産が行ってしまうから。
そんな勿体ない結果になるならば、スッキのような孤児を使って世間を欺けばいい…と。
しかし秀子お嬢さまは、さらに上をいくやり手でした。
スッキに騙されたフリをしたり、藤原伯爵の策に乗ったフリをしたり。
秀子お嬢さまは、男の支配欲・いつか性奴隷の対象になる危険からも逃れる最善の騙し合いを繰り返します。
騙し騙されたスッキ。
1番上手く立ち回ってるつもりの藤原伯爵。
自分のイチモツは役に立たず、他人のエロ話を聞きたがるヘムタイ上月叔父さん。
騙し合いの中心にいる秀子お嬢さま。
4名の間で繰り広げられる駆け引きは二度三度とひっくり返り、誰が本当の勝ち組になるのか… というのが大まかなあらすじになります。
映画【お嬢さん】騙し騙される登場人物たち
金と欲にまみれた騙し合い。
誰もが誰かを手玉に取り、妖艶にしたたかに立ち回る登場人物たちをご紹介いたしましょう。
秀子は、莫大な遺産を受け継いだ日本のご令嬢。
叔父さんが要らんエロ日本語ばかり教えるので、韓国語のほうが達者になりました。
純真無垢で、したたかで。
秀子お嬢さまの2面性は、なかなか見ごたえある豹変っぷりです。
スッキは、お嬢さまに取り入るために近づいた侍女。
他人を冷めた目でみる曲がった根性の持ち主です。
…が、誰よりも1番素直。
性根が腐ってるのか真面目なのか、複雑な人物像にもなっています。
藤原伯爵は、身分を偽ってお嬢さんに近づく詐欺師。
あっちも騙し、こっちでも騙し…と、腹黒く計算高い金の亡者です。
上月は、秀子の叔父。
元々は韓国の富裕層で、秀子の母の妹と結婚し帰化した人物です。
日本好き・書籍好き・支配好き・官能小説好き。
ただのヘムタイなオヤジ過ぎて、気持ち悪くなります。
…と、この他に、屋敷の侍女をまとめる佐々木夫人(キム・へスク)、秀子の叔母(ムン・ソリ)などが登場。
日本人キャストとして、こんなお方も一応出演しています↓
- 秀子の母 (写真のみの出演) : 高木りな
《トリック2》《相棒2》などのドラマ、映画やCMでも活躍している女優さん。
韓国人男性と結婚し、現在は2児のママ。拠点をロスに移してハリウッドにも進出しています。
- 関釜連絡船の日本人将校 その2 : 藤本信介
韓国映画に魅了され、ソウルに移住した映画人。
今作で助監督を務め、日本語のイントネーション指導なんかも行ったそうです。
メインキャストはたった4名、ストーリーは二転三転。
えっちぃシーンは球の鈴を使った同性愛描写と、かなり衝撃的。
視覚的な美しさが漂って、インパクトある作品となっております。
映画【お嬢さん】感想まとめ
少しのダーク・なかなかのミステリー・イヤん♡なお色気。
金持ちの悪趣味には辟易しますが、だからこそのカオスな展開が非常に興味深い映画です。
- 日本の支配下に置かれた韓国が舞台
- エロキモい叔父さんに支配されてるお嬢さまが主人公
- 莫大な資産を巡り、詐欺師と窃盗娘が財産を横取りするお話
- …かと思いきや、お嬢さまと侍女とがエロスな関係に
- どんでん返しだらけの3部構成
同性愛描写にしてあるのは、慰み者として男性に支配されたくないという現れ。
さらに舞台を日本統治下に置くことで、支配と抑圧が物語の根底にあることがよく分かります。
こうした基軸の中で、「え、そうなるの!?」というストーリーはとても見応えがありました。
日本人助監督のサポートもあって、みなさん日本語のセリフも頑張って回してます。
…が、発音は上手くありません(笑)
バッタもんの関西弁を話す東京人以上にひどいw。
おかげで聴き取りづらく、微妙に笑ってしまうかと。
ただそこは演出のひとつかと思います。
日本人になりたがるキモ叔父・日本人と偽る詐欺師。
そして5歳から韓国住みのお嬢さま・統治下で日本語が必須教育だったスッキ。
いずれも発音が達者である必要はなく、むしろちょっとおかしいくらいがリアリティあります。
それに、たどたどしい日本語だからこそ、映像演出の美しさが充分堪能出来る仕上がりに。
映画【お嬢さん】は、タイトルに見合ったエロさと美しさに魅入ってしまう作品 でした。
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