時は世紀末。1999年には地球が滅亡するとかなんとかっていう「ノストラダムスの大予言」がにわかに囁かれ、話題になっていた時代です。
そんな世相もあってか、20世紀末にはSFパニック映画がいくつか制作されました。中でもありえないパニックを乗り切る役を演じさせたらピカイチのブルース・ウィリス主演の【アルマゲドン】が大ヒット。
人類の希望の星となった男たちを描いたSFパニックアドベンチャーの世界をご案内いたします。
【アルマゲドン】迫り来る地球滅亡の危機
あ…真っ赤に燃える特大の流れ星!とびきりの願い事しなくちゃ。
…そんな呑気なこと言ってる場合じゃないぞ。あれ隕石だぞ。どっかーん!ってあちこちの都市破壊するバージョンだ。
1998年に公開されたSFパニック映画【アルマゲドン】は、こんな隕石衝突シーンから始まります。
ことの発端は宇宙の神秘を探求して打ち上げられた人工衛星に起きた悲劇。無数の流星雨によって爆発し、さらに一部の隕石が大気圏を突破して地上に降り注ぎ大きな被害が。
流れ星と隕石って何が違うの?
隕石が毛糸玉だとしたら、流れ星は毛糸玉からほつれた繊維みたいなもんかなぁ…。
流れ星とは?
彗星や小惑星は太陽に近づくと細かな 塵を撒き散らかします。その細かな塵が大気の摩擦で燃えて光ったものが流れ星。
数ミリから小石くらいのサイズで、たとえ地球に降り注いでも大気圏で燃えてなくなる、ってところでしょうか。
隕石とは?
小惑星の塊の一部が、太陽に近付いても地球の大気圏に突入しても燃え切らずに落下してきた物質ですかね。
隕石は太陽熱や大気圏の熱で砕けてバラバラになることもあれば、大きさによってはそのままどっかーンと燃えながら地上に激突することも。
【アルマゲドン】劇中では、宇宙の塵が降り注ぐ夢のある流れ星ではなく、塊のまま宇宙の固形物が地上に落ちてきた、っていう設定です。
しかも塊である無数の隕石にとどまらず、本体の小惑星が直撃する、といった危機到来。さらにその小惑星が全人類を滅亡させるほどのダメージを与える大きさときた。これはオーマイガーーッな事態です。
小惑星はアメリカ第2位の州面積と同じ
衝突したら人類滅亡・地球の危機。オーマイガーーっな事態を招く小惑星って、じゃぁそれってどれくらいの大きさなの?って気になるところです。
これがなんと…アメリカ大陸で2番目に大きい面積を誇るテキサス州と同じくらい。
え。テキサス州ってどれくらい?
テキサス州の面積は696,241平方㎞。ちなみに日本の面積は377,914平方㎞。およそ日本の倍だ。
オーマイガーーっ!!。
…だな。
日本がすっぽり簡単に消滅しそうな巨大小惑星が来襲とは。映画といえど規模がデッカくてびっくりします。
仮に衝突したらどうなるのか。【アルマゲドン】の設定よりは小さい400kmの隕石が落下した場合のシュミレーション映像を発見しました。それがこちら↓
おぅ…なかなかの衝撃的な事態ですね。こんなの果たして回避出来るの?ねぇなんか作戦あるの?と勝手に一人でドキドキしてしまいました。
小惑星回避の手段はたったひとつ
衝突したら一巻の終わり。ならば小惑星の軌道を変えればいい 。しかし衝突を回避する手段はたった一つ。誰かが小惑星に降り立ち深部まで採掘し、中で核爆弾を爆発させましょう、といった計画が立てられます。
- 小惑星を分裂させ、軌道が地球直撃しないコースになるように計算
- 小惑星のある一点、深層部に現在最も破壊力のある核爆弾をセット
- 爆弾Bomb!!で小惑星は真っ二つ。で滅亡回避
この計画には採掘に精通した者の知識が必要です。穴掘って爆弾仕掛けて、って緻密な計算は賢い科学者の知識でどうとでもなります。が、重要なのはそれをきちんと実行するための術。
地面を掘るなんて生易しいレベルでは不充分です。そこで優秀な科学者集団の集まりでもあり、宇宙のプロフェッショナルであるNASAが目をつけたのが石油発掘のプロいmen’s。
なんで石油発掘集団?
石油は地面ほじった程度じゃ採掘出来ないからじゃない?
石油発掘には、硬い地殻っぽい岩盤とかも掘り返したり、どこまで掘ればいいとか、カンと経験がモノを言う、ってことなんでしょう。小惑星の岩盤もどんなもんかも未知だから、硬いと想定して掘り掘り名人にコツを伝授してもらおうということらしいです。
リミットは18日間
さらに【アルマゲドン】ではこざかしい悪夢のような設定がなされてます。小惑星が地球に衝突するまであと18日間。さすがパニック映画です。状況だけでも充分パニくるのに、追い討ちをかけるように超短期間なタイムリミットが設けられています。
さらば地球よ。さらば我が人生。
諦め早いな、おい。
残された時間はごくわずか。宇宙空間という特殊な場所であるため、最初は石油発掘のプロ集団から掘削の手ほどきを受けた宇宙飛行士が任務にあたる予定でした。
そりゃそうですよね。穴掘り名人といえど未知の空間・宇宙では訓練も受けていないド素人ですから。
ところがどっこい、ここで穴掘り名人集団の厄介なプロ根性が炸裂します。
こうしてめんどくさいプロ根性丸出しの素人集団が、人類を守るために己の命をかけて宇宙に向かう…といのがおおまかなあらすじになります。
【アルマゲドン】予告動画で危機をちょっぴり確認
人類の未来を背負って立ち上がり、命の保証はない未知の世界へ飛び立つ男たちの勇姿。
彼らは地球に安息をもたらすのか。ドキドキが止まらない予告篇はこちら↓
【アルマゲドン】地球の存亡を背負った登場人物たち
そもそも全人類の未来を託された男たちが石油発掘スペシャリストってどうなのよ。
宇宙の「う」の字のカケラもない一般ピーポーだよね、というのは置いといて、登場人物を確認しておきましょうか。
登場人物がけっこう多いので、メインとなる面々をピックアップしてご紹介いたします。
ハリーは穴掘り名人集団である「スタンパーオイル社」という石油会社の3代目社長。親子代々に渡る石油会社で、子供の頃から現場での石油採掘作業に従事していて、この道のプロ中のプロ。
採掘の腕前はもちろんのこと、カリスマ性もあってアクの強い穴掘り名人たちを取りまとめるのが上手いボスですね。
それでいて傲り高ぶらず、少々の危険を伴う発掘作業は腕のいい良き仲間がいたから今の自分がいる、という謙虚な男でもあります。
ただ、娘のグレースとA・Jがコッソリ付き合ってると知るとショットガンぶっ放すおったまげーな破天荒さもあります。
グレースはハリーの愛娘であり【アルマゲドン】劇中の紅一点。穴掘り名人の面々の若きヤンチャな暴走機関車・A・Jの恋人です。
思春期の娘らしく父・ハリーとはよく衝突するけど、父をこよなく愛し、その他の穴掘り名人集団のオッサンたちもグレースを娘のように可愛がっています。
演じるリブ・タイラーは主題歌を歌うエアロスミスのボーカル、スティーブン・タイラーの実娘という、演技と歌による親子共演も話題になってました。
A・Jは「スタンパーオイル社」の若きエース。掘削の才能を秘めた素質ある若者ですが、いかんせんオレってイケてる感を出しまくり、己のカンとイケイケ根性で掘削作業もスタンドプレイをかますヤンチャっぷり。
ハリーの愛娘・グレースの恋人で、将来は添い遂げたいと思うほどグレースに一途な若者です。
チックはハリーと20年来の付き合いの優秀なエンジニア兼掘削作業員。ギャンブル狂で暇さえあればカジノに入り浸るダメ男でもあります。妻子アリなんですが、そのギャンブル狂が原因で別居中。
その反面、実はアメリカ空軍の特殊部隊に6年間所属していたという隠れた優秀な一面も。
ロックハウンドはだいぶ異質なキザ男。女ったらしで口が上手く、いつも何かを論理的に喋ってる若干めんどくさいハリーの部下です。
あーだこーだとウンチクを並べるのも納得の、天才的な頭脳を持つ地質学者でもあります。12歳で権威ある科学賞を受賞し、19歳で論文を発表、22歳でマサチューセッツ工科大の地質学&化学の博士号を取るなど、ホンモノの天才。
頭脳を現場で活かしたいからハリーの元で穴掘り名人になった、という、やっぱりおったまげーな変わり者です。
ジャスティスは「ベアー」の愛称で呼ばれるハリーの部下。大型バイクで荒野を走り出す、筋肉自慢の巨漢です。
筋肉自慢な割に、宇宙飛行士訓練の際の健康診断で中性脂肪とコレステロールが引っかかった、おそらくジャンクフード大好きなアメリカンって感じですね。
巨漢でたくましい反面、涙もろくてすぐ泣きます(笑)
オスカーはジャスティスとは反対に、バイクではなく馬で荒野を駆け巡るカウボーイな優男。素性はイマイチ分からないんですが、地質学の知識が豊富で、今回の宇宙での掘削作業に誰よりも乗り気でやる気に満ちています。
マックスは通称「ドリラーマックス」と呼ばれるほど、穴掘りドリルの匠な使い手のハリーの部下。かなり肥満気味な体格に、若干のマザコンの毛があるのか、プヨプヨな腕に「ママ大好き」なハートのタトゥーを入れてます。
大好物がドーナツで、肥満体型になったのはこよなくドーナツを愛するからかもしれません。
ダン・トルーマンは今回の小惑星軌道逸脱作戦の総指揮を務めるNASAのお偉いさん。元々は宇宙飛行士になりたくてNASAに入ったが、足が悪く身体的に宇宙飛行士の条件をクリア出来なかった苦い過去があります。
今でも宇宙飛行士への憧れは強く、大統領や軍の命令にも屈せずハリー御一行をひたすら援護するいい人。
ウィリアムはアメリカ空軍所属の宇宙飛行のプロ。今回旅立つシャトルの主操縦士でもあります。ドライな性格と軍人気質で、命令を忠実に遂行しようとする融通のきかない部分あり。
…とまぁ、この他にも沢山のキャラクターがいるんですけどね。そういや序盤、ニューヨークに隕石が落下して街がパニックに陥るシーンでは松田聖子さんも登場してました。
呑気にニューヨークでショッピングを楽しむ日本人観光客、とかなんとかっていうエキストラで出演しています。
間違いなく見落とす一瞬の出来事なので、スロー再生でご確認ください(笑)
【アルマゲドン】主題歌はエアロスミスの「ミス・ア・シング」
【アルマゲドン】を語る上で絶対に外せないのが、エアロスミスの主題歌 です。全米ヒットチャートでも4週連続第1位を記録して、日本でも爆発的に売れましたね。
洋楽に疎い方でも「I Don’t Want to Miss a Thing」は聴いたことあるんじゃないでしょうか。
「ミス・ア・シング」名曲だよね。
エアロスミスよりボン・ジョヴィ派なんだが、この曲は別格だな。何度聴いてもなんかジーンとくる。
【アルマゲドン】✖️エアロスミス「I Don’t Want to Miss a Thing」
映画の世界観そのままに制作された主題歌「ミス ア シング」公式トレーラー。
PVでは、スティーブン・タイラーとリヴ・タイラーの親娘共演も実現しています。これ聴いたら泣きそうになるかも。
まとめ
果てしなく広がる宇宙には無数の星があります。地球は人類を始め、様々な生物が誕生しては滅び進化している命ある惑星。
- 宇宙探索の人工衛星が流星雨の衝突によって爆発。地球滅亡の危機が発覚
- 宇宙開発最高峰のNASAで各スペシャリストが集結
- 人類の未来・地球の存亡をかけて宇宙とは全く無関係なスペシャルチームとして立ち上がった男たち
小惑星衝突という設定は、似たような映画もいくつか公開されています。その中でも命をかけて全人類の希望を託された男たちを描いたSFパニックアドベンチャーが【アルマゲドン】ですね。
ヒューマン要素を全面に押し出していて、泣きたくなくても泣いてしまうかもしれません。
科学的な考察をするとけっこうツッコミどころも多いんですけどね。まぁそこは映画、ということでこのエンターテイメント作品を邪推なく楽しんでいただけたら、と思います。
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