映画【特捜部Q】シリーズの順番は?暗く重い北欧ミステリー4作品

まとめ

終始薄暗く、重苦しさ漂う北欧ミステリー。

スウェーデン・ノルウェー・フィンランド・デンマーク・アイスランドの5ヵ国が放つ独特のミステリーは、いま世界中から注目されています。

中でもデンマークの作家、ユッシ・エーズラ・オールスン氏のミステリー小説シリーズ『特捜部Q』は、なかなかのエグ面白さ。

…ということで、大人気北欧ミステリー小説を映像化した【特捜部Q】シリーズ4作品を、観る順番・時系列にお届けします。

 

この記事で分かること

  • 特捜部Qシリーズ4作品のあらすじ概要
  • 予告動画・DVDブルーレイ情報

 

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特捜部Q 檻の中の女 (2013)

映画【特捜部Q 檻の中の女】は、2007年に刊行された同名小説が原作。

日本では2011年に翻訳版が刊行されたシリーズ第1作目です。

原題は《Kvinden i buret》、デンマーク語で「檻の中の女性」

デンマーク・コペンハーゲン警察のはみだし刑事カールとその相棒アサドが、過去の未解決事件に挑むお話です。

 

  • 主人公は、元殺人課の刑事カール
  • 仲間1人が殉職・もう1人は再起不能という捜査ミスをやらかした
  • …ので、殺人課から過去の未解決事件の資料整理課「特捜部Q」に左遷
  • カールの相棒として、シリア系のアサドが「特捜部Q」へ
  • カールは不貞腐れながらも、未解決事件資料の中から不可解な案件を発見
  • それは5年前に失踪した美人議員ミデーレ・ルンゴー事件
  • 投身自殺として片付けられたが、調書に大きな違和感が

 

こうと決めたら我が道をゆく、猪突猛進すぎるオレ様刑事カール。

以前はスタンプ押す仕事しか与えられず、毎日濃すぎるコーヒーを持ち歩くアサド。

2人が目をつけたのは、過去の調書資料にあった2つの違和感でした。

  • ミデーレは自殺するつもりだったのに、精神疾患のある弟を連れて行った
  • 弟と行動を共にした謎の男の存在を無視したまま、事件を解決させている

この2点に着目し、カールとアサドはあれやこれや熱心に聞き込み。

果ては3か月分の捜査費用を2日で使い切るという豪快な捜査を始めます。

おかげで課長からは「ばっかもーーーーん(💢)と叱られて停職処分になるも、そんなことは知ったこっちゃねぇ。

あくまで独自に捜査を続行する「特捜部Q」の2人は、やがてミデーレ事件の真相に辿り着きます。

地道な聞き込みと回想を交えて明らかになっていく真相は、予想以上にスリリング。

全体的に陰鬱でありながら、カールとアサドのコーヒー談義にちょっとクスリとする面白さもあります。

単なる推理ミステリーではなく、事件の裏側が丁寧に紐解かれていく秀作。

 

原作本はこちら↓

 

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特捜部Q キジ殺し (2014)

映画【特捜部Q キジ殺し】は、2008年に刊行された同名小説が原作。

日本では2011年に翻訳版が刊行されたシリーズ第2作目です。

原題は《Fasandræberne》、デンマーク語で「キジの殺し屋」

カールとアサドの他に女性秘書ローセが加わり、新たな未解決事件をとことん追い詰めるお話です。

 

  • ミデーレ事件を真の解決に導いた「特捜部Q」は、正式な部署として発足
  • 署内で内輪パーティが開かれ、カールも渋々参加
  • …するも途中で抜け出し、怪しげな男性に声をかけられた
  • 彼は他の警察署の元刑事で、ある未解決事件の再捜査を依頼
  • それは彼の2人の子供、兄妹が殺された20年前の事件
  • カールが適当にあしらったら、彼は翌日に自殺。Oh……

 

前作で、自殺と片付けられた事件をどんでん返ししたカールたちは、一躍時の人となります。

次に扱う未解決事件もオレがビビっと決める!

そう調子に乗っていたカールは、この男性の依頼を右から聴いて左にスルー。

おかげで落とさなくてもいい命がひとつ失われ、罪悪感と義務感から20年前の事件を洗い直すことになりました。

カールは彼から託された多くの資料を元に、アサドやローセたちと再び過去のあれこれをせっせと調査。

すると事件と関わりありげな人物として、デンマークの財界を牛耳る大物著名人や唯一の目撃者の存在を突き止めます。

さらにフランス語も操るハイスペックメンズだったアサドの助けもあり、捜査はどんどんヒートアップ。

2人はやがて、金持ち子息の歪んだ上昇志向と他者を蔑むえげつなさが事件の裏側にあったことを知ります。

タイトルにある「キジ殺し」とは、兄妹の命を娯楽として奪った行為を暗喩したもの。

特権階級の娯楽「狩り」のように、命を弄んだ様を指しています。

若いがゆえの傲慢さと残虐さを、これでもかとエグく描いた作品。

 

原作本はこちら↓

 

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特捜部Q pからのメッセージ (2016)

映画【特捜部Q pからのメッセージ】は、2009年刊行の同名小説が原作。

日本では2012年に翻訳版が刊行されたシリーズ3作目です。

原題は《Flaskepost fra P.》、デンマーク語で「pからのボトルポスト(瓶型の容器に入った手紙)」

今作もガンガン未解決事件を再捜査…かと思いきや、カールが腑抜けに。

それでも相棒アサドが持ち込んだ事件の解決に乗り出すお話です。

 

  • 前作のキジ殺し事件のショックから、カールの魂ここにあらず
  • 我先に、と捜査する意欲もなく休職中
  • そこへ何年も前のボトルメール片手にアサドが訪問
  • ボトルの中には「助けて」の手紙が
  • さぁ行きますよ、とアサドに連れ去られてカールも捜査することに
  • どうやら「助けて」の主は、何者かに誘拐されてるっぽい

 

誰よりも頑固にしつこく事件を追っていたカール。

刑事としての苦悩が伺えるほどの深い眉間のシワも、今ではただのしわくちゃお爺ちゃんのよう。

それでも根っからのデカなのか、本調子とは程遠いもののアサドと共に調査を開始します。

そうしてまず手始めにわかったのは、ボトルメールの手紙は海に投函されたということ。

…と同時に、同じ犯人によると思われる誘拐事件も発生したこと。

カールはまたしてもアサドに連れ去られ、新たな誘拐事件が起こった現地へと向かうことに。

そこで見え隠れしていたのは、宗教絡みの殺人と監禁。

カールとアサドの「特捜部Q」は地元警察の協力を得て、さらにヘリまで動員して犯人をあぶり出していきます。

腑抜けだったカールの復活、身体能力もズバ抜けていたハイスペック相棒アサドの活躍など。

北欧ミステリーらしい重厚さにアクションも加わった、見どころ盛り沢山の作品。

 

上下巻の長編。原作本はこちら↓

 

 

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特捜部Q カルテ番号64 (2018)

映画【特捜部Q カルテ番号64】は、2010年刊行の同名小説が原作。

日本では2013年に翻訳版が刊行されたシリーズ4作目です。

原題は《Journal 64》、デンマーク語で「ジャーナル64(日誌の64番目)」

なんと、これまで良き相棒だったアサドが「特捜部Q」を離脱!?

…というびっくり展開の中、過去に起きたとんでもグロ&エグすぎな事件を追うことになるお話です。

 

  • カールの推薦で、アサドが別部署に異動することに
  • アサド曰く「私が居なくなってもいいんですか」
  • カール曰く「問題ない」
  • アサドとカールはやいのやいの言い争い。この偏屈シワオヤジ!
  • そんな翌日。湖畔脇にあるアパートの一室でミイラ化遺体が発見された
  • テーブルを囲うように遺体が3体。さらにホルマリン漬けの局部も
  • まるで4人目を示唆するかのように椅子がもう一脚

 

5年近くも「特捜部Q」として、行動を共にしていたカールとアサド。

ただの仕事仲間、ただの異動。

そう言い切るカールの態度に寂しさを感じつつ、アサドはこのミイラ事件の調査に乗り出します。

そうしてわかったことは、まず4つ。

  • 部屋の借主は、閉鎖された女子収容施設の元看護師
  • ただし彼女は現在行方不明。それでも家賃はきちんと支払われてる
  • 遺体のうち2つは、女子収容施設の収容者
  • 毒性のある植物で酩酊させ、生きたまま惨殺&局部を切り取られていた

この事件のカギを握るのは、おそらく失踪中の元看護師。

それと、施設関係者だった人物たち。

カールとアサドは地道な捜査を続け、かつて収容施設で繰り返されていた非人道的すぎる実態を掴みます。

事件の真相はおぅマジかー…。

カールとアサドの関係性はまさにアフォー…。

そして最後はそういうオチかー…。

とにかく最初から最後まで、容赦ない怒涛のグロエグい展開に釘付けになるかと。

デンマーク映画史上、最高の興行成績を収めた最高傑作。

 

原作本はこちら↓

 

 

…ということで、刑事ドラマとしてもサスペンスとしても面白い、北欧ミステリー映画【特捜部Q】シリーズ4作品をお届けしました。

原作となったユッシ・エーズラ・オールスン氏の小説「特捜部Q」は、現在シリーズ8作目まで刊行されています。

特捜部Qシリーズ 小説一覧

#邦題原題刊行年
デンマークの旗
刊行年月
日本の旗
訳者出版社
1特捜部Q 檻の中の女Kvinden i buret2007年2011年6月吉田奈保子早川書房
2特捜部Q キジ殺しFasandræberne2008年2011年11月吉田薫
福原美穂子
3特捜部Q Pからのメッセージ (上)

特捜部Q Pからのメッセージ (下)

Flaskepost fra P.2009年2012年6月
4特捜部Q カルテ番号64 (上)

特捜部Q カルテ番号64 (下)

Journal 642010年2013年5月吉田薫
5特捜部Q 知りすぎたマルコ (上)

特捜部Q 知りすぎたマルコ (下)

Marco Effekten2012年2014年7月
6特捜部Q 吊された少女 (上)

特捜部Q 吊された少女 (下)

Den grænseløse2015年2015年11月吉田奈保子
7特捜部Q 自撮りする女たち (上)

特捜部Q 自撮りする女たち (下)

Selfies2016年2018年1月
8特捜部Q アサドの祈りOffer 21172019年2020年7月

 

映像化されたのはまだ4作品。

…ですが、第5弾として「特捜部Q 知りすぎたマルコ」も製作されています。

ただし制作会社が変更になり、キャスト・スタッフともに一新。

カール役はウルリケ・トムセン氏に、アサド役はザキ・ユーゼフ氏に変更になっています。

 

映画【特捜部Q 知りすぎたマルコ】予告

 

2020年の秋にデンマークで公開予定でしたが、コロナの影響で映画館が封鎖。

だいぶ遅れて2021年5月27日から、ようやく本国デンマークでの公開にありついた模様です。

日本での公開は、国内配給会社さんの情報待ち、といったところ。

詳細が分かり次第追記いたします。

原作はもちろん、どの映画作品も暗さと重さと面白さはお墨付き。

なんてったって日本でも大人気の北欧ミステリー、《ミレニアム》ドラゴンタトゥーの女の制作スタッフが集結した映像化作品ですから。

北欧ミステリーの世界観に、どっぷりハマる参考になれば恐悦至極にございます。

 

北欧ミステリー人気の火付け役、【ミレニアム】ドラゴンタトゥーの女シリーズもご紹介しております。

あわせてどうぞ↓

映画ミレニアム ドラゴンタトゥーの女の順番は?三部作プラスαを解説

 

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