夢か現か、幻か。
ある小説家の男は、部屋の壁に開いた穴と美しい女性に魅了され、次第におかしな感覚に陥ります。
西島秀俊主演、幻想的なミステリーホラー映画【真木栗ノ穴】の世界へとご案内したします。
この記事で分かること
- 映画【真木栗ノ穴】あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・DVDブルーレイ情報
【真木栗ノ穴】不思議な世界観のミステリーホラー映画
ここ、どこ?
…鎌倉の釈迦堂口の切通し。今作のロケ地となった場所だよ。
切通しとは、山や丘を部分的に削り、人馬が通れるよう開通させた道のこと。
鎌倉幕府を開いた源頼朝の時代に、執政の北条氏が整備に関わったと言われるのが、この鎌倉の釈迦堂口切通しです。
トンネルというほど閉塞感はなく、岩にぽっかり開いた穴が神秘的。
この見た目から、あの世とこの世を繋ぐ場所…なんて空想ネタに用いられることもしばしばあります。
映画【真木栗ノ穴】は、そんな神秘的な切通し界隈に住む、小説家が主人公のミステリーホラー作品。
ホラーと言っても怖さはなく、背筋が薄寒くなるような不思議なお話です。
映画タイトルの意味は、主人公の苗字「真木栗」と、彼にまつわる複数の「穴」が合わさったもの。
一度の鑑賞で気付く「穴」もあれば、そういう意味かと頷く「穴」もあり、なかなか奥が深い作品となっています。
どちらかと言うと、色々と考察するのが好きな人向け。
ゆえに評価もまばら、高評価とも低評価とも言い難いんですよね。
- Filmarks : 3.2/5
- Amazon Prime Video : 3.9
- Yahoo! : 3.6/5
どこまでが現実で、どこからが幻想なのか。
それとも小説家の頭の中で作られた、空想物語なのか。
少しコメディを交えつつ、小説家の身の回りで起こる奇妙な世界を描いた映画 が【真木栗ノ穴】です。
映画【真木栗ノ穴】基本情報
真木栗ノ穴 | 2008年 日本映画 |
ジャンル | ホラー・ミステリー |
監督 | 深川栄洋 |
原作 | 山本亜紀子『穴』 |
出演 | 西島秀俊、粟田麗、木下あゆ美、キムラ緑子、田中哲二ほか |
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【真木栗ノ穴】ノゾキ穴と白い日傘の女
物語の始まりは、築40年のボロアパート「みどり荘」に住む男の様子から。
彼の名は、真木栗 勉。かつては新人賞をとったこともある小説家です。
- 小説家といっても、今はしがない三流作家
- 鳴かず飛ばずだが、雑誌で半年間の小説連載を抱えてる
- …が、ちょうど最終回を迎え、最後の原稿を担当編集者に寄稿
- 新連載の話題を振るも、次は新人賞作家が書く予定
今までの連載、つまんなかったのかな。
…だろうな。担当編集者さん、話を完全にスルーしてるし。
いちおう次作のプロットも考え、新作に取り組む意欲満々の真木栗。
しかし担当編集者はそそくさと帰ってしまったため、彼は行きつけの中華料理屋さんへと足を運びます。
- 真木栗のアパートには風呂がなく、食後に銭湯がお決まりパターン
- この日もいつもの定食をいただき、店を後に
- …したら、中華屋のバイト女性・沖本シズエが声をかけてきた
- シズエは風呂桶を抱える真木栗に、こう一言
- 「うちでお風呂入ってかない?」
うぉー!大人のロ・マ・ン・ス♡
…シズエさん、意外と色っぽいんだよな。
もうすぐ40の独身男・真木栗は、45歳の年上女性・シズエに手を引かれて本当に彼女の部屋で入浴。
ただしシズエん家のお風呂は洗面トイレ一体型、いわゆる三点ユニットバス形式です。
決して広いとは言えず、むしろ激狭なのに、なんとシズエが混浴してきます。
- ギリギリの浴槽内で、2人は向き合って色んな話をした
- その後は一夜のアバンチュール。男女の関係に←たぶん
- 身も心もスッキリした真木栗は、泊まることなく深夜に帰宅
- …したら、部屋は泥棒に入られ、ひっちゃかめっちゃかに
- とはいえ盗られたものはないようで。面倒だし通報するのをやめた
鍵かけてなかったの!?
…泥棒に狙われるなんて思ってなかったんだよ。
そもそも真木栗は、売れない作家ゆえ貧乏です。
唯一の高級品と言ったら、商売道具の万年筆くらい。
それは文机の上に残されて無事でしたが、部屋の散らかり様に関しては、ちょっと途方に暮れておりました。
- そんな中、部屋の壁から隣室の灯りが漏れていた
- 泥棒が入り、本棚が倒れたことで穴が露出
- 真木栗が穴に目を当てると、隣室男性の様子が丸見え
- 意外な発見にワクワクだったが、今日は色々あって疲れて寝落ち
- 翌朝、置き薬のセールスマンのドアノックで目が覚めた
置き薬ってなに。
…救急アイテムの入った救急箱を置いてもらって、使った分だけ料金回収する薬の行商だな。
ひどく人の良さそうな、気弱そうなセールスマン・細見貢は、真木栗の部屋の散らかり様にびっくり。
泥棒に入られたと聞いて部屋の片付けを手伝い始め、真木栗はそんな彼に好感を抱きます。
- 担当編集者から連絡がないことで、真木栗は最近ずっと片頭痛
- 好青年・細見くんから、頭痛薬オンリーで置き薬を契約
- それから数日後。細見くんが片付けてくれた部屋でもう一つ穴を発見
- それは隣人男性とは反対側、無人の空き部屋が覗ける穴
若い女性が越してきたら、穴からの覗きも楽しくなるね。
…っていう妄想を、真木栗もしてたよ。
相変わらず担当編集者からの連絡はなく、仕事がなくなってしまった真木栗。
しかし無為な日々が続く中、意外なところから執筆の依頼が舞い込みます。
- いつものように中華屋さんへ食事に
- すると店のおかみへの取材で雑誌記者が来店
- 実はここでバイトしていた沖本シズエが逮捕されたらしい
- シズエは男とグルになって空き巣を繰り返していた
- 雑誌記者は真木栗が被害者であること・作家であることもお見通し
- 渋々インタビューを受けた真木栗だが、うちで連載してくれませんか、と
仕事キターー(≧∀≦)
…ただしジャンルは官能だがな。
取材のお礼も兼ねてはいますが、実は予定していた作家が行方不明になり、連載枠に穴が空いてしまうそうで。
2人来た雑誌記者のうち、ベテランの森本は真木栗の才能を買っており、おもむろに3万円を取り出し直談判を始めます。
真木栗にとって官能は書いたことのないジャンルですが、やってやれないこともない。
何より連載をもらえるのは、非常に魅力的です。
そうして2つ返事で連載依頼を引き受けた真木栗は、アパート前で白い日傘の女性と遭遇。
その女性が隣に越してきて、穴から情事を覗く…という妄想をネタに新作を書き始めた のです。
狂い始めた現実の行方
シズエとの関係や泥棒騒ぎ、壁の穴、連載依頼、白い日傘の女性などなど。
売れない三流作家・真木栗に訪れた転機は、彼の創作活動にひどく刺激を与えるものでした。
- 官能小説連載1回目の締め切りは3日後
- 時間はないが、壁の穴からの覗き見という基本プロットはバッチリ
- 早速筆を走らせ、あと少しで原稿も完成予定
- …と、そこへ連載の担当編集者・浅香成美が真木栗を訪問
- すると日中にも関わらず、隣室の佐々木が彼女とニャホニャホし始めた
お隣さん、本当に官能中www
…おかげで原稿にもリアルが反映されてたよw
筒抜けもいいところ、覗かなくても伝わってくるリアル情事。
真木栗の部屋で原稿上がりを待つ浅香は、たまらずコーヒーを買いに出て行ってしまいます。
…と、その隙に、真木栗は隣人・佐々木の部屋を穴から覗いて情報収集。
彼にとって壁の穴は、まさにインスピレーションが無限に沸きまくる、間欠泉のようなものでした。
- 真木栗が隣人・佐々木を覗いている最中、浅香が缶コーヒーを手に入室
- 真木栗は覗き見体勢を「ヨガ」と偽り誤魔化した
- …が、浅香は思わず「新作は先生の実体験じゃ…」
- 真木栗は慌てて、そんなわけない空想妄想、小説の中の話だよ、と
いやもう違和感ありまくりの言い訳w
…覗き見=ヨガ中は、このあと鉄板ネタになってくぞ。
たしかに真木栗の部屋には穴があり、そこから覗いて小説に落とし込んでいるのも事実です。
…が。
まがりなりにも真木栗は、新人賞受賞の経歴を持っています。
リアル覗きも書いてはいるけれど、話を膨らませて妄想全開で書き進める姿は、さすがプロといったところ。
- その後、浅香は完成した原稿をお預かり
- まず社内で、そして読者からもたちまち面白い!と評判に
- それを聞いた真木栗は、俄然ヤル気もMAX
- もう一つの穴、無人の隣室に若い女性が越してきた設定をプラス
- …したら、先日の白い日傘の女性が本当に越してきた
これは覗き甲斐がある!
…だけじゃなく、官能小説も盛り上がってくるよ。
たまたま宅配業者から、隣に越してきた女性・水野佐緒里の荷物を預かった真木栗。
その晩、彼女の部屋の灯りがついたことを確認し、「あなたには興味ありません」を装って荷物を届けます。
- 荷物の受け渡しを済ませた真木栗は、部屋に戻って穴から覗き見
- 佐緒里が段ボールから下着を取り出し、荷解きしていた
- 以来、真木栗はちょくちょく佐緒里の部屋を穴からチェク
- するとある日、彼女の元旦那らしき男性が訪ねてきた
人の生活を覗き見って。
…すごい背徳感があるな。
見てはいけない日々を見続けては、小説ネタにしていく真木栗。
佐緒里と元旦那との情事も全てじっくり覗いたあとは、文机に向かって筆を走らせていきました。
- とはいえ毎日おいしい官能ネタが手に入るわけもなく
- 真木栗は、佐緒里の荷を届けにきた宅配業者の男とのあらぬ関係を妄想
- 次回の連載ネタにしたら、本当に佐緒里と宅配業者の男が情事に耽った
- さらに置き薬屋の細見くんに佐緒里への営業を勧めてみた
- …ら、気弱な青年・細見くんまでもが佐緒里とニャホニャホ
真木栗の妄想が現実に?
…執筆した通りのことが、本当に起こっちゃうんだ。
そもそも佐緒里が越してくることも、宅配業者や細見くんとの情事も、真木栗が考えた小説アイディアです。
空想が現実になった妙だけでなく、何故か佐緒里と真木栗の関係も親密に。
そうして真木栗は、少しずつ彼女を意識し始めてしまいます。
穴からの覗き、若く美しい女性・佐緒里との交流。
そして彼女を中心に書き始めた、官能小説。
真木栗の毎日は、この3つのローテーションの繰り返しとなり、さらに新しい妄想ネタも思いついてしまいます。
ーー次は自分を登場させようーー
書けば現実になる、真木栗の奇妙な小説。
しかし真木栗はこのあと、とんでもないニュースを耳にします。
- あの宅配業者の男が何日も無断欠勤。行方不明に
- →事故を起こしてトラックが転落。川底で遺体となって発見された
- 頭痛薬が切れて置き薬屋に連絡。細見くんの上司が対応
- →実は数日前、細見くんは自殺して亡くなった
- 佐緒里は詐欺罪で告訴されたIT会社社長・水野貞男の元妻
- →騒動に巻き込まないよう離婚したが、心中をはかって佐緒里だけ死亡
あ…え?亡くなってる!?
…特に佐緒里の存在が曖昧なんだよ。
トマトを貰ったり、怪我の手当てをしてもらったり。
一緒に花火を見たり、金魚を飼って欲しいと言われたり。
真木栗には佐緒里との思い出が沢山あるのに、彼女はすでにこの世にはいない存在でもあったのです。
つまり宅配業者の男や細見くんは、この世のものではない佐緒里との情事で取り憑かれて死亡。
そして真木栗自身の身体にも、異変が起こり始めてしまいます。
まるでラムネ菓子でも食うように、頭痛薬を乱用。
顔はやつれ痩せ細り、「疲れている」ではなく「憑かれている」ような状態に陥ります。
それでも真木栗は官能小説を書き続け、最終回の原稿も完成。
真実を受け入れられず、佐緒里の存在を、ともに過ごした日々を信じた真木栗が最後に取った行動とは… というのが大まかなあらすじになります。
【真木栗ノ穴】現実と幻想に生きる登場人物たち
派手な展開はないものの、徐々に歪んでいく主人公の日常。
静かな演技ながらも、妙に印象深い登場人物たちをご紹介いたしましょう。
真木栗勉は、今作の主人公である売れない小説家。
売れないと言っても実力がないわけではなく、ツボにハマれば、とんでもない傑作を書き上げるタイプです。
出会った人すべてに対する対応が真摯で、意外と人柄もよく、でも無表情が特徴的。
西島秀俊氏の無表情さありきのキャラクター、されどセリフ回しがウィットに富んでいて、つい行動に魅入ってしまいます。
水野佐緒里は、真木栗の隣、203号室に越してくる麗しの女性。
こんな美人がなぜボロアパートに?というと、旦那様の詐欺事件が大々的に報道されて身を隠すためのようで。
生きているとも死んでいるとも言える存在ですが、よくよく見るとその境界線もはっきりしています。
演じた粟田麗さんは、数多くのドラマや映画に出演中の実力派女優。
バレエのブロードウェイ・ミュージカルの出演歴もあり、身のこなしが本当に美しくしなやかです。
浅香成美は、真木栗の官能小説の担当編集者。
かつてはファッション誌在籍だったものの、お払い箱になって今の部署へ異動となった過去があります。
初めて担当した真木栗の小説に魅了され、初めてこの仕事に就いて良かったと、仕事に対する熱意を再確認。
決して出しゃばらず、それでいてしっかり真木栗をサポートする頑張り屋さんです。
沖本シズエは、1回限りで真木栗と良い仲になった中年女性。
男性を引っ掛けては、グルの男と空き巣泥棒に精を出していた犯罪者です。
長年独り身で、心にポッカリ空いた穴を埋めたくて、似た境遇の真木栗に声をかけた模様。
若くはありませんが、仕草や話し方が妙に可愛らしくて魅力的です。
これは演じたキムラ緑子さんの演技力の賜物でしょうね。
とても色気があって、印象的なキャラクターとなっています。
細見貢は、置き薬屋の営業マン。
自分には取り柄も何もないと思っていますが、他人に細やかな気遣いの出来る好青年です。
真木栗の小説の登場人物になったからなのか、ただの成り行きなのか。
それとも佐緒里との初体験が関係しているのか、営業成績不振で悩んでいたのか。
彼の死因に繋がるものが何だったのか、考察いかんで変わってくるので、ぜひ色々と思いを馳せてください。
佐々木譲二は、真木栗の隣、201号室の住人。
赤いグローブでよくスパーリングしている、ボクサーらしき男性です。
彼の部屋に通づる穴の発見により、真木栗が覗きにハマるきっかけに。
彼女を連れ込んではニャホるお色気シーン担当であり、真木栗の異変にツッコミも入れる解説役でもあります。
「あんた、つかれてるよ」
…の「つかれてる」が、疲れてるとも憑かれてるとも取れるセリフにニヤリとすること間違いなし!
水野貞男は、佐緒里の夫であり、今をときめくIT企業の社長。
投資関連事業が詐欺ではないかと報道され、佐緒里に迷惑がかからないよう離婚を決意した人物です。
本当は夫婦ともども互いが無くてはならない存在。
貞男と佐緒里の夫婦愛には、切なさも感じます。
…と、この他に、よく行く中華屋のおかみ(松金よね子)、みどり荘の大家(谷津勲)、官能連載を持ちかけた雑誌記者・森本(利重剛)などが登場。
真木栗の部屋のカレンダーを見ると2007年の出来事になっているんですが、小道具はどれも昭和期の年代モノばかりです。
どこか不思議でノスタルジック、味わい深い幻想奇譚な作品 となっております。
【真木栗ノ穴】まとめと感想と考察と
ボロアパートの壁の穴に魅了され、妄想を膨らませて官能小説を書き始めた三流作家。
彼の体験した暑い夏の日々は、真夏の夜の夢ならぬ真夏の穴の夢でした。
- 小説家の男は、部屋の壁穴から隣室を覗き見
- ある日、反対側の空き部屋に通じる穴も発見
- 女性が越してくると妄想したら、本当に美しい女性が越してきた
- そんな中、官能小説の連載の仕事が舞い込んだ
- 彼は覗きをネタに新作を執筆。ところが書いた通りの出来事が
- 彼の創作は、ただの妄想か。それとも現実か
小説家・真木栗を中心に、少しずつ色めき立っていく人間関係。
それは決して華やかなものではなく、どこか色褪せた色彩で飛び込んできます。
不可思議な世界を映す、情緒豊かな風情。
今作は最初から最後まで映像が本当に美しく、静かにゆっくりと変化する物語に、つい目を奪われるかと思います。
特に興味深いのが、時間軸や生と霊が交錯し、どこまでが現実でどこからが幻想なのかという点。
境界線が曖昧だからこそ繋がりを考察する楽しみがあり、奥行きのあるストーリーは圧巻です。
展開の中心にある、真木栗にまつわる「穴」を探すだけでも実に面白く、色んな「穴」が登場します。
- 真木栗のアパートへと続く切通しの「穴」
- 独り身の寂しさで心に空いた「穴」を埋めようとするシズエ
- 真木栗の部屋の壁に空いた2つの「穴」
- 作家行方不明で「穴」が空いた官能小説の連載枠
- 連載枠の「穴」埋めに舞い込んだ真木栗の新連載
- 真木栗は最後まで書き上げ、連載に「穴」を空けなかった
個人的に観賞後、発見した「穴」は以上の通り。
メインとなる壁の覗き「穴」以外に、こんなに沢山の伏線的「穴」が登場してるんですよね。
さらに考察を深めるとしたら、佐緒里の存在でしょうか。
- 佐緒里は大家さんから、アパートがあと1ヶ月で取り壊されると聞いている
- ナニか出るとも聞いている
- にも関わらず、203号室を契約
- その頃、真木栗は取り壊しを知らずに壁の穴を発見
- つまり数日もしくは数週間は、生きた佐緒里と真木栗の生活が重複
- 真木栗の思い出の中の佐緒里は、生きていた頃の清楚で可憐な佐緒里
- アパートに住み始めて数日後、佐緒里は元旦那の元へ帰り、命を落とした
- その後、真木栗が穴から見ていた佐緒里は、屍人となった向こう側の存在
- ゆえに穴から見るたびに、霊的な妖艶さ漂う淫らな女性に
…とまぁ、最後まで見てから改めて順を追うと、佐緒里の存在の境界線も見えてきます。
1回見ただけでは分かりにくい、という難点はありますが、鑑賞するたびに色々な発見があって、ホラーというよりミステリーの傑作。
何回見ても同じ印象を抱くのは、妙に感傷的なラストだけかもしれません。
映画【真木栗ノ穴】は、じんわりまとわりつく生ぬるさが薄ら寒い、考察しがいのある幻想奇譚でした。
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