お人形。
それは時に子供の遊び相手になり、時に心の寂しさも埋めてくれ、 大事にすれば何年も何十年もそばに居てくれる存在です。
姿かたちがまるで少年、不気味なアンティーク人形に翻弄される映画【ザ・ボーイ 人形少年の館】のあらすじ・キャストについてお届けします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
【ザ・ボーイ 人形少年の館】お相手するのはお人形
さて問題。今作に出てくるアンティーク人形は?
3秒以内でお答え下さい!
…ちょっと待て。片っぽおかしいだろ!
もはや元巨人軍の桑田真澄氏の次男というより、生き人形キャラ化しているMattさん。
あのツルツルすべすべ、アンティーク人形のような陶器肌はどうやって維持してるんでしょうね。
…ということで、正解はA!
…じゃないだろ!紛らわしいから!
今作は、巷では「Mattさんに似てる(笑)」という噂もあるお人形さん、つまり「B.人間のような人形」の物語。
- 人気海外ドラマ《ウォーキング・デッド》のローレン・コーハン主演
- シッターとして雇われた女性が主人公
- 大きなお屋敷でお相手するのは陶器のアンティーク人形
- お子様として接しなければならない10のルールがある
- なにやらオカルティックな展開…と見せかけたジャンルスィッチムービー
どんでん返しな展開が予想外にすぎる、お人形とその館に隠された驚愕の真相を描いた映画が【ザ・ボーイ 人形少年の館】 です。
映画【ザ・ボーイ 人形少年の館】基本情報
原題 | The Boy (2016年) |
ジャンル | オカルト・ホラー・サスペンス・ミステリー |
監督 | ウィリアム・ブレント・ベル |
脚本 | ステイシー・メニヤー |
上映時間 | 97分 |
出演 | ローレンn・コーハン、ルパート・エヴァンス、ジム・ノートン他 |
動画配信サービス | Amazonプライムビデオ(prime対象) |
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【ザ・ボーイ 人形少年の館】あらすじ
物語の舞台はイギリスのどこか。
深い森の奥深くにひっそり佇む大きなお屋敷のシーンから始まります。
- 遠路はるばるアメリカからイギリスにやってきた女性グレタが主人公
- 訪れたお屋敷は、おとぎ話に出てきそうな立派で手入れの行き届いた豪邸
- お住まいなのはヒールシャー夫妻とそのお子様、8歳のブラームスくん
お子様が8歳のわりに、随分とご高齢の両親だな。
ブラームスくん、お人形さんだからねー。
…は?
そう。今回グレタは「両親が旅行の間、8歳の子供の面倒を見る」という子守としてやって来ました。
…が、肝心のお子様に少々問題が。
- 報酬も破格、住み込み先も豪邸、グレタは雇用してもらえてウキウキ気分
- いざ紹介された子守のお相手ブラームスくんは、どっからどう見てもお人形
- 「またまた〜人形て(笑)」と思わずグレタは吹き出すものの、ご両親は大まじめ
- お屋敷に出入りする配達人マルコムも、お人形ブラームスくんへ優しく話しかけるという奇妙な世界
…なんだこれ。このお人形ごっこの茶番に付き合う羽目になるのか?
茶番じゃないよー。ちゃんとブラームスくんと仲良くしないと、大変な目に遭っちゃうよー。
マジでこんなお人形の子守が仕事?
…と訝しみながらも、一応はみんなに合わせて子供に接するように人形にご挨拶したグレタ。
さっそくヒールシャー夫人からこの人形のトリセツ…もとい、お子様ブラームスくんのお世話に絶対不可欠な10の子守ルールを説明されることになっていきます。
知ったこっちゃない10のルール
端からみたら、ブラームスくんはどうあがいても人形です。
しかしヒールシャー夫妻にとっては大事な大事な一人息子。
- お食事はもちろんブラームスくんの分も食卓に並ぶ
- 夜はパジャマにお着替えし、朝は決まった時刻に起こして普段着にお着替え
- 害獣(ネズミや虫)を怖がるので、侵入を防ぐために窓はガッチガチに封印・暖炉も使用不可
着せ替え人形はあるからお着替えはアリとして、飯は喰わんし害獣怖いとか言わんだろ。
ブラームスくんは臆病だからネズミとか苦手で、内気だから怖いって言えないんだよー。
…そう来たか(笑)
お人形にキャラ設定しているってことなのね、どこまでもお人形ごっこの延長ね、とヒールシャー夫妻の脳内思考を気味悪がるグレタ。
もうあからさまに怪訝そうな表情丸出しですが、そこはグッと堪える大人です。
とりあえず「はぁ…そうなんですね」と苦笑いでこのお屋敷での決まり事や注意事項に耳を傾けます。
が、翌朝こんなおかしな状況にも出くわすことに。
- 朝イチから、ヒールシャー夫人がブラームスくんのお部屋で騒いでる
- お部屋の中はオモチャが散乱、夫人がブラームスくんを叱ってた
- 旦那様いわく、ブラームスくんは感情の起伏が激しくて暴れたらしい
…人形だよな。夫人の狂言か?
パパとママが自分を置いて旅行に行っちゃうから、ブラームスくんが癇癪を起こしたんだよー。
たたでさえお子様サイズの陶器製、リアルなガラスの少年ってだけでも不気味なブラームスくん。
たまにイタズラしたり暴れたり…という追加のキャラ設定付きでした。
そしてヒールシャー夫妻のブラームスくん設定はまだあります。
グレタはさらなる追い討ち、「必ず守らなければならないブラームスくんへの接し方」のメモまで押し付けられる始末。
【必ず守るべき10のルール】
- 客人を招いてはいけない
- ブラームスくんの顔を覆ってはいけない
- 食事は冷蔵庫で保管するように
- 毎朝7時に起こすこと
- 平日は3時間勉強を教えること
- 音楽を大音量でかけること
- ブラームスくんを一人にしてはいけない
- 庭のネズミ捕りを掃除すること
- 必ずブラームスくんに食事を与えること
- お休みのキスをすること
ここまでお人形ごっこを徹底してるこの夫妻が怖い…。
いやいやいや。ブラームスくんへのルールはむっちゃ重要だから。
到底付き合いきれないお仕事内容。
ですがグレタには、ここにいなければならない理由があります。
それに、どのみちこの日からヒールシャー夫妻は旅行で不在。こんなルールなんぞ知ったこっちゃありません。
「本当にごめんなさいね」という意味深な言葉を残して出立していった夫妻を見送った後、グレタは何一つルールを守ることなく好きなように過ごすことにいたしました。
まさかの展開・まさかの真相
子守として雇われたのに、いざ来てみれば子供ではなくお人形のお世話だなんて。
思いもよらない仕事内容に驚きを隠せないグレタですが、彼女にとってこのお屋敷は不気味だけれど安息の地。
- 実はグレタはストーカー化したDV元カレから逃れるために、アメリカではなくイギリスでの仕事を選んだ
- 過去の苦い経験を清算し、人生仕切り直すにはお金が必要
- お人形ごっこは気持ち悪いが、1週間分の報酬は妹の月給と同額という高待遇
仕事サボってもバレないし、随分楽で羨ましい仕事だな。
そうでもないよ?サボったらブラームスくんがあばれる君になるもん。
所詮は人形、数々のルールもヒールシャー夫妻の妄想の賜物とタカをくくってサボりまくっていたグレタ。
しかし彼女の身に、少しずつ異変が 起こり始めてしまうんです。
- ブラームスくん人形を玄関ホールの椅子に放り投げ、布を被せた→布が勝手に落ちてた
- 食事なんか用意するはずがない→冷蔵庫に保管していた残り物が多分減っている
- 仲良くなった配達人マルコムの誘いを受け、デートの予定→服も靴もアクセサリーも全部消えた
グレタは、10のルールをことごとく無視したせいでバスタオル姿で館をウロつく羽目に。
しかもブラームスくん人形と自分以外誰も居ないはずなのに、屋根裏部屋に通じるハシゴまで降りています。
不審者か!?
ブラームスくんの仕業だよー。
いくらお子様サイズでリアルとはいえ、まさか人形のブラームスくんが動いて何かやらかすとは考えもしないグレタ。
- 屋根裏部屋にだれかが潜んでいると思いこんだ
- 探索したら閉じ込められて、デートはドタキャン
- 翌朝には再び屋根裏部屋のハシゴが解放、グレタは無事脱出
そうして改めて日中訪れてきた配達人マルコムが屋敷内をくまなく調べても、誰かが侵入した形跡も侵入出来そうな経路も見当たりませんでした。
思い込みは命取り
屋根裏部屋に閉じ込められるという体験をして以来、グレタはブラームスくん人形の悪夢を見るようになってしまいます。
なぜならブラームスくん人形誕秘話に、こんなお話があったから。
- 確かにこの館・ヒールシャー夫妻には、かつてブラームスという一人息子がいた
- ただ…8歳のお誕生日を迎えた日に、館で起きた火災で亡くなっていた
- この日を境に夫妻はブラームス人形を息子として大切にし始めた
- 我が子を失った悲しみを、かれこれ20年もアンティーク人形で癒していた
…お人形ごっこは、亡き息子くんの代わりだったのか。
でも、ブラームスくんはただの人形じゃないよ?
そう、服を隠されたり閉じ込められたりという体験済みのグレタは、「もしや人形に霊が取り憑いちゃってるんじゃ…」と思い始めます。
そしてそれを決定づけるかのように、さらなる恐怖に見舞われてしまうんです。
- 相変わらずルールをガン無視していたら、ルールのメモ書きが人形の側に散乱
- 寝てる状態で放置していたのに、ブラームスくん人形がベッドの端にお座りしてた
- 「ひーーー(泣)」と、グレタが自室に逃げたら、彼女を呼ぶブラームスくんの声が
- 「良い子にするから」と、ブラームスくんはグレタの好きなサンドイッチを差し入れしてきた
ひいぃぃーーーーーーー!ブラームス人形怖い…
もっと怖い事態に発展するよー。
- 健気に自分の好物を差し入れてくれたブラームス人形に、グレタ感動
- 8歳で亡くなって寂しかっただけの霊が宿ってると思い込んだ
- 実はグレタもDV元カレのせいで流産し、我が子を亡くしている
- ブラームス人形が我が子のように愛おしく思えてきて、きっちりお世話し始めた
…ちょ、マテヨ。なんだこの急展開は。
ねー。怖いでしょ(笑)
きっとグレタが人形霊にあんな思いやこんな思いで恐怖させられる展開に。
…というホラーの定番・観客の思い込みを完全に欺き、まさかの共生。
違う意味で観る者が恐怖するというツッコミどころがご用意されていました。
しかもこのツッコミたくなる恐怖は、これで終わりではありません。
- 妹しか知らないグレタの居所を突き止めて、DV元カレが乱入
- この日も訪問してきたマルコムには静観してもらうことに
- 無理やり連れ戻そうとするDV元カレから助けて…とグレタはブラームスくんに懇願
- …と、そこにカラスだかの死骸とともにDV元カレへ「GET OUT(出て行け)」の警告が
- 怒ったDV元カレは「気味悪い人形クソが!」と、ブラームス人形の頭部を粉々に破壊
- 「あぅ…ブラームスくんが」と思っていたら、壁をぶち破って胸毛モジャ男がご登場
…ちょ、マテヨPART2!誰だこの胸毛モジャ男は!?
うふふ。ブラームスくんって男性ホルモン濃いんだねー。
てっきりいろんな仕業はブラームス人形に宿った霊の仕業と思い込んでいたら…
これには一同ビックリな真相です。
- 本物のブラームスくんには、8歳のときに女の子を殺めたらしい過去がある
- 犯行を隠蔽するために、火事で亡くなったことになっていた
- 実際に火事で大火傷を負い、顔にはジェイソンばりの仮面着用
- 以来、ブラームス人形が我が子という狂気を演出しつつ、ニート生活を送らせていた
- 若くて美人、お気に入りのグレタを守るため、館内の隠れ家から参戦
こうしてツルツルすべすべ、アンティーク人形の面影が微塵もないムッサい胸毛&仮面のサディスティックなブラームスの反撃が始まります。
手入れの行き届いた広い豪邸は、一変して惨劇の現場に。
色々な思い込みが覆され続ける物語の結末は…というのが大まかなあらすじになります。
【ザ・ボーイ 人形少年の館】主な登場人物
今作【ザ・ボーイ 人形少年の館】は、見るからに低予算っぽい仕上がりの作品です。
が、心がザワつく意外すぎるストーリーをB級映画で終わらせず、魅力あるものにしてくれた登場人物たちをご紹介いたしましょう。
グレタは子守としてお屋敷に住み込むことになった今作の主人公。
まさかお相手が子供サイズのアンティーク人形だなんて、グレタにとっては予想外すぎる展開です。
最初は薄気味悪がり、次第に人形に愛情を持ち始め、終いには対立。
そんなグレタの心境3段活用を演じ分けたローレン・コーハンは、《スーパーナチュラル》や《ウォーキング・デッド》など、海外ドラマで引っ張りだこの女優さんです。
見るからにB級ホラー感が漂う今作ですが、ローレン・コーハンが出てるから観た、という方も多い模様。
実は良く作り込まれたストーリーをより魅力的にしているのは、ひとえに彼女のおかげかと思います。
ブラームスは今作の要となるお人形。
8歳で亡くなった少年の代わりに我が子として大切にされてきた、いわくアリアリな陶器肌のアンティーク人形です。
見た目もリアルで大きさもお子様サイズ。おそらく8歳のお子さんの平均身長120cmくらいあるのかなと思います。
おぅ…オカルトか…と思わせぶりな異変を起こすブラームスくんですが、事態はそんなことより恐ろしい狂気へと発展していきます。
マルコムはお屋敷に日用品などを配達してくれるアラサーmen’s。
週1ペースで食材や郵便物、グレタへのお給料などを届けに来てくれます。
さらに少しだけ知っているブラームスくん情報を語ってくれたり、デートに誘ってくれるなど、次第にラブラブムードにも発展。
お人形と2人きりのグレタが唯一頼れるまともな人間、といったところです。
…と、この他にはブラームスくんのお上品な老齢のご両親や、ストーカーまがいのグレタの元カレが登場。
キャストは少数・舞台もお屋敷内のみという作りにも関わらず、物足りなさや展開の分かりにくさはありません。
よくある怖すぎな人形ホラーではなく、要所要所にツッコミどころが点在しているサスペンス 、といった感じで楽しめる映画かと思います。
【ザ・ボーイ 人形少年の館】まとめ
ホラー仕立てと見せかけて完全に予想外すぎる展開が続出。
いわゆるジャンルスイッチムービーが【ザ・ボーイ 人形少年の館】です。
- 舞台は人里離れた森の奥、手入れの行き届いた大きなお屋敷
- 子守として雇用された女性がお世話するのはお子様ではなくお人形
- 定められた10のルールを無視したことで、いくつかの異変が
人形&怪奇現象と言ったら、だいたいが霊の仕業だ悪魔の所業だ!と思いがち。
そんな先入観を手玉に取り、見事に翻弄しまくる驚きの展開には怖さより笑いがこみ上げてしまいました。
そもそもどこが1番怖かったかって…陶器肌のブラームスくんと胸毛モジャ男のブラームスのギャップでしょうか(笑)
映画【ザ・ボーイ 人形少年の館】は、オカルトなんかよりよっぽど人間の方が怖い…と、欺かれっぱなしのホラー作品 でした。
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