映画【烏】のあらすじは?鳥じゃなくてカラスに襲われるパニック映画

パニック

どこにでもいる、ごくありふれた黒い鳥。

カラスは鳥類の中で最も大脳が発達している、非常に賢い生き物です。

顔を覚え、男女も区別し、個々の人間を識別できるほど。

知恵を備えたカラスが凶暴化し、ひとつの街を恐怖に陥れるパニック映画【烏】の世界へとご案内いたします。

 

この記事で分かること

  • 映画【烏】のあらすじ・キャスト
  • 予告動画・DVDブルーレイ情報

 

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映画【烏】あの名作のオマージュ作品

たける
たける

鳥と烏、漢字が似てて紛らわしいっ!

REON
REON

…線1本しか違わないもんな。

映画【烏】は、ヒッチコックの名作《鳥》にオマージュを捧げて作ったパニックサスペンス。

よく見ると「鳥」ではなく、まさかの「烏」←カラス。

目を凝らさないと同じ字に見えちゃう、間違って鑑賞しちゃうという、詐欺まがいの作品です。

 

  • 大量のカラスが人間を襲う、くちばしに恐怖するお話
  • 原題は、カラスの鳴き声CAW(カーカー)をもじった「KAW」
  • アメリカで、TV映画用に作られた劇場未公開作品
  • ヒッチコックの《鳥》と似たようなシーンがある
  • ヒッチコックの《鳥》に出演していたロッド・テイラー氏が出演してる

 

タイトルが紛らわしいせいで、今作の評価はよろしくありません。

名作《鳥》だと思って観たのに、違うのかよ!

…という落胆の表れがこちら↓

  • Filmarks : 2.5/5
  • Amazon prime video : 3/5
  • Yahoo : 1.7/5

確かに酷評は多いですが、ストーリーは分かりやすいし、展開も理にかなっています。

登場するカラスたちはSFX(特撮)だけでなく、本物も混じっているので臨場感はバッチリ。

これはこれで意外に良作、低予算B級パニック映画【烏〜カラス〜】です。

※DVDや動画配信では「〜カラス〜」の表記はありません。

 

ヒッチコックの《鳥》が観たいんじゃーー!

ヒッチコックの《鳥》は、映画史に残る名作中の名作。

日常的に目にする鳥たちが、昼夜問わず人を襲い始めるパニックサスペンスです。

ただ闇雲に地獄絵図が描かれているわけではなく、緻密に練られた人間ドラマがストーリーに深みを持たせています。

少しずつ確実に増えていく鳥たちがとにかく不気味で、空を覆い尽くすほどの大群が押し寄せるシーンは圧巻。

なぜ鳥が人を襲うのか…という理由が明かされておらず、答えのなさが余計に恐怖と衝撃をもたらします。

これはもう、何回観てもトラウマ級のグロエグさ。

【烏】じゃなくて、ヒッチコックの《鳥》が観たいんじゃー!

…という場合は、こちらで予告と動画配信サービスをご確認くださいませ↓

 

 

映画【烏〜カラス〜】基本情報

烏 KAW2007年 アメリカTV映画
ジャンルパニック・ホラー・サスペンス
監督シェルドン・ウィルソン
上映時間92分
出演ショーン・パトリック・フラナリー、ロッド・テイラー他
動画配信サービスAmazonプライムビデオ(prime対象)

 

無料お試し期間を活用すれば、実質¥0で視聴可能です。

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映画【烏】小さな異変・大きな脅威

物語の舞台は、住民600人ほどの小さな田舎町。

特に大きな犯罪も起こらないこの町で、ある日奇妙な事件が起こります。

 

  • 土曜日の早朝、バックマン牧場の主ラルフが納屋へ
  • いつものように作業に向かうと、なぜか干し草が散らばってた
  • ??と思いながらも、トラクターを運転
  • そこへ1羽のカラスが干し草を啄みに
  • タイヤ付近にいたと気付かず、カラスを轢き殺しちゃった

 

たける
たける

うぉー!?カラスが襲ってきた!

REON
REON

…仲間が殺されたと思ったんだろう。

実は納屋の梁に、大量に隠れていたカラスたち。

その異様な光景を見て逃げ出した牧場主ラルフですが、彼が口を開くことは二度とありませんでした。

 

  • ラルフの姿が見えない…と近隣住民から通報が
  • 緊急呼び出しを受け、署長ウェインが現場に急行
  • 納屋で血だらけになった牧場主ラルフの死体を発見
  • 付近には轢死したカラスの死骸も
  • ウェイン署長は、保安官スタンと検死官ドクを召集
  • 検死官ドク曰く、見たことのない無数の傷が死因らしい

 

たける
たける

大量にいたカラスたちは?

REON
REON

…納屋の中にも外にも見当たらないな。

ウェイン署長らが駆けつけたとき、すでにカラスの姿はそこになく。

カラスに襲われて亡くなった…という事実は、まだ誰も把握しておりませんでした。

 

  • 同じ頃、別の場所ではスクールバスの屋根に数羽のカラスが
  • 整備をしていた運転手クライドは、追い払おうと空き缶を投げた
  • それでも動かないので、さらに物を投げつけた
  • …ふと振り返るとカラスが集結。クライド目掛けて飛んできた

 

たける
たける

さらなる犠牲者?

REON
REON

…いや、猟銃ぶっ放して難を逃れた。

1羽、また1羽と、見事な腕前でカラスを撃ち殺し始めたクライド。

銃声を聞いた住人からの通報があり、ウェイン署長はそっちにも急行する羽目になりました。

 

  • この町で、銃の使用は法律違反
  • ウェイン署長はクライドの荒屋へ
  • 不在だったので、町民が集うベティのダイナーへ
  • そこでクライドを見つけ、話を聞くことに

 

たける
たける

「また」クライド?

REON
REON

…彼は町のはみ出し者なんだよ。

たびたび問題を起こし、ようやくバス運転手の定職についたクライドを、問いただしたウェイン署長。

すると彼からは、こんな返答が。

「カラスが襲ってきたから、仕方なく撃ったんだ」

しかしウェイン署長はこの話をまともに取り合わず、真面目に生きろと諭します。

…このあと町全体を揺るがす、最悪の悲劇を招くとも知らずに。

 

集まったカラスの群れ

自分が過去にしでかした問題を自覚しているクライドは、信じてもらえないのも仕方ない…と、ダイナー前に停車していたバスの中へ。

そこへバスケ部の女子学生とコーチが乗り込んできます。

 

  • バスケ部の面々は、町外で行われる交流会のため出発
  • ウェイン署長はその様子を見送りながら、ダイナーでコーヒーを注文
  • 切り盛りしているベティと雑談中、店の前に集まるカラスを目撃
  • 1羽が誤って店の窓に激突し、何かおかしいと感じ始めた
たける
たける

おかしいって何が?

REON
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…このカラスたち、ワタリガラスだったんだよ。

カラスの中でも大型なワタリガラスは、つがいで行動することはあっても群れでは行動しない習性があります。

なのに今ダイナーの周りに集まっているのは、まさに群れで行動している数十羽のワタリガラスたち。

ウェイン署長はさっきクライドが言った言葉を思い出し、少し調べてみることにいたしました。

 

  • 再びクライドの荒屋へ行くと、カラスの死骸があちこちに
  • 襲われて撃った…という話は本当らしい
  • さらに周囲を見渡すと、向こうの森から煙が
  • ウェイン署長は慌てて煙の立つ場所へ急行
  • そこで2台の車と2人の死者・1人の重傷者を発見

 

たける
たける

交通事故?

REON
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…というよりカラスの仕業だな。

2台の車のうち、旅の途中と思しきカップルの車が道路脇に転落。

ウェイン署長が見たものは、この車が炎上していた煙でした。

 

  • カップルの女性は車外に投げ出され、カラスに肉を啄まれていた
  • ウェイン署長はすぐさま彼女を救い出し、パトカーへ
  • まだ牧場にいた保安官スタンと検死官ドクに連絡
  • 町の中心地にある検死官ドクの診療所で診てもらうことに
  • ただ、残念ながら女性は命を落としてしまう

 

たける
たける

ねぇ…今度は診療所の周りにカラスが集まってきてるんだけど。

REON
REON

…女性を助けるとき、ウェイン署長が攻撃したからな。

建物の屋根に、木の上に。

さらには道路にまで集まってきたカラスたちを見て、ウェイン署長たちは驚愕します。

 

  • しかも診療所の目の前では、少年がカラスに囲まれてた
  • ウェイン署長が助けに行くも、カラスが多すぎてちょっとピンチ
  • 銃で助太刀した保安官スタンが襲われ、お陀仏に
  • その隙に少年を救い出し、付近の町民に緊急事態宣言

 

たける
たける

え…。もしかして少年は囮?

REON
REON

…ウェイン署長を誘き出すため、だったのかも知れん。

さきほど攻撃してきたウェイン署長の顔を覚え、町の中心地にまでやってきたカラスたち。

保安官スタンが銃撃してきたので照準をチェンジし、殺し終えると飛び去っていきました。

 

  • カラスたちは去り際、電柱の配電ボックスも破壊
  • 各家庭に電話連絡はおろか、外部への通話も不可
  • そんな状況下で、今度はクライドが運転するスクールバスが襲われた
  • しかもカラスたちは小石を拾ってバスの窓を破壊
  • そこへウェイン署長が駆けつけ、ベティのダイナーに逃げ隠れることに

 

たける
たける

カラスって、ここまで凶暴化するものなの?

REON
REON

…まぁ、こうなった理由がある。

最初の犠牲者が出たバックマン牧場…とは別のヘンリー牧場で、牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病が発生。

狂牛病とは牛の脳の中に空洞ができ、スポンジ状になる感染症です。

脳の神経組織に、異常プリオンと呼ばれる感染性蛋白質が蓄積することが原因。

回復させる治療法はなく、確実に死をもたらします。

しかも同じ牧場にいる牛に次々広がるため、食い止めるには全頭殺処分しなければなりません。

これがどうカラスと繋がるのかというと、カラスは概ね動物の死骸を餌とします。

つまり狂牛病の牛の死骸を食べたせいで、カラスに狂牛病が伝染し、群れて凶暴化。

周囲がこのことを知らなかったのは、ヘンリー牧場の人間が狂牛病発生を隠していたからでした。

こうして理由がわかったところで成す術はなく、カラスの猛攻は続きます。

ダイナーに籠城したウェイン署長たちは、なんとか助かる道を模索し… というのが大まかなあらすじになります。

 

 

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映画【烏】意外と冷静な登場人物たち

よく見ると、つぶらな瞳がかわいいカラス。

…ですが、真っ黒な躯体・顔より大きなくちばしには恐ろしさを感じます。

凶暴化したカラスの襲撃に立ち向かう、登場人物たちをご紹介いたしましょう。

 

ウェイン (ショーン・パトリック・フラナリー)

ウェインは、この町の保安官事務所の署長。

家を売り、仕事も辞め、妻シンシアと町を出る予定があり、実は今日が最後の職務。

町の人々を救うために奮闘し、物語の結末まで盛り上げる人物です。

 

シンシア (クリスティン・ブース)

シンシアは、ウェイン署長の妻。

文化人類学の教授ですが、この町ではその頭脳を活かす場所がなく。

ウェイン署長はそんな妻のために退職を決意し、近いうち引っ越す予定でした。

シンシアは町の学生と交流があり、特に仲の良かったのがヘンリー牧場の娘グレッチェン。

彼女に会いにいったことで、意図せずして狂牛病のこと・カラスの凶暴化の真相を突き止める人物です。

 

ドク (ロッド・テイラー)

ドクは、検死官であり診療医でもある町の老医師。

初めての犠牲者ラルフの傷がカラスによるものと見抜けませんでしたが、博識で冷静沈着な御仁です。

カラスの行動をよく観察しているドクの言葉は、一言ひとこと沁み渡ります。

そんなドクを演じたのは、ヒッチコックの《鳥》で弁護士ミッチ・ブレナー役だったロッド・テイラー氏。

今作1番の目玉キャストとなっております。

 

クライド (スティーヴン・マクハティ)

クライドは、町で厄介者扱いされている壮年男性。

何をしでかしてきたのかは、はっきりと語られていません。

ただ、ダイナーでベティと会話中、「もう呑まん」とコーヒーをいただいていることから、酒でやらかした系かと。

カラスを撃ち殺しまくったせいでバスごと狙われるも、漢気ある行動に出る良い人です。

 

…と、この他に、初の犠牲者となる牧場主・スクールバスに乗る少女たち・すんごい髭面のヘンリー牧場主などが登場。

「カラスは目を狙う」というキャッチコピーがついてるんですが、そんなシーンは一切ございません。

どちらかと言うとグロさは控えめ、血肉グッチャリを期待しすぎるとガッカリするかも。

とはいえ大量のカラスは壮観・オチもなかなかスッキリしている作品 となっております。

 

 

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映画【烏】感想まとめ

一方的に攻撃してきたのではなく、やられたから倍返し。

迫り来る大型カラスの襲撃は、足が竦むほどの怖さです。

  • とある小さな街で、無残な姿になった牧場主が
  • 誤ってカラスを轢き殺してしまい、襲われたらしい
  • その後、群れを成さないワタリガラスが街に集結
  • 銃を向ける人間・肉を貪るカラスとの攻防が始まった

カラスは無闇に人間を襲う鳥ではありません。

エサをくれる人・危害を加えてくる人を認識し、相手の行動に対応する能力があります。

つまり、可愛がってくれる人間には懐く・虐めてくる人間には牙をむく。

今作は、そんなカラスの習性を軸にリアルな恐怖が描かれています。

始まりは偶然だったけれど、人間側が手を出さなければ、こんな惨劇が起こることはなかった…ということです。

日本にも、そこらじゅうにカラスがいますよね。

よく目にするのはハシブトガラス・ハシボソガラスですが、今作に登場したワタリガラスも日本に棲息しています。

種類に関係なく、ちょっかい出したら追われます。

ちょっかい出さなくても、繁殖期は卵や雛を守る行動をするので襲われることも。

カラスの繁殖期は3月〜7月、なかでも特に気が荒くなっている4月〜6月は近付かないに限ります。

…まぁ映画のように、くちばしで襲われることはありませんが。

通常のカラス攻撃は、主に足の鉤爪です。

余計なことすると、後ろから鉤爪で肉がえぐられる…かも←いいぃぃぃやぁぁぁぁぁーー(by.善逸)

映画【烏】は、カラスの習性と賢さに疫病感染が加わった、ありそうであって欲しくない生物パニック作品 でした。

 

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