「友好」と言いつつ、意味不明な殺戮を繰り返す知的生命体。
もしもそんな宇宙人が大挙して押し寄せてきたら…？
火星人にいいようにヤラれまくるSFコメディ映画【マーズ・アタック!】の世界へとご案内いたします。
この記事でわかること
- あらすじ概要・出演キャスト
- 予告動画・動画配信サービス・DVD情報
【マーズ・アタック!】映画史に残るマニアックSF
ワレワレハ カセイジン ダ。
これまた凄いのが来たな…。
宇宙人といえばエイリアン。
エイリアンといえば頭がデカいグレイ型👽
そんな姿をイメージしますが、今作【マーズ・アタック】ではかなり強烈な火星人が登場します。
フォルムも話し方も超個性的で、インパクトありまくり。
なんせ脳みそ丸見え・顔はほぼガイコツなんですから。
- 奇才ティム・バートン監督による「宇宙人襲来もの」
- 監督の趣味で、なぜかゴジラがカメオ出演
- 原案は1962年アメリカ・トップス社発売のトレカ「マーズアタック」
- 豪華キャストの無駄遣い、ティム・バートン監督史上最悪と言われる酷評SF
- …だけど、今見るとお宝作品に見えてくるマニアックな1本
一度見たら忘れられない火星人の容姿に加え、ヤンチャな行動・トラウマ級のちょいグロが見どころになっています。
わりと呑気すぎる地球人。
サバゲー感覚で虐殺を繰り返す火星人。
あわや地球滅亡・完全侵略なるか…というピンチを描いたSFコメディ映画 が【マーズ・アタック】です。
ちなみに。
どれだけマニアックな作品かは、脳みそガイコツ火星人のフィギュアを見れば一目瞭然！
ぶっ飛んだお値段にも、ぜひ驚いてください(笑)
映画【マーズ・アタック!】基本情報
| マーズ・アタック! | 1996年 アメリカ映画 |
| ジャンル | SF・コメディ |
| 監督 | ティム・バートン |
| 脚本 | ジョナサン・ジェムズ |
| 上映時間 | 106分 |
| 出演 | ジャック・ニコルソン、グレン・クローズ、ピアース・ブロスナン他 |
| 動画配信サービス | Amazonプライムビデオ(レンタル作品) |
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【マーズ・アタック!】見た目強烈！火星人の来襲
物語の始まりは、不気味な音楽に合わせて押し寄せる未確認飛行物体の様子から。
もはやオープニングから危険なB級のニオイがプンプンします。
- 地球に迫るUFO群はどうみてもレトロな銀の灰皿
- しかもその数、どうみても明らかに多すぎ
- 同じ頃、アメリカ・ケンタッキー州で燃える牛が大爆走
- …と同時に、1機のUFOの目撃談も
お宅、今夜バーベキューなの？
…燃えた牛＝バーベキューって…どんな発想だよ。
なんのこっちゃ分からん、UFOと人類の未知との遭遇。
この一件をきっかけに、アメリカ合衆国デイル大統領は要人や広報官らと宇宙人対策会議を開くことに。
- デッカー将軍曰く、総攻撃すべき
- ケイシー将軍曰く、いや、敵じゃないかも
- ケスラー教授曰く、高度な文明人は友好的と決まってる
- 広報官曰く、宇宙人と仲良くしてる姿をメディアに流しては？
宇宙人とTVでウェーい…これだ！
大丈夫なのか、それ…。
という心配をよそに、デイル大統領は広報官の発案を即決。
政治よりも経済よりも、自身の評価に全力を注ぐ大統領にとって、これは人気がうなぎ登ること間違いナシな政策です。
- まずは人気TV番組をジャックし、演説を開始
- 国民に対し宇宙人来襲の事実を公表
- 彼らを歓迎するセレモニーの予定も発表
- さらに友好の意思があることをUFOに向けて交信
- 宇宙科学者たちに宇宙人語翻訳機も作らせた
- …と、宇宙人からも友好的(？)な返信が
ワレワレ緑色人ハ、800万年前ニ生マレタ火星人類ト他惑星人トノ混血ダ。
暗黒ハ、麦ト一緒ニ刈レ。
…何言ってんのか意味不明だな、おい。
これは即席翻訳機がクズいのか、火星人を名乗る宇宙人がアホなのか。
とにもかくにも一応「友好的」な交信が出来たことで、アメリカは国を挙げて盛大に彼らを迎え入れることにしたのです。
…これが国家采配の大失策、地球滅亡のピンチになろうとは。
この時はまだ、誰も知る由もありませんでした。
ホワイトハウスも大惨事
デイル大統領のTV演説により、ザワついたアメリカ国民。
皆それぞれ火星人にいろんな思いを抱き、今か今かとセレモニーを楽しみにしておりました。
- もしもの備えで結成された、対宇宙人軍に志願する若者が続出
- 火星人はいい観光客、とホテルでひと儲けを目論む実業家も
- セレモニー会場となったネバタ砂漠に足を運ぶ一般人も
- このセレモニーの様子は、もちろん全米生中継
準備は万端…いよいよ火星人とご対面だ！
記念すべき…否、悪夢の幕開けだがな。
多くの地球人が見守る中、厳かに地上に舞い降りた銀の円盤。
その中から現れたのは、なんとお子さまサイズの脳みそガイコツ型エイリアンだったのです。
- これが…火星人!?と、その見た目に一同おったまげ
- それでも初火星人に歓喜し、和やかな歓迎ムードに
- 政府代表の大役を担ったケイシー将軍が、まずは友好の握手を
- 差し伸べられた握手の手に、火星人キョトン？
？？…火星人には握手の習慣ないのかな。
地球外知的生命体だからな。感覚が地球人とは違うんだろう。
ということで、握手は抜きで対話を試みることに。
ところがこの肝心な時に、宇宙語翻訳機が上手く作動してくれず。
ちょっと暗雲が立ち込めます。
- ポンコツは、ぶっ叩いて直すのがお決まりパターン
- バンバンやってたら、こんな翻訳が
- 「ワレワレハ友好ノ為ニ来タ。平和ノ遣イダ」
- この言葉に安堵した一般人が、白い鳩を空に放った
白い鳩といえば、平和の象徴！
…撃ち殺されるがな。
……え？えぇーー!?
…ついでに人間も撃ち殺される。
「友好」「平和」と言っていたのに、予想外の大虐殺。
セレモニー会場は一瞬にして修羅場と化し、多くの人々が犠牲になってしまいます。
- ホワイトハウスで中継を見ていた大統領は唖然
- もしや握手や鳩は、火星人を怒らす地雷だったんじゃ…
- 後日改めてアメリカ議会に招き、和平を提案することに
- …と、ここでも火星人が大虐殺。議会議員が全員お陀仏
- さらにホワイトハウスにも侵入し、政府高官もことごとく犠牲に
えっと…友好の意思は…。
最初から、これっぽっちもナッシング！
そもそも宇宙語翻訳機が、正しく地球語にしている保証はありません。
たとえ正しく翻訳していたとしても、意味が同じとも限りません。
こうして人類は初の対話を試みた火星人に翻弄され、アメリカのみならず世界各地が阿鼻叫喚の地獄絵図に。
イギリスはビッグベンが破壊され、パリのエッフェル塔も木っ端微塵。
イースター島のモアイはボーリングされてドミノ倒しになり、なぜかゴジラが闊歩する日本にも被害が。
やりたい放題、サバゲー感覚で世界を破壊し、人間を撃ち殺しまくる火星人。
そんな奴らに打ち勝つ術はあるのか…というのが大まかなあらすじになります。
【マーズ・アタック!】かなり豪華な登場人物たち
無駄遣いし過ぎとも言われる豪華俳優陣が大集結。
このキャストだからこそ、酷評ながらも歴史的な一作になったと言っても過言ではありません。
ゴッソリいる登場人物を、ゴッソリとご紹介したしましょう。
デイル大統領は、体裁ばかり気にして中身の薄いアメリカ合衆国のトップ。
決断力に欠けているけれど、演説だけはピカイチの御仁です。
最終局面で火星人に披露する、見事な演説はちょっと感動モノ。
今作で1番の大物を、超大物俳優であるジャック・ニコルソン氏が演じています。
ジャック・ニコルソン氏といえば、あの名シーンのあの名作。あわせてどうぞ↓
マーシャは、デイル大統領の妻であるファーストレディ。
若干ホワイトハウスを私物化している派手なご婦人です。
自分の外見を磨くのに忙しい反面、身を挺してデイル大統領をお守りする健気さも。
演じたグレン・クローズさんは、《エアフォース・ワン》
で副大統領を、ディズニー実写映画《101》
では主演クルエラ・デ・ヴィルを演じたベテラン女優さん。
その他、こんなディストピア作品にも出演中↓
斬新なアニメ映画では、声の出演も↓
タフィは、デイル大統領の一人娘。
賢そうだけど無気力で、火星人？ふーーん……って感じの脱力系ティーンです。
ナタリー・ポートマンさんといえば、なんといってもあの名作《レオン》のマチルダ！
今作では15歳の可愛らしい姿にノックアウトされるかも。
デッカー将軍は、とにかく原爆使いたがる戦争狂。
戦え！殺せ！…ダメなの？それ見たことか!!
…と、常に慌ただしくてやかましい軍曹です。
演じたロッド・スタイガー氏は、第二次大戦で海軍所属の経験もあるベテラン俳優さん。
いくつもの男優賞を受賞した演技派で、いぶし銀の名演技を今作でも拝めるという贅沢仕様になっています。
ケスラー教授は、全米宇宙航行学会の会長。
火星人に対する認識が若干甘く、拐われて解体されて、頭部だけの存在に。
パイプを加えた文化人・ケスラー教授を、5代目ジェームズボンド役だったピアース・ブロスナン氏がダンディに演じています。
ナタリーは、ファッション番組担当の美人キャスター。
愛犬ポピー(スムースコートのチワワ)と共に火星人に拐われ、気がつけばあられもない姿に。
ポピーの身体にナタリーの頭、ナタリーの身体にポピーの頭。
…という、とんでもないビジュアルはトラウマ必至です。
《セックス・アンド・ザ・シティ》の主人公だったサラ・ジェシカ・パーカーさんが演じています。
ジェーソンは、同僚のナタリーと同棲中の報道キャスター。
何よりも自分の番組・自分のTV映えを気にする、ええかっこしぃです。
それでも恋人ナタリーがピンチの時には、危険を顧みず助けに行く漢気があります。
演じたマイケル・J・フォックス氏といえば、《バック・トゥ・ザ・フューチャー》
あの車・デロリアンの雑学もおひとつどうぞ↓
ジェリーは、とにかく目立ちたがりのホワイトハウス広報官。
彼の提案で火星人を歓迎することになるも、大惨事に。
さらに生粋の女好きがたたり、人間に扮したセクシー火星人をホワイトハウスに連れ込むという大失態もやらかします。
演じたマーティン・ショート氏は、コミカルな演技が持ち味のコメディアン兼俳優さん。
ティム・バートン監督作《フランケンウィニー》にも声で出演しています。
火星ガールは、ジェリー広報官に色目を使ってホワイトハウスに潜入する火星人。
謎のクネクネ歩きに目を奪われる存在です。
レトロモダンなドレスがおしゃれで、ファッショナブルな大きな髪型もつい笑っちゃう納得のビジュアル。
当時ティム・バートン監督のパートナーだった、リサ・マリーさんが演じています。
アート・ランドは、ラスベガスでカジノ付きホテルを経営する実業家。
カウボーイハットにロン毛にグラサンと、見るからに胡散臭いオッサンです。
ハットを脱げばヅラも脱げ、軽くハゲ上がったジャック・ニコルソン氏が(笑)
全部の役をやりたいと、ノリノリ参加だったジャック・ニコルソン氏が1人2役をこなしています。
ティム・バートン監督とは、《バットマン》のジョーカーでもご一緒してましたね。
数あるジョーカー像については、こちら↓
バーバラは、実業家ランドの妻。
火星人に対して信仰めいた想いを抱き、なんやかんやで生き延びるご婦人です。
演じたアネット・ベニングさんは、数々の映画祭で主演女優にノミネートされた実力派。
英国アカデミー賞・ゴールデングローブ賞においては、主演女優賞を獲得しています。
リッチーは、家族から出来損ないと言われる心優しい青年。
どんなピンチに遭おうとも、おばあちゃんを助けようと頑張るおばあちゃん子です。
そんなリッチーとおばあちゃんの行動が、この虐殺劇のカギに。
演じたルーカス・ハース氏は、5歳から子役として活躍する芸歴の長い俳優さん。
黒髪ロン毛で優しいお顔立ちのイケメンっぷりにご注目ください。
リッチーの祖母は、認知症を患い施設で暮らすおばあちゃん。
笑顔がとってもキュートで、おばあちゃんのおかげで火星人の以外な弱点が明らかに。
演じたシルヴィア・シドニーさんは、サイレント映画時代から70年ものキャリアを持つ往年の名女優。
今作がシルヴィアさんの遺作となりました。
…と、この他に、火星人や一般市民の皆さま方がゾロゾロと登場。
ユーモラスなストーリーは面白く、一見の価値ある豪華キャストが目白押しの作品となっております。
【マーズ・アタック!】感想まとめ
SFアイディアがたっぷり詰まったティム・バートン監督作。
公開当時、本国アメリカではケチョンケチョンにこき下ろされた作品ですが、チープさとブラックユーモアがたまらない逸品です。
- ある日突然、地球へ超大群のUFOが
- 即席の宇宙語翻訳機によると友好目的らしい
- アメリカ大統領は国を挙げて歓迎することに
- ところが火星人は、サバゲー感覚で虐殺を開始
- あわや完全侵略の一歩手前で、意外な弱点が明らかに
おもちゃのような銃を使い、殺戮と破壊を繰り返す火星人。
ちっとも悪びれず、遊んでいるかのような弾けっぷりは、見ていてなんだか爽快です。
とにかく火星人がいい味出しまくってます。
不気味だけどちっとも怖くなくて、むしろ可愛く見えちゃうミラクルも。
豪華キャストの弾けた演技も実に楽しそうで、テンポも良いし、映像が最高にシュールでクール。
にも関わらず相当な低評価を喰らったのは、おそらく同じ年に公開された映画《インディペンデンス・デイ》のせいかと。
宇宙人来襲・和解失敗・総攻撃くらって大ピンチ・でも人類が勝つ、という大まかな流れは同じなんですよね。
なのにどうしてこんなにこうまで違う(笑)
ティム・バートン監督の遊び心と趣味と実益をぶっ込んだら、きっとこうなっちゃったんでしょう。
いろんな意味で、とても希少価値の高い出来栄えの映画だなと感じました。
映画【マーズ・アタック】は、普通の宇宙人来襲モノとは一線を画す、笑って楽しめる隠れ傑作 でした。
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